2014年の青春アドベンチャー一覧

青春アドベンチャー

【2014年の青春アドベンチャー総括】

2014年の青春アドベンチャーにおいて新作として放送された作品も、2014年12月21日アップの「びりっかすの神さま」の記事をもってすべて紹介できました。
年間の初出作品のコンプリートは2012年2009年2013年2011年2010年2008年2007年に続いて8年目です。

作品一覧

2014年の放送作品の一覧は以下のとおりです。

放送日 作品名 格付*
1 1/6~1/17 (10回) 93番目のキミ A+
2 1/20~1/31 (10回) 獅子の城塞 A+
2/3~2/14 (10回) 魔術師(再) 2012
3 2/17~2/21 (5回) 機械仕掛けの愛 AA-
4 2/24~2/28 (5回) 秘密の花園 B-
5 3/3~3/14 (10回) 幻坂 C+
6 3/17~3/28 (10回) あなたがいる場所 B
7 3/31~4/11 (10回) 旅猫リポート AA-
4/14~4/25 (10回) ピエタ(再) 2012
4/28~5/9 (10回) ゼンダ城の虜~完結編~ヘンツォ伯爵(再) 2010
8 5/12~5/23 (10回) 放課後はミステリーとともに「探偵部への挑戦状」 AA
9 5/26~5/30 (5回) 小惑星2162DSの謎 AA+
10 6/2~6/20 (15回) 鷲の歌 A
6/23~7/18 (20回) レディ・パイレーツ(再) 2012
11 7/21~7/25 (5回) 白狐魔記 源平の風 B-
7/28~8/8 (10回) 月蝕島の魔物(再) 2012
8/25~9/5 (10回) カラー・ライフ(再) 2012
12 9/8~9/19 (10回) 砂漠の王子とタンムズの樹 AAA
9/22~9/26 (5回) なくしたものたちの国(再) 2011
13 9/29~10/10 (10回) 白狐魔記 蒙古の波 B
10/13~10/24 (10回) 砂漠の歌姫(再) 2011
14 10/27~11/7 (10回) さいごの毛布 B
15 11/10~11/21 (10回) あたたかい水の出るところ A-
11/24~11/28 (5回) クリスマス・キャロル(再) 2013
12/1~12/12 (10回) 泥の子と狭い家の物語~魔女と私の七〇日間戦争~(再) 2013
16 12/15~12/19 (5回) びりっかすの神さま AA

* 数字は再放送作品の初回放送年

ほぼ例年通りの制作量

2014年に放送された作品は26作品。
そのうち初放送の作品は16作品・140回で、前年より僅かに少なめでした。
ちなみに、当初は「予言村の転校生」も2014年12月に放送予定と公式ホームページでアナウンスされていましたが、なぜかその後2015年1月の放送に変更になりました。
これが2014年に放送されていればほぼ昨年通りの新作の量でした。

終わってみれば高評価

さて、作品内容を見ると、いきなりロボットネタが被ったり(93番目のキミ機械仕掛けの愛)、「秘密の花園」から「旅猫レポート」まで4連続でちょっと苦手な系統(日常系の作品や日常をベースにちょっと不思議な要素が混じったような作品)の作品が続き、先行きが心配される展開でしたが、終わってみれば平均的な評点(AAA:5点~C:1点として平均)が2.98(A相当)と近年にない高評価の年となりました。

久しぶりのAAA

その最大の原因が、2012年4月放送の「ピエタ」以来久しぶりとなる、“-”なしの“AAA”を付けた「砂漠の王子とタンムズの樹」。
原作は少年少女向けの作品のようですが、善悪をはっきり付けない結論は大人にこそ共感を得られそうな気がします。
これは、努力すれば報われことの多い(でもそれに気が付いていないことも多い)学生にはなかなかわかりづらいことだとは思いますが。
それにしても、まだまだ探せば良い原作はあるものですね。

その他も良作多し

また、全5回の小品ながら緊張感のある展開が続いた「小惑星2162DSの謎」(AA+)や、思いもかけない展開が魅力の「びりっかすの神さま」(AA)、第1作目よりも賑やかだった「放課後はミステリーとともに『探偵部への挑戦状』」(AA)もなかなか楽しめました。

期待以上の作品も

他に、「機械仕掛けの愛」(AA-)、「旅猫リポート」(AA-)、「93番目のキミ」(A+)、「あたたかい水の出るところ」(A-)と、さして期待せずに聴き始めたのにまずまずだった作品が多い年でした。
期待以上の作品が多かったために思わず「期待以上だった作品」の記事を書いてしまったくらいです。

時代ものが増えるのは嬉しい

その他、以前から希望していた(「蜩ノ記」参照)歴史・時代小説を原作とする作品が「獅子の城塞」(A+)と「鷲の歌」(A)の2作品も制作されました。
ただし「歴史時代小説」とはいえ、2作品とも直球勝負というより、青春アドベンチャーらしい、やや変化球の題材選択だったと思います。

オリジナルは少ない

また、2014年は原作付きの作品ばかりでオリジナル脚本の作品が少なかったのも特徴です。
わずかに、全5回の短編集作品の小品「秘密の花園」が1作品あっただけで、長編は1本もありませんでした。
2012年(屋上デモクラシー私の彼はポアンカレー」と2013年(泥の子と狭い家の物語僕たちの宇宙船)は2作品ずつあったのと比較すると明らかに少なめです。

適度にオリジナルも

青春アドベンチャーは脚本家の作家性を前面に出した番組ではないので、オリジナル脚本作品は脚本さんの意気込みが空回りしていることも多いとも感じます。
しかし、最初から青春アドベンチャーのフォーマットありきでつくっているので、「これは行き届いているなあ」と唸らせられる作品もあります。
時々はオリジナル脚本の作品にもチャレンジして頂きたいものです。

2度目の登場

その他、本年採用された作品の特徴として、2度目の登場となる原作者さんの作品が多かったことが挙げられると思います。
「旅猫リポート」の原作者・有川浩さんの青春アドベンチャーの原作第1作は2011年11月放送の「三匹のおっさん」でした。
白狐魔記 源平の風」の斉藤洋さんは、2013年5月の「シュレミールと小さな潜水艦」についで2作品目。
白狐魔記はすぐに第2作「蒙古の波」が制作され、2015年1月には第3作「洛中の火」の放送も予定されています。
「びりっかすの神さま」の岡田淳さんも2012年9月の「二分間の冒険」に次いで2作品目ですし、同一シリーズの2作目ではあるものの東川篤哉さんも2011年9月の「放課後はミステリーとともに」についで2作品目の「放課後はミステリーとともに『探偵部への挑戦状』」が制作されました。
これらの原作者さんが今後、どの程度青春アドベンチャーの常連原作者さんになっていくのか注目ですね。


次の特集は青アドポーカー「兄弟・親子での出演」です。


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