- 作品 : カレーライフ
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : A
- 分類 : 旅とグルメ
- 初出 : 2002年1月7日~1月25日
- 回数 : 全15回(各回15分)
- 原作 : 竹内真
- 脚色 : 富永智紀
- 演出 : 松本順
- 主演 : 飯泉征貴
いつもおいしいカレーを作ってくれた祖父が死んだとき、ケンスケ達5人の孫はみんなで約束した。
「祖父の後を継いでみんなでここにカレー屋をつくろう」
しかし子供の頃の約束などいつか忘れてしまう。
従兄弟達全員が一同に会することは、結局あれ以来一度としてなかった。
何より、祖父が洋食屋を経営していた家は既に売却され他人のものになっていた。
そんなある日、約束を思い出させてくれたのはケンスケの父だった。
癌の闘病でやせ衰えた父は、何を思ったか退職金で祖父の店を買い戻し、ケンスケにそこでカレー屋を始めることを勧めてきた。
最初は戸惑っていたケンスケだが、意気投合した従兄弟のひとり・ワタルとともに、海外に散っている他の従兄弟達を尋ねるための珍道中を始める。
そして、従兄弟達一人一人と再開し、彼らと祖父の人生について考え、そして多くの人達のカレーへの思いを感じるうちに、徐々に自分の歩くべき道が見え始めた。
(各回のサブタイトル)
- (なし)
- おでんカレー 子供の頃の約束風
- 沖縄改めアメリカンカレー 旅立ち風
- お土産カレー 三色味
- ウェディングカレー リクエストOK
- 置き土産カレー のれん分け風
- 奥さんカレー 不倫風
- カルカッタ&バナーラスカレー 旅は道連れ世は情け風
- デートでカレー サールナート風
- スパイスカレー 兄弟風
- ガンガーカレー 日の出風
- 沖縄カレー 謎解き風
- 黄金カレー じいちゃん風
- 秘密のスープカレー 闇市風
- (なし)
竹内真さん原作の小説を原作としたラジオドラマです。
NHKの公式ホームページでは「作:竹内真」の表記になっています。
青春アドベンチャーで「作」と表記された作品は脚本家が書き下ろしたオリジナルの作品であることが多いのですが、以下の竹内さんのホームページをみると、本ラジオドラマ以前に原作小説が発刊されているようですので、本記事では「原作」扱いにしています(「作」と「原作」の作品割合等についてはこの記事もご参照下さい)。
↓竹内さんのホームページ(外部リンク)
http://www.asahi-net.or.jp/~hi3m-tkuc/
ライフシリーズ?違います
ちなみに、紛らわしいのですが、青春アドベンチャーで2003年から2015年までの間に6作品が作られているオリジナル脚本の競作短編シリーズであるライフシリーズ(インテリア・ライフ、アクア・ライフ、ボディ・ライフ、ナンバー・ライフ、カラー・ライフ、フラワー・ライフ)と本作とは一切関係ありません。
特に「カラー・ライフ」と本作「カレーライフ」は非常に紛らわしいタイトルだと思いませんか。
本作は連続15話の長編作品です。ご注意ください。
カレー尽くしの全15回
さて、内容ですが、上記の紹介だと少し重い人間ドラマのように感じられるかも知れませんが、基本的には陽気なロードムービー調の作品です。
料理人志望で料理学校も出ているケンスケと、適当につくってもおいしい料理になってしまうという特殊能力(?)の持ち主であるワタルが、カレーと従兄弟達を求めて、富士山からアメリカ、インド、そして沖縄へと珍道中を繰り広げます。
なお、ストーリー上、当たり前といえば当たり前ですが、毎回、ごく自然な形で色々なカレーが登場するカレー漬けの作品です。
本作で最も破壊力のあるメニューはやはり最初に出てくる「おでんカレー」でしょうか。
今度作ってみようかな。
爽やかなロードムービー
本作品、毎回カレー漬けの内容が続く長編ではありますが、陽気な二人組に加え、旅の途中で出会う人たちも基本的に皆、陽気で嫌味がなく、次から次へと舞台が変わることから飽きさせません。
本作のテーマは恐らく登場人物達の絆であり、最終回は少ししんみりする話になりますが、あまりテーマを押しつけて来るような語り口でないこともあり、全15話を気負わずに聞ける良い作品です。
もうひとつのカレー作品
ところで、青春アドベンチャーにはもうひとつカレーをテーマにした作品(わたしの彼はポアンカレ-)があります。
「わたしの彼はポアンカレ-」はSF的な作品ですが、本作は正当的な青春ものです。
たったひとつの料理で青春アドベンチャーだけで2作品もつくれてしまうのは、さすが国民食・カレーですね。
出演者と舞台版
主役コンビであるケンスケとワタルを演じるのは俳優の飯泉征貴さん伊崎充則さん。
その他、キーとなる3人の従兄弟については、一同のお姉さん的な立場のヒカリ役が若松恵さん、世界放浪中のワタルの双子の兄サトル役が佐藤英さん、終盤まで一人だけ謎の行動をしているコジロウ役が佐藤一晃さん。
また、代議士の秘書役で原作者の竹内真さんがカメオ出演しているようです。
なお、本作、2011年に舞台にもなっているようです。
こちらの出演はケンスケ役が中村蒼さん、ワタル役は井上正大さん、ヒカリ役が倉科カナさん。
青春アドベンチャーで中村蒼さんといえば「神去なあなあ日常」の主役・勇気役が非常に印象的。
また、倉科カナさんは青春アドベンチャーでは「バードケージ 一億円を使いきれ!」でヒロインを演じていますね。
それにしても、富士山や沖縄、アメリカやインドにも行くことになる本作をどのように舞台化したか気になるところです。
↓舞台版の公式サイト(外部リンク)
http://www.ntv.co.jp/currylife/
コメント
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気付いたらカレー食べたくなってますね~。
この時間はさすがにまずいですけど・・・。
竹内さんの作品の感想とかをネットでいろいろ読んでいたのですが、
http://www.birthday-energy.co.jp/
というところでは、竹内さんご自身についての論評記事があって
興味深かったです。
最高のカレーを作るために修行に出た物語というより祖父のカレーの味の手掛かりを探すために奔走する物語。カレーで従兄弟たちの絆が深まったのは言うまでもないでしょう。
個人的にはお店を開いた後の話が気になりますね。