アンデルセンの雪の女王 (青春アドベンチャー)

格付:C
  • 作品 : アンデルセンの雪の女王
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : C
  • 分類 : 幻想(海外)
  • 初出 : 1992年12月7日~12月11日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 原作 : ハンス・クリスチャン・アンデルセン
  • 脚色 : 湯本香樹実
  • 演出 : 斎明寺以玖子
  • 主演 : 岸田今日子

少年カイと少女ゲルダはいつもふたりで遊んでいた仲良しの幼馴染。
しかしカイの性格はある日を境に一変してしまう。
周囲からは「カイは頭のよい子だよ」といわれるが、ゲルダだけはカイが意地悪な性格になってしまったことに気がついていた。
実はカイの目には悪魔が作った「性悪鏡」の破片が入ってしまっていたのだ。
しかも、カイは「雪の女王」に誘惑され、いずこともなく立ち去ってしまう。
心を痛めるゲルダ。
ゲルダは、ある日自分の乗った小船が岸から離れたのをきっかけに、ただ一人、カイを探す旅に出ることを決意する。
様々な人との出会いと冒険を繰り返してついに雪の女王の城にたどり着くゲルダ。
果たしてカイは元の心優しい少年に戻るのか。
ゲルダはカイを連れて帰ることができるのか。



作品タイトルのとおり、アンデルセンの名作童話を原作としたラジオドラマです。
特にひねりが加えられたわけでもない純粋な「童話」ですので、私の興味という点からは少し物足りず、上記の評価になりました。申し訳ありません。

なんと20年前の作品

この作品で特筆すべきはむしろ1992年12月に初放送され、2012年12月に再放送されたという事実。
何と20年前の作品がクリスマスシーズンにあわせての再放送されたわけです。
青春アドベンチャーはこの再放送の時点で全309作品(「海に降る」まで)。
「雪の女王」は15作目とごく初期の作品でした(もちろん系列番組まで含めた歴史はもっと昔までさかのぼります)。

名作、迷作めじろ押しの時代

「雪の女王」が初放送された前後の作品を見てみると、ミュージカルとのコラボという珍しい企画(マドモアゼル・モーツァルト・10月26日~11月6日)、人気漫画原作(ベルサイユのばら外伝・11月9日~11月20日)、成人男性?向けの娯楽作品(ロンリー・ランナー・11月24日~12月4日)、そして「雪の女王」(12月7日~12月11日)を挟んで、年末恒例だった名脚本家・藤井青銅さんの1年を振り返る企画(特集”アドベンチャー的五大ニュース・12月14日~12月18日)、新井素子さん原作のサイコホラー(おしまいの日・1月4日~1月15日)、ダニエル・キイス原作のサイコミステリー(五番目のサリー・1月18日~1月29日)と実に多彩な作品群です。
その他、1992年・1993年には「北壁の死闘」、「ふたり」、「スフィア」などのすでに紹介済みの初期の名作が放送されています。

是非この時代の作品の再放送を

NHKといえども昔の番組は必ずしも残ってはいないと聞きます。
しかし、雪の女王が再放送できるなら、超深夜(2時とか3時とか)の別枠でもよいので、是非ほかの作品も放送していただけたらなあと感じます。
私もすべての作品の録音が手元にある訳ではありませんので、是非。

岸田今日子さんのナレーションが怖い

さて、作品を聞いていて特に印象的なのはやはり岸田今日子さん。
この類の話でナレーションをさせたら天下一品です。
スタッフは、脚色:湯本香樹実さん、選曲:伊藤守恵さん、演出:斎明寺以玖子さんの懐かしのトリオ。
湯本さんといえば番組が「カフェテラスのふたり」だった頃から青春アドベンチャーの初期にかけて、童話系・日常系で多くの脚本を書いていらっしゃったと記憶しています。
本作はまさに湯本さんにぴったりの作品だと思います。

アンデルセン登場

ちなみに本作品の原作者のアンデルセンは同じ青春アドベンチャーで制作された田中芳樹さん原作の「月蝕島の魔物」では登場人物としてでてきます。
そちらの記事もご参照下さい。




追記(2014/7/10)
この追記をしている2014年7月現在、ディズニーの「アナと雪の女王」が大ヒットしています。
この記事で紹介している「アンデルセンの雪の女王」が20年ぶりに再放送されたのは2012年12月。
この時点ですでにディズニーが「雪の女王」を翻案したアニメーションをつくることは公表されていたのですが、さすがにNHKがそれに便乗して再放送したとするのは考えすぎでしょうかね。
偶然だとしてもNHKの作品を見る目は確かです。

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