●NHK-FMオーディオドラマの常連出演者
この記事は青春アドベンチャーの出演者に関する特集、(その1)の続きです。
是非その1もご覧ください。
さて、青春アドベンチャーの出演者といえば「常連出演者」の話を欠かすわけにはいきません。
比較対象としてアニメを考えてみると、今でこそアニメに声を当てている声優さんは数が多く、作品ごとにかなり違った声優さんが出演されていますが、昔はかなり固定した声優さんが色々な作品に声を当てていました。
これはもともと声優という職業が、俳優さんの副業としてスタートしたことに端を発しているのだと思いますが、ラジオドラマも舞台や映画の俳優さんが参加してきてスタートしたという面では似たような側面があるのだと思います。
青春アドベンチャー以前
特にラジオドラマの場合、比較的簡単に作品を作ることができる(青春アドベンチャーの場合1作品の放送期間が2週間)ことからひとりの演出家が担当する作品数が多く、自然とキャスティングにも時間をかけていられないことになります。
そんなこともあり、NHK-FMのオーディオドラマでは、昔も今もかなり常連的に出演される俳優さんが目立つことになります。
青春アドベンチャー以前に放送されていた番組で思い出されるのは例えば以下の方々でしょうか。
青春アドベンチャー初期
番組名が青春アドベンチャーになって以降も同じような傾向が続きます。
例えば番組初期において印象的だった方を挙げると以下のとおり。
- 渡辺いっけいさん(北壁の死闘・五番目のサリー・悲しみの時計少女など)
- 前田悠衣さん(五番目のサリー・悲しみの時計少女・わたしは真悟など)など。
- 古澤徹さん(青の時間、星の感触など)
- 海津義孝さん(カルパチア綺想曲、エデン2185、ジュラシック・パーク)
- 松本保典さん(バイオレンスジャック)
- 松重豊さん(バイオレンスジャック、バッテリー、星の感触など)
- 織田優成さん(=有馬克明さん、完璧な涙、王の眠る丘、タイムスリップ明治維新)
中期以降の青春アドベンチャー
最近では以下の方々のお声をよく拝聴します。
安原義人さん(イカロスの誕生日、ラジオ・キラー、最後の惑星)や磯部勉さん(さらばアフリカの女王、know~知っている、ハプスブルクの宝剣)のようにアドベンチャーロード・青春アドベンチャーの両方を通じて出演の多い方もいらっしゃいます。
いずれの皆さんも安心して聞ける名手だと思います。
東京放送劇団とは
最後に特筆しておきたいのは、東京放送劇団出身のベテランの方々。
東京放送劇団はNHKの元放送用専属劇団で、アドベンチャーロード時代は程度の差はあれ、ほとんどの作品で円熟の演技を披露されていました。
まさに名脇役(時々主役)の方々でした。
アドベンチャーロード時代の視聴者の方であれば、八木光生さん、木下秀雄さん、関根信昭さん、三田松五郎さん、青砥洋さん、川久保潔さんといった方々の名前を読み上げるだけでも懐かしさで涙がこみ上げてくるのではないでしょうか。
古き良き時代の象徴
調べてみると東京放送劇団は1990年3月31日に解散しているようです。
奇しくもこの時期はアドベンチャーロードが終了してサウンド夢工房に衣替えされた時期です。
まったくの想像ですが、この頃に大きな組織改革があったのかもしれません。
東京放送劇団出身の方々は劇団解散後も出演を続いていたようですが、さすがに高齢化が進んでいるのだと思います。
最近はあまりお声を聞けません。
次の時代のためにも
脇役は台詞も少ないですし、どんな名優でも時々しかラジオドラマをやらないのではノウハウは蓄積されない気がします。
劇団の解散と同時期に、音響効果を担当する東京放送効果団、東京放送管弦楽団も解散しているようですし、多くの名作の曲を選んできた選曲の伊藤守恵さんもしばらく前に亡くなられたそうです。
ラジオドラマという文化を担う基盤が徐々になくなりつつあるとしたら悲しい話です。
ラジオドラマをもう一度盛り上げるためには良い作品を皆さんに聞いてもらうのが一番。
NHKさんには是非過去の名作を試聴できる環境を整えて欲しいものです(結局、結論はそこかい!)。
■人気俳優・声優の出演一覧
- 人気俳優さんの出演作品
- 常連出演者の方々の紹介(本記事)
- 人気声優さんの出演作品
200作品を紹介した時点で、その200作品の主演俳優を紹介した記事を作成しました。
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