【2013年放送の青春アドベンチャー総括】
2013年の青春アドベンチャーは、12月20日の「クリスマス・キャロル」最終回をもって、すべての放送が終了しました。
12月21日には「クリスマス・キャロル」の記事のアップし、2013年初放送の全作品の記事がアップできましたので、その一覧を紹介します。
ちなみに、年間の初出作品のコンプリートは2012年及び2009年に続いて4年目です。
2013年一覧
2013年に放送された作品の一覧は以下のとおりです。
№ | 放送日 | 作品名 | 格付* |
---|---|---|---|
1 | 1/7~1/18 (10回) | 1985年のクラッシュ・ギャルズ | AA- |
2 | 1/21~2/1 (10回) | 髑髏城の花嫁 | A |
3 | 2/4~2/15 (10回) | 新・動物園物語 | C |
- | 2/18~2/22 (5回) | ごくらくちんみ(再) | 2011 |
4 | 2/25~3/8 (10回) | DINER(ダイナー) | B |
5 | 3/11~3/22 (5回) | 光 | A- |
- | 3/25~3/29 (5回) | スーツケース・キッド~バイバイわたしのおうち~(再) | 2011 |
6 | 4/1~4/12 (10回) | 泥の子と狭い家の物語~魔女と私の七十日間戦争~ | AA- |
- | 4/15~4/26 (10回) | 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様(再) | 2011 |
7 | 4/29~5/3 (5回) | ヘウレーカ | B |
8 | 5/6~5/10 (5回) | シュレミールと小さな潜水艦 | B |
- | 5/13~5/31 (15回) | 魔岩伝説(再) | 2011 |
9 | 6/3~6/14 (10回) | 恋愛映画は選ばない | B |
- | 6/17~6/28 (10回) | 三匹のおっさん(再) | 2011 |
10 | 7/1~7/12 (10回) | ツングース特命隊 | A |
- | 7/15~7/19 (5回) | 見かけの二重星(再) | 2012 |
11 | 7/22~7/26 (5回) | 世界の終りの魔法使い | B+ |
- | 7/29~8/9 (10回) | 放課後はミステリーとともに(再) | 2011 |
12 | 8/26~9/13 (15回) | リテイク・シックスティーン | AA- |
- | 9/16~9/27 (10回) | 黄金仮面(再) | 2010 |
13 | 9/30~10/11 (10回) | エイレーネーの瞳 シンドバッド23世の冒険 | B+ |
- | 10/14~10/25 (10回) | ゴー・ゴー!チキンズ パート2(再) | 2010 |
14 | 10/28~11/8 (10回) | 僕たちの宇宙船 | A- |
- | 11/11~11/22 (10回) | フランケンシュタイン(再) | 2011 |
15 | 11/25~12/13 (15回) | いまはむかし~竹取異聞~ | AAA- |
16 | 12/16~12/20 (5回) | クリスマス・キャロル | B |
* 数字は再放送作品の初回放送年
十分な制作数
放送数は26作品ですが、そのうち合計16作品・150回が新作です。
150回を超えたのは2006年以来であることを考えると十分な制作数です。
例年どおり基本的に連続10回の作品が多く、連続15回の作品が2作品、連続5回の作品が5作品だっため、1作品当たりの平均回数は約9.4回でした。
高格付け作品
当ブログでA以上(A-含む)の格付けとしたのは、「1985年のクラッシュ・ギャルズ」(AA-)、「髑髏城の花嫁」(A)、「光」(A-)、「泥の子と狭い家の物語」(AA-)、「ツングース特命隊」(A)、「リテイク・シックスティーン」(AA-)、「僕たちの宇宙船」(A-)、「いまはむかし~竹取異聞~」(AAA-)の8作品。
100作記念の記事で使ったA(=平均)を3点として各格付けに振った評点で計算すると、2013年作品の平均評点は2.68点(概ね格付けA-相当)となり、2011年、2012年と比較して高得点です。
印象は違う
ただし、聴いていた実感としてそれほど良作が多かったという印象はありません。
原因として考えられるのは、まず短編集作品が「新・動物園物語」だけだったこと。
短編集作品がダメなわけではありませんが、このブログでは私の趣味であまり短編集作品に高い格付けを付けていないため、これが少ないと年間の平均格付けは上がる傾向にあります。
また、もう一つの理由としては、「泥の子と狭い家の物語」や「僕たちの宇宙船」、「ツングース特命隊」など、終盤の出来がいまいちな作品が多く、それが全体の印象を悪くしている気がします。
2013年ナンバーワンは
その中で、「いまはむかし」は全体的には子供向けのライトな作品でしたが、気持ちの良いエンディングが印象的で、2013年では唯一“AAA”クラス(AAA-)の格付けとさせていただきました。
この辺については、あくまで一意見と考えてください。
番組を跨いだ続編
もう一つ今年の放送でおもしろかったのは、土曜日のFMシアターの枠(1回で放送)で「特集オーディオドラマ」として放送された「星を掘れ!」。
これ、2012年に青春アドベンチャーの枠(月曜日から金曜日の帯番組)で放送された「海に降る」の関連作品でした。
同じNHK-FMとはいえ、違う番組・放送形態続編で制作されたのは、かなり珍しいケースだと思います。
過去の例としては…
すぐに思いつくところでは、特集オーディオドラマとして作成された番組を帯番組として再編集した「古事記~神代篇」や、毎年、青春アドベンチャー枠で放送されているのに、2006年だけ単発枠で放送された2006年の干支シリーズ「イノシシ ボンバイエ!」くらいです。
このような特殊な企画もおもしろいですね。
真銅さんカムバーク!
その他、2013年の青春アドベンチャーで個人的に気になったのは真銅健嗣さんの演出作品がひとつもなかったこと。
真銅さんの担当作品は癖の強い作品が多いのですが、結構楽しみにしていました。
恐らく担当替えなどがあったのでしょう。
残念ですが、またいつの日か再び演出していただけることを期待しています。
(その後2014年の「幻坂」で再び青春アドベンチャー作品の演出をご担当されました。)
小見山さん大車輪
一方、「泥の子と狭い家の物語」、「恋愛映画は選ばない」、「僕たちの宇宙船」という今期の作品の中でも尖がった作品群を演出されていたのが小見山佳典さん。
小見山さんは青春アドベンチャーでは暫く前から「制作統括」という位置づけでクレジットされていましたが、これらの作品では「演出」も担当されているようです。
制作統括をされているということは、NHKでもそれなりの立場の方なのだと思いますが、そういう方が今でも情熱をもってラジオドラマ制作の現場に立たれているのだとすると、とても嬉しくなりますね。
次の特集は2011年の作品一覧です。
■年ごと作品一覧へのリンク
番組ごとの各年作品一覧へのリンクは以下のとおりです。
- 青春アドベンチャー(1992年~)
- サウンド夢工房(1990年~1992年)
- アドベンチャーロード(1985年~1990年)
- FMアドベンチャー(1984年~1985年)
- カフェテラスのふたり(1985年~1988年)
- ふたりの部屋(1978年~1985年)
- FMシアター等単発番組
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