【2018年放送の青春アドベンチャー総括】
2018年1月8日に「月下花伝 時の橋を駆けて」でスタートした今年のNHK-FM青春アドベンチャーは、12月28日に放送終了する「フランケンシュタイン」の再放送で1年が締めくくられることになりました。
12月は「リテイク・シックスティーン」・「フランケンシュタイン」と再放送が続きますので、初出作品は11月の「ギルとエンキドゥ」が2018年最後だったことになります。
さて、例年どおり、これら2018年の放送された作品について当ブログでつけた格付けとともに以下に示します。
№ | 放送日 | 作品名 | 格付* |
---|---|---|---|
1 | 1/8~1/12 (5回) | 月下花伝 時の橋を駆けて | A |
- | 1/8~1/12 (10回) | 獅子の城塞(再) | 2014 |
2 | 1/29~2/16 (15回) | 毒見師イレーナ | A+ |
3 | 2/19~2/23 (5回) | ハリネズミの願い | B- |
- | 2/26~3/2 (5回) | 世界の終わりの魔法使い(再) | 2013 |
4 | 3/5~3/9 (5回) | カーミラ | A- |
5 | 3/12~3/23 (10回) | 時砂の王 | AA+ |
6 | 3/26~3/30 (5回) | メゾン・ド・関ケ原 | B |
7 | 4/2~4/13 (10回) | 王妃の帰還 | A+ |
- | 4/16~5/4 (15回) | 鷲の歌(再) | 2014 |
8 | 5/7~5/18 (10回) | 蒼のファンファーレ | AA- |
- | 5/21~6/1 (10回) | BANANA・FISH(再) | 1994 |
9 | 6/4~6/15 (10回) | 夜露姫 | B+ |
- | 6/18~6/29 (10回) | BANANA・FISH パート2(再) | 1995 |
10 | 7/2~7/6 (5回) | さよなら、田中さん | AA |
- | 7/9~7/20 (10回) | BANANA・FISH パート3(再) | 1995 |
11 | 7/23~8/3 (10回) | 火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 | AAA |
- | 8/6~8/10 (5回) | ほろびた国の旅(再) | 2011 |
12 | 8/20~8/24 (5回) | なにわ純情ナイトメア | B- |
13 | 8/27~9/7 (10回) | 暁のハルモニア | A |
14 | 9/10~9/21 (10回) | カムパネルラ | B |
- | 9/24~10/5 (10回) | 旅猫リポート(再) | 2014 |
15 | 10/8~10/26 (15回) | 武揚伝 | AA |
- | 10/29~11/2 (5回) | 小惑星2162DSの謎(再) | 2014 |
16 | 11/5~11/16 (10回) | ギルとエンキドゥ | B |
- | 11/19~12/7 (15回) | リテイク・シックスティーン(再) | 2013 |
- | 12/17~12/28 (10回) | フランケンシュタイン(再) | 2011 |
* 数字は再放送作品の初回放送年
12月は再放送のみ
12月に新作が放送されないのは公式ページが作られた2002年以降では初めてです。
少し残念ではありますが、年間を通してみると31作品中、初出作品は20作品・140回とまずまずの分量。
特に20という作品数は1997年(21作品)以来の多さです。
その割に回数がいまいちなのは全5回の短めの作品が多かったからではありますが、何にせよまずは満足すべき制作ペースであり、スタッフには感謝しかありません。
オリジナル脚本多し
前年の2017年はオリジナル脚本の長編が1作品もないという近年では稀な年でした。
2018年はその反動からか4作品(メゾン・ド・関ケ原、なにわ純情ナイトメア、暁のハルモニア、ギルとエンキドゥ)も書き下ろし脚本の作品が制作されました。
同人小説家にオリジナル脚本を書かせる(「暁のハルモニア」)などチャレンジングな企画も多く、当ブログへのアクセス数やtwitterの反応を見ると「暁のハルモニア」や「ギルとエンキドゥ」には一部、熱狂的な支持があったようにも見受けられます。
制作側の工夫が実を結んだと言って良いと思います(本年のアクセス数ランキングは別途、記事にします)。
やっぱり原作付き
ただ、個人的にはやはり原作付きの作品の方が印象が強いように感じます。
一番はやはり「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」(演出:真銅健嗣さん)。
ここ数年、本ブログでは「オリガ・モリソヴナの反語法」(2016年)、「また、桜の国で」(2017年)など、近現代の史実を下敷きにしたシリアスな作品に高格付けを付けてきており、「火喰鳥」のような純粋なエンターテイメント作品に”AAA”を付けたのは久しぶり。
やっぱり青春アドべンチャーはこうでないとね。
様々な演出家
また、その他の個人的ベスト5は順に、「時砂の王」(演出:木村明広さん)、「武揚伝」(演出:藤井靖さん)、「さよなら、田中さん」・「蒼のファンファーレ」(演出:吉田浩樹さん)であり、特定の演出家に偏っていないのもとても好ましく感じました。
なお、このうち「蒼のファンファーレ」は2017年に放送された「風の向こうへ駆け抜けろ」の続編。
今年の作品の中では是非「ぼろ鳶組」の続編を制作していただきたい!
今村翔吾さんによる原作も続々とシリーズが刊行されているようですしね。
あっ、でも昨年放送の「タイムライダーズ」の続編もまだだしなあ…(注:…と書いた直後に2019年の1作品目が「タイムライダーズ 紀元前6500万年からの逆襲」と発表されました。)
便乗系の再放送
一方、2018年に放送された再放送作品は11作品。
「アーカイブ枠」(20年以上前の作品の再放送)は「BANANA・FISH」でした。
この再放送はやはり同作のアニメ化に併せた措置と思われます。
2018年はこの「BANANA・FISH」のほか、「旅猫リポート」(実写映画化)や「フランケンシュタイン」(原作者の人生を追った映画「メアリーの総て」の公開)なども便乗系の再放送でした。
なお、この2018年の4月から青春アドベンチャー放送開始以来初めての放送時間の変更があり、21時15分スタートとなっています。
当ブログで実施した2018年の青春アドベンチャー人気アンケートの結果はこちらです。
■年ごと作品一覧へのリンク
番組ごとの各年作品一覧へのリンクは以下のとおりです。
- 青春アドベンチャー(1992年~)
- サウンド夢工房(1990年~1992年)
- アドベンチャーロード(1985年~1990年)
- FMアドベンチャー(1984年~1985年)
- カフェテラスのふたり(1985年~1988年)
- ふたりの部屋(1978年~1985年)
- FMシアター等単発番組
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