タイトルに原作者の名前が入っているラジオドラマ

作品間のつながりを楽しむ

【特集:青アド・ポーカー⑩】タイトルに原作者の名前が入っているラジオドラマ

このブログはNHK-FMで放送されている青春アドベンチャーを中心としたラジオドラマ作品を紹介するブログです。
そしてこの「青アド・ポーカー」は、紹介した作品間の緩いつながりを見つけて、それを楽しもうというトリビアルな特集コーナーです。

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さて、今回のお題は「タイトルに原作者の名前が入っているラジオドラマ」です。
「タイトルに原作者の名前」?
何のことを言っているか分かりづらいですよね。
具体的に言うと「谷山浩子の“悲しみの時計少女”」のように、「原作者名」+「の」+「本来の作品名」がセットになってタイトルになっている作品のことを言っています。

サウンド夢工房時代に多い

特に番組名が「サウンド夢工房」だった時代に多かったのですが、他の時代にも、時折、このような形式のタイトルの作品があります。
なお一般的に、原作におけるタイトルは上記でいう「本来の作品名」だけです。
ラジオドラマだけなぜこのようにしているのか、ある程度、想像できる場合もあるのですが、全般的にはよくわかりません。
既に紹介している作品のうち14作品が該当しますので、14カード(本来のポーカーにそんな役はありませんが)成立ということでご紹介します。

カフェテラスのふたり

  • 伸坊の哲学的(1985年)
    編集者でエッセイストでイラストレーターで漫画家の南伸坊さんが書かれた同名のエッセイを原作とする作品です。
    この作品が放送された「カフェテラスのふたり」もまた、エッセイ調の作品が多い番組でした。
    演技をするのは伊武雅刀さんと島津冴子さんのみ。
    しかもエッセイの地の文に相当する部分は伊武さんのナレーションで表現されていますので、伊武さんはほとんど出ずっぱりです。
  • さだまさしの自分症候群(1986年)
  • さだまさしの青春症候群(1986年)
    この2作品はシンガーソングライターのさだまさしさんの小説・エッセイ集「自分症候群」を原作とするオムニバス形式のラジオドラマです。
    ちなみに、この小説・エッセイ集のさらに元ネタとして、さださんご自身の音楽アルバム「自分症候群」があります。

アドベンチャーロードほか

  • 赤川次郎の冬の旅人(1988年)
  • 赤川次郎の天使と悪魔(1989年)
    なぜ赤川次郎と入っているのかがよくわからない作品。
    「天使と悪魔」については、「天使と悪魔」という言葉が、あまりにも一般的な言葉で内容がよく分からないのみか、むしろ一種、荘厳な雰囲気を想像させてしまい、実際の作品とのギャップが大きいので、敢えて「赤川次郎の」と入れたのかも知れません。
    これが入るだけでタイトルから受ける作品イメージがかなり変わるのは確かです。
    なお、本作品の主演は、今や夜のニュースの顔になってしまった古舘伊知郎さん。
    やっぱり私は本作品のような賑やかな古舘さんの方が好きだなあ。

サウンド夢工房

  • 折原みとの“夢みるように愛したい”(1990年)
  • 折原みとの“天使の降る夜”(1990年)
    この2作品は連続で放送された、事実上、一つの作品です。
    この作品も特に原作者名を付けなければいけない理由が見当たらないのですが、敢えて言えば「夢みるように愛したい」という話し言葉のようなタイトルを、視聴者にきちんとタイトルとして認識して貰うために付けたのかも知れません。
    ライトノベル全盛の今では「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のような話し言葉風のタイトルが世の中にあふれていますが、この作品が放送された当時はややイレギュラーなタイトルだったと思います。
    甘い甘いティーンエイジャーの女の子向けの作品ですが、名手、川口泰典さんの手により意外と聴かせる作品になっています。
  • 谷村有美の雨のち、夕焼け(1991年)
    シンガーソングライター谷村さんのエッセイと歌とフリートークで構成される、トーク番組のような作品でした。
    出演者も有村さんのみ。
    原作があるのかはよくわかりませんので、作者名がタイトルに入っているといえるかは微妙なところではあります。
  • 谷山浩子の電報配達人がやってくる(1991年)
    シンガーソングライター谷山さんの名前が入った作品です。
    「谷山浩子の”悲しみの時計少女”」と異なり「””」が付かないのが正式のタイトルのようです。
  • 谷山浩子の“悲しみの時計少女”(1992年)
    原作者の谷山浩子さんご自身が、主演・主題歌を担当されたラジオドラマです(原作者が出演している他のラジオドラマについてはこちら)。
    「悲しみの時計少女」自体がタイトルとして完成されていると思いますので、敢えて「谷山浩子の」を付けたのは、谷山さんが3役をこなしていることを強調するためでしょうか?
    でも、上記の「電報配達人がやってくる」も、特に谷山さんが出演しているわけでもないのに「谷山浩子の」が付いているのですけどね。
  • 遊佐未森のひなたVOX(1992年)
    シンガーソングライターである遊佐未森さんのエッセイと歌とフリートークで構成された番組で、上記で紹介した「谷村有美の雨のち、夕焼け」とほぼ同じ構成の作品でした。
    ちなみに両作品とも演出は川口泰典さんでした。
    川口泰典さんは、後の青春アドベンチャー早期に、ダミーヘッド録音を多用したアクション作品を多数担当された方で、2015年放送の「今日は一日ラジオドラマ三昧」でもダミーヘッドについて熱く語っていらっしゃいました。
    そんな川口さんが全く毛色の違う子のような作品を演出されていたのはちょっと驚きです。
    なお、「谷村有美の雨のち、夕焼け」と違うのはこちらが明確に同名の原作エッセイが存在することです。

青春アドベンチャー

  • 北村想の怪人二十面相・伝(1992年)
    この作品に原作者さんの名前が付いているのは、恐らく江戸川乱歩さんの作品ではないことを強調しているためだと思います。
    北村さんの本職は脚本家のようなので、本家の江戸川乱歩の設定を脚本家である北村さんが上手く利用していますよ、ということが一目で分かるタイトルになっています。
    本作品は、二十面相にも明智にも哀愁の漂う、立派なパスティーシュ作品で、お勧めです。
    ちなみに、短いですが作品の冒頭に北村さんご自身の作品紹介がある、青春アドベンチャーでは異色の構成です。
  • アンデルセンの雪の女王(1992年)
    「雪の女王」はアンデルセンの超有名な童話ですので、こちらは「怪人二十面相・伝」とは逆に、「アナと雪の女王」のような翻案作品ではなく本家本元の「雪の女王」だよ、と示したく敢えて付けたのかも知れません。
    このラジオドラマは岸田今日子さんのナレーションが秀逸です。
  • 草上仁のミラクルワールド(1993年)
    SF作家・草上仁さんの複数の短編小説集から4篇の小編をピックアップして取り上げた、オムニバスラジオドラマ作品です。
    まさに原作者名をタイトルにいれるにふさわしい作品形式だと思います。
    ちなみに草上さんは、本作品のほかに「くたばれ!ビジネスボーグ」など5作品が青春アドベンチャーで取り上げられた、青春アドベンチャー有数の人気原作者さんです。
  • イッセー尾形のたゆたう人々(1996年)
  • イッセー尾形のたまゆら日記(1997年)
    俳優・イッセー尾形さんをフィーチャーした青春アドベンチャーでも屈指の地味な作品。
    ここまでイッセー尾形色が強いとタイトルにイッセーさんのお名前が入るのも納得です。
    なお、もう1作「イッセー尾形劇場 凡庸の極み」(1995年)という作品もありますが、これはイッセーさん原作ではないようです。

最近はない

こうして見ると昔の作品ばかりです。
例えば2015年放送の「吸血鬼」はこのままではわかりづらいので「江戸川乱歩の”吸血鬼”」などとされてもおかしくないのですが、単純に「吸血鬼」というタイトルで放送されます。
最近はこのようなタイトルの付け方はしていないみたいですね。

少し違うもの

この他、青春アドベンチャーでは「マナカナの大阪LOVERS」、「マナカナの大阪WORKERS」という作品もあります。
こちらは主演している三倉茉奈さん・三倉佳奈さんをフィーチャーしたタイトルで、今回の特集の趣旨とはちょっと違うタイトル付けです。
また、「谷川俊太郎の詩と旅する ことのはワンダーランド」は作中で詩が使われている谷川俊太郎さんの名前がタイトルに入ったパターンです。


次の特集は、おすすめ作品「小室孝太郎さんのワースト」です。


次の青アドポーカーは、「風の谷のナウシカ出演者つながり」です。


■シリーズ「青アドポーカー」
作品間の緩やかな繋がりを楽しむこの企画。
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