青春アドベンチャー版「ラジオな日々」「ラジオにもほどがある」を藤井青銅さんに書き下ろしてもらうのはいかがでしょう。

ドラマ化希望作品

【特集:お勧め作品14】藤井青銅「ラジオな日々 -80’s RADIO DAYS」&「ラジオにもほどがある」

そんなにオチは必要か

前から不思議に思っていたんです、我ながら。
何の話かというと、このブログで1話完結のオムニバス形式の作品の感想を書くと、つい「オチ」を重視して書いてしまう。
オムニバス形式の作品だって必ずしもオチる必要はない。余韻を楽しむ作品だってあるはず。
改めて数えてみると、不思議屋シリーズ6作品(この記事作成時点で未紹介だった「不思議屋百貨店」と「不思議屋不動産」を除く)で、「オチ」という言葉を書いたのは1作品あたり平均1.8回ですので、単語として多用している訳ではないのですが、「一言感想」を読むとオチを期待しているのが自分でもよくわかります。

そうか…

この自然とオチを求めてしまう性格はどこに原因があるのだろう、と思っていたのですが、この藤井青銅さんの「ラジオな日々」を読んでいてハタと気づきました。
そうか星新一か。
放送作家になる前の藤井青銅さんがそうだったように、私も星新一さんの熱心なファンだったという訳ではありません。
でも幼い頃に家にあったんですよね。
父親の本だったか、あるいは年上の従兄弟からもらった本だったのか。
もう内容も全く覚えていませんが、それこそすり切れるまで読みました。
その過程で短編小説にはオチがあるべきだ、ということがすり刷り込まれてしまったのでしょうね。
そういえば筒井康隆さんや小林信彦さんの短編集もあったような気が…

という訳で藤井青銅さん

…という話はさておいて、今回紹介する「ラジオドラマにしたら面白いのではないか」という作品は、藤井青銅さんの自伝的ノンフェクション「ラジオな日々 -80’s RADIO DAYS」と「ラジオにもほどがある」です。
丁度、今年の10月に藤井さんが久しぶりのNHK-FMのラジオドラマの脚本を書かれた(「ファイティング40、ママはチャンピオン」)こともあり、取り上げてみることにしたのですが、実は他にも訳はあります。
それについてはまた後程。



スタートはラジオドラマ

さて、ご存知かと思いますが、藤井青銅さんは、原作小説とオリジナル脚本をあわせ、最も多くの作品を青春アドベンチャーに提供している作家さんです。
ラジオドラマに限らず広く放送作家、構成作家として多くのラジオ番組に関わられた藤井青銅さんですが、そのキャリアのスタートは第一回星新一ショートショート・コンテストの入選及びニッポン放送のラジオドラマ番組「夜のドラマハウス」の脚本応募でした。
その藤井青銅さんの、ラジオまみれの青春の日々を綴ったのが、この2作です。
「夜のドラマハウス」への参加から様々な番組を経て「夜のドラマハウス」の終了まで、主に1980年代をつづったのが「ラジオな日々」。
その後の、ウッチャンナンチャン、伊集院光(私は当時オペラ歌手だと信じていました)、いっこく堂、オードリーなどと仕事をした1990年代の活動をまとめたのが「ラジオにもほどがある」です。

サウンド夢工房の舞台裏

NHK-FMのラジオドラマファンとしては、オールナイトニッポンスペシャルで「宇宙戦艦ヤマト」のラジオドラマをつくったという話を読むと、サウンド夢工房「愛と青春のサンバイマン」で藤井さんが宇宙戦艦ヤマトのパロディを披露した源流はこんなところにあったのかと思ったりします。
また、干支シリーズで毎年、政治風刺をやっていた藤井さんですが「政治風刺は作りやすい」などという言葉を見ると、プロとして笑い取るために確信犯的にやっていたのだと気づかされたりします(もちろん偽悪的に書いている面もあるのでしょうけど)。
そして何より、「ラジオにもほどがある」の「3 モーツァルトと合作したり、T部長に見学されたり…」の章では、そのものずばり、青春アドベンチャーの前番組であるサウンド夢工房の「斎藤晴彦の試験によく出るモーツァルト」の制作裏話が公開されていたりして、NHK-FMのラジオドラマのファンには何かと楽しい本になっています。

青春アドベンチャー四半世紀

そこで考えたんですよ。
実は青春アドベンチャーはこの2017年4月で丸25周年の節目を迎えるのです。
25周年といえば四半世紀。
生半可な長さではありません。
折角ですので、記念に「青春アドベンチャーを題材にした作品」があっても良いのではないかと思うのです。
いわば「青春アドベンチャー版“ラジオな日々”」。
実際の「ラジオにもほどがある」はサウンド夢工房時代しか描かれていないのですが、もちろん藤井さんはその後の青春アドベンチャーにも大きく関わられている。
その藤井さん自身の筆により、初期青春アドベンチャーの制作現場をドラマ仕立て、あるいはドキュメンタリー仕立てで作品にするのはいかがでしょうか。
2015年に放送された「今日は一日ラジオドラマ三昧」の中で、青春アドベンチャー初期の名演出家・川口泰典さんが出演されました。
それを聞いていると真面目な裏話だけでも十分楽しめます。

可能であればドラマ仕立てで

しかし、折角なら笑いあふれるコメディ風にしてしまったり、洋画の予告編のようなムダに荘厳な音楽を付けてドラマタッチにしてしまっても面白い。
例えば、第1話のタイトルは「ラジオドラマの黄昏」。
かつて2系列あった帯ドラマ枠が削減され、アドベンチャーロードも終了し、危機感を覚える関係者。
第2話のタイトルは「夢工房がつくったもの」くらいにして、そんな中始まった「サウンド夢工房」も、じんのひろあきさん持ち込み企画の「わたしは真悟」など、多くの実験的な試みを残しつつ聴取率を残せず終了(←想像であり根拠はありません)。
そして第3話から青春アドベンチャー編に突入。
川口泰典さんの異常な数の海外原作ドラマの連発、10年掛けてシリーズを紡いだ千葉守さんの「おいしいコーヒーのいれ方」、真銅健嗣さんの実験作「封神演義」、そして藤井青銅さんの干支シリーズなど、実際の放送音源を織り交ぜつつ制作。
少年漂流伝」などの妙ちくりんな作品にもなんかエピソードがありそうです。

せっかくならキャストも

もちろん出演者はスタッフもキャストも全員本人!
渡辺いっけいさんも上川隆也さんも松重豊さんも前田悠衣さんもみんな本人に出演して頂きましょう!
もちろん藤井さんもですよ。
伊藤守恵さんは無理か…
そうそう本人と言えば、もともとラジオドラマファンだった山西惇さんや内田健介さんが役者になり青春アドベンチャーに出演していく姿を横軸にしても良し!

何らか記念企画が欲しい

…と、まあふざけて書いてしまったわけなのですが、別にまじめな企画でもいいのです。
例えば枠を2週間、15分だけ拡大してもらって、厳選した10作品の中から1話分だけ放送して、毎日15分のフリートークを付けるいかがでしょうか。
例えば「バッテリー」の第1話を放送した後に、今では人気声優になった主演の宮野真守さん(恐らく子役時代の演技に照れるでしょうが)と、大河ドラマのチーフプロデューサーになった演出の岡本幸江さんの対談を放送するとか。
15分間延々と、売れなかった時代の苦労話を松重豊さんにして頂くとか。
10作品はリスナー投票で選んでもいいでしょうし、NHK側でこれと思う作品を選んでもいい。
制作側からみて「あまりリスナー受けは良くなかったんだけど頑張ったんだよ」という作品を自己満足で選んでいいではないでしょうか。

夢ですが

いずれにしろ楽屋落ちに過ぎないといえばそれまでなのですが、四半世紀続いたご褒美としてこんなものもあってはよいのではないかと思って書いてみました。
実現するとは思えないですけどねえ。
あっ!気が付いたら藤井青銅さんとは何の関係もない記事になってしまった…
すみません…


「青春アドベンチャーにしたら」面白いのではないか!と思う記事の一覧はこちらです。
私やリスナーの皆さんが自信を持ってお勧めする作品たち。
小説や漫画など色々な作品があります。
是非ご覧ください。


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