2018年リスナー人気投票結果(FMシアター/特集オーディオドラマ)

アンケート(年次)

【2018年に放送されたFMシアター/特集オーディオドラマの人気投票アンケート結果】

2018年12月28日から2019年1月14日にかけて、2018年に放送されたNHK-FMの単発ラジオドラマ(FMシアター・特集オーディオドラマ)の人気投票を実施いたしました。
投票していただいた方は合計42名。
過去4回実施した中では、昨年に次ぐ投票数です。
ご協力いただきましてありがとうございました。
さて、今年のこちらのアンケートは、青春アドベンチャーのアンケート昨年のFMシアター等のアンケートのような不自然な投票は見られず、平和裡に終了しています。
よって前置きはこのくらいにして、早々にランキングを発表いたします。
なお、集計方法は例年どおり、1位=3点、2位=2点、3位=1点で換算し、総合点で順位付けしています。
ご覧ください。

作品ランキング

第1位 34点

踏切の向こう側

踏切の向こう側 作:坂下泰義(FMシアター)
朝の5時から1時間ごとに交代しつつ夜の12時まで。踏切前での交通量調査のバイトは、意外と疲れるけど、単調といえば単調、退屈と言えば退屈なバイトだ。しかし、夕方、通りかかった女子高生に声をかけられたことにより状況は一変してしまった。「最終電車に飛び込むつもりなんです。迷惑かけたらいけないので予め言っておきますけど。」…ってオイ。勘弁してくれよ。

【内訳】1位8票、2位4票、3位2票
【概況】第33回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集の最優秀賞受賞作品のラジオドラマ化で、制作はNHK名古屋局。
主演は現在、MBS/TBSのテレビドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね」で本田翼さんとともに主演している俳優の岡山天音さん。
50分かけて1夜の出来事を描く作品。
1位の票数、総票数とも最多で、一歩抜け出ての堂々の第1位。

■リスナーのコメント■
辛いとき自分が思うことをカスミちゃんが全部言ってくれて、それでも生きようと思ってくれて、すごくうれしかったです。

第2位 16点

通い猫アルフィーの奇跡

通い猫アルフィーの奇跡 原作:レイチェル・ウェルズ(FMシアター)
最愛の飼い主マーガレットを亡くした家猫アルフィーは旅に出ることにした。しかし、世の中そんなに甘くはない。禄に外に出たことになかったアルフィーにとって道路を一本渡るだけでもひと苦労。どこもかしこも凶暴な野良猫たちのナワバリになっていて気の休まる暇もない。大体、運良くどこかの家の家猫になれたとしてもその飼い主が死んでしまったら元の木阿弥だ。そんな中、珍しくフレンドリーに接してくれた黒猫が新しい生き方を教えてくれた。それは飼い猫でも野良猫でもない第三の選択肢「通い猫」になるという考え方だ。

【内訳】1位4票、2位1票、3位2票
【概況】英国の女流作家レイチェル・ウェルズ原作作品のラジオドラマ化。
FMシアターで原作付きの作品は珍しいが、実はこの原作小説には続編が何作品かあるようだ(通い猫アルフィーの初恋、通い猫アルフィーとジョージ、通い猫アルフィーと海辺の町)。
FMシアターでは、「原作付き」以上に珍しい「シリーズもの」になる可能性はあるのか?

■リスナーのコメント■
アルフィーは原作も面白かったし、ラジオドラマになっても本の良さが失われていなくて良かった。蟹江さんの声がかっこよかった。

高倉酒店で会いましょう

高倉酒店で会いましょう 作:葉月けめこ(FMシアター)
「角打ち」(かくうち)とは、北九州地域で見られる簡易な酒場で、酒店の一角に立ち飲みができるスペースをつくり酒店で販売している酒を酔客に供する店のことをいう。ここ北九州・小倉の角打ち「高倉酒店」は、地元の老人が日中から酒を飲みに集まる老人のパラダイスだ。今日も今日とて、老人たちが愚痴を言ったり叱ったり叱られたりしながら楽しく酒を飲んでいる。そんなある日、この高倉酒店に目が覚めるような美女が現れた。すらっとした背丈の彼女はメーテル似のまさに銀河系美女。当然、常連の老人たちは色めき立ったのだが、最近、近所では老人が若い女に美顔器を売りつけられる詐欺があったばかり。大丈夫なのか?

【内訳】1位3票、2位3票、3位1票
【概況】「アルフィー」と同点の2位で、脚本は2017年1位「春を待つ音」の葉月けめこさん。
葉月さんのご出身である北九州が舞台になっている。
主演の横内正さん(懐かしい!「水戸黄門」の格さんだ。青春アドベンチャーでは「王女アストライア」のナレーションをされていた)も中学から高校卒業まで北九州に在住されていたそうだ。

■リスナーのコメント■
多田野曜平さんファンで、〈高倉酒店で会いましょう〉で初めてラジオドラマを聞き、ハマってしまいました!楽しいドラマが好きです!!

第4位 15点

ソラノムスメ

ソラノムスメ 作:江口美喜男(FMシアター)
姉が死んでから半年。今でも母は4人目の食事の準備をしてしまうことがある。母はまだ姉の死を受け入れられない。でも、姉の死に囚われたままなのは僕も同じだ。亡くなった姉宛に届いた夏フェスのチケット。姉は誰とフェスに行くつもりだったのだろうか。そして、ようやく開くことの出来た姉のスマホのスケジューラーに入力された“BF”の文字。姉はあの事故のあった日、なぜ家ともバイト先とも違う方向に向かったのだろうか。

【内訳】1位3票、2位2票、3位2票
【概況】大阪局制作で主演の大八木凱斗さんは京都府出身。
音楽の坂東邑真さんは、2018年、本作品のほか第11位の「サイドシート・ララバイ」、青春アドベンチャーの「毒見師イレーナ」も担当されている。

第5位 13点

いざ行かむ 短歌甲子園へ

いざ行かむ 短歌甲子園へ 作:東多江子(FMシアター)
「短歌甲子園」の3人の代表に選ばれてしまった。学校の課題として何気なく提出した短歌が新任の校長先生の目に留まったらしいのだ。ピアニストになるという夢が挫折して以来、何の取柄もなくただ平凡な毎日を送る私。こんな私に短歌の才能なんてあるのだろうか。まさか課題を提出したのがこの3人だけだった…という訳でもないようだけど。でもやっぱりダメだ。肝心の短歌甲子園の今年のテーマは「音」なのだ。どうしてもピアノのことを思い出してしまう。こんな私、修次郎君や夏音の足を引っ張るだけに決まっている…

【内訳】1位2票、2位3票、3位1票
【概況】脚本の東多江子さんは2015年に珠算をテーマにした「弾け!はじけろ!そろばん甲子園」を書いている。
ひょっとしてセットなのか!?

■リスナーのコメント■
短歌甲子園は青春な感じが良かった。

ステップを聴かせて

ステップを聴かせて 作:虎本剛(FMシアター)
「進藤聡太に走る資格なんてない!」日本中から浴びせかけられたそんな罵声を、自分は甘んじて受けるしかなかった。なぜなら自分自身がそう思っていたから。だから「もう二度と走らへん」と決めた…ハズだった。しかし、若くもなく何の取り柄もない自分にまともな職があるわけがない。だから走ることを仕事にするしかなかった。そう、あくまで仕事だ。しかも気の乗らない仕事…

【内訳】1位2票、2位2票、3位3票
【概況】13点で「いざ行かむ 短歌甲子園へ」と同点の第5位。
テーマはブラインドマラソン(視覚障碍者のマラソン)。
普通にランニングしててもよくコケる私としては目が見えないのにマラソンをするというだけでその勇気に敬服する。
2018年青春アドベンチャー「王妃の帰還」で好演した小芝風花さんがヒロイン役。

第7位 12点

100億分の1のオトン

【内訳】1位3票、2位1票、3位1票
【概況】FMシアターでは、というよりNHK-FMのラジオドラマ全般でも珍しいコメディ調の作品。
脚本家・松永光浩さんのブログ(外部サイト)によれば、キャスト13人のうち12人がネイティブの大阪弁話者とのこと。

73年前の紙風船【特集オーディオドラマ】

【内訳】1位4票、2位0票、3位0票
【概況】「73年前の紙風船」とは、第2次大戦期の日本を代表する珍兵器「風船爆弾」のこと。
主演は瀬戸康史さん、ヒロインは貫地谷しほりさん。
通常より10分長い60分で放送されたが、なぜかAMのラジオ第一で放送されたときは50分だった。

第9位 11点

一時帰宅

【内訳】1位2票、2位2票、3位1票
【概況】「児童養護施設」や「児童虐待」といったいかにもNHKらしいテーマの作品。
主演は子役の二宮輝生さん。
元子役でもある三倉茉奈さん(マナカナの大阪LOVERマナカナの大阪WORKER)も出演されている。

第10位 8点

大工

【内訳】1位1票、2位1票、3位3票
【概況】「大工」と「第九」を掛けた野心的(?)な作品。
よく見ると田中要次さんが出演されている。
このあたりがさらっと助演しているあたりがNHKらしいところ。

第11位 7点

サイドシート・ララバイ

【内訳】1位1票、2位1票、3位2票
【概況】朝倉あきさんの2018年の出演作は青春アドベンチャーの「蒼のファンファーレ」と本作品。
ただし本作品は主演ではなく、主演は女優の「猫背椿」(ねこぜ・つばき)さん。

第12位 6点

ボブガール、チャリボーイ

ボブガール、チャリボーイ 作:棚橋ますみ(FMシアター)
すみません店長、すみません、すみません…仕事が遅いわミスばかりだわの私はコンビニや介護施設の仕事を次々とクビに。このカラオケ店のバイトも限界に来ていた。そして店長に罵声を浴びてとうとう接客が出来なくなり、新聞配達に転職することを決意した。しかしとろい私には雪道を自転車に乗って配達することなどできはしない。仕方なくソリに新聞を載せて、トナカイよろしくこれを引っ張って新聞配達を始めた。人付き合いの苦手な私が選んだ、人と関わらないで済む究極の職業。でも早朝の時間帯がこんなに寂しいなんて知らなかった。

【内訳】1位0票、2位2票、3位2票
【概況】第46回創作ラジオドラマ大賞佳作受賞作品。
主演は2015年「素敵な十六歳」にも出演されていた莉奈さん。
何やらおしゃれ風のタイトルだが、実は新聞配達という地味な題材の作品。

AI(アイ)は故障中

AI(アイ)は故障中 作:桑原亮子(FMシアター)
廃墟になったかつての劇場で、老人はひとりのAIアンドロイドと出会う。「40年型AI」、アイドル型AIの傑作と言われたそれは、しかし今は動かない。彼女は死んでいるのか、生きているのか。それは「生きている」の定義による、「死んでいる」の定義による。彼女と老人と、そして若き日の老人。過去と現在を行き来する3人の対話が始まる。

【内訳】1位1票、2位1票、3位1票
【概況】ももいろクローバーZの高城れにさん主演作。
その他の出演者は柄本佑さん(七帝柔道記北海タイムス物語)と北見敏之さん。
脚色は2017年アンケート第3位の「冬の曳航」の桑原亮子さん。

響け、100年目の第九

【内訳】1位1票、2位1票、3位1票
【概況】第10位の「大工」ではなく、こっちはちゃんと「第九」。
徳島県鳴門市が舞台で、制作もNHK徳島局。
ちなみに主演の瀧本美織さんは徳島出身ではなくなぜか鳥取県鳥取市出身である。

第15位 5点

罵詈雑言忠臣蔵

罵詈雑言忠臣蔵 作:池谷雅夫(FMシアター)
時は元禄15年12月15日…の翌日。赤穂浪士が討ち入って本懐を遂げた吉良邸にまたしても討ち入りの鬨の声が鳴り響く。吉良は悪者!吉良は嫌い!世間で巻き起こる轟轟たる赤穂浪士同情論、吉良悪玉論を背景に新たな討ち入りが決行されたのだ。まあつまり便乗討ち入りだ。この時、上野介の孫である吉良義周の首を求める暴徒の前に敢然と立ちふさがったのが上野介の妻、吉良富子。あるいは脅し、あるいは宥め、証明書を発行し、家財を提供し、硬軟両面から暴徒に対する富子だが。

【内訳】1位0票、2位2票、3位1票
【概況】日本の年末の風物詩「忠臣蔵」を元ネタに制作された風刺ドラマ。
懐かしいな、尾美としのり(不思議屋博物館)さん。

第16位 4点

ばっちゃんの親子丼

【内訳】1位1票、2位0票、3位1票
【概況】「NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE」の北阪昌人さんによる脚本。
広島が舞台で、当然制作はNHK広島局。

風のち、りんご晴れ

【内訳】1位0票、2位2票、3位0票
【概況】こちらは青森局制作。
あいかわらずFMシアターは地方局制作の作品が多い。
現実でも青森県立弘前高校藤沢校舎には「りんご科」があるらしいが、本作品放送後の2018年10月に閉校というニュースが流れた。

母ちゃんと王様

【内訳】1位0票、2位1票、3位2票
【概況】こちらも「ボブガール、チャリボーイ」と同様に第46回創作ラジオドラマ大賞佳作受賞作。
主演は足立英(あだち・すぐる)さん。

木更津花街草子

【内訳】1位0票、2位1票、3位2票
【概況】千葉局制作で舞台は木更津の花街。
主演は元グラビアアイドルの吉木りささん(千葉県出身)。

春麻呂の夢 【特集オーディオドラマ】

春麻呂の夢 作:相良敦子(特集オーディオドラマ)
天平の時代。今の京都、木津川のほとりでは新しい都の造営が始まっていた。後に恭仁京(くにきょう)と呼ばれることになるその都は、平城京で起こった様々な悪しき事による祟りを恐れて遷都するためのものだが、貧しい庶民にとっては生活を圧迫するものでしかなかった。その造営の普請場に春麻呂という少年がいた。親方にこき使われる毎日に反発の気持ちを強めて春麻呂だが、ある日、鳥の糞と共に堕ちてきた一枚のお札のようなものを入手する。驚くべきことにそのお札はしゃべることができたのだ。

【内訳】1位0票、2位2票、3位0票
【概況】舞台は奈良時代、主人公は春麻呂という名前だが孤児の少年。

第23位 3点

作品名 点数内訳
飛べ!昆布ステップジャンプ 1位1票、2位0票、3位0票
70歳の受験生 1位0票、2位1票、3位1票
冬の曳航(再) 1位0票、2位1票、3位1票
すぎのまち 1位1票、2位0票、3位0票
しあわせなとしょかん 1位1票、2位0票、3位0票
樹の記憶 石の声 1位0票、2位1票、3位1票
ピンザの島(再)【特集オーディオドラマ】 1位1票、2位0票、3位0票
雪姫(ゆき)遠野おしらさま迷宮(再)【特集オーディオドラマ】 1位0票、2位1票、3位1票

第30位 2点

作品名 点数内訳
家族のコツ 1位0票、2位1票、3位0票
満天のゴール 1位0票、2位1票、3位0票
おかえり 1位0票、2位1票、3位0票

第33位 1点

作品名 点数内訳
不惑検定 1位0票、2位0票、3位1票
丘の上の幸福 1位0票、2位0票、3位1票
ステップファミリー・ビギナーズ 1位0票、2位0票、3位1票

2018年のFMシアター/特集オーディオドラマ全般に関する感想

以下は特定の作品に限定されないご意見の一覧です。
見てみるとシリアスな作品のみを求めている人と気軽な作品を求めている人の双方がいらっしゃいます。
これだけ振れ幅が大きいと、NHKの製作スタッフはなにかと大変だろうなと推測します。

  • 明るい話をもっと聞きたい。
  • 今年は冒険的な作品が多かったように思った。おもしろい音をつかったものやテンポのいいものもあって楽しめた。
  • ベテラン俳優の起用が有難い。安心して聞ける。
  • 聴き逃し配信が始まって時々聴いてます。深い作品が多くて良いと思います。
  • 「風波」や「海を駆ける」などマリンスポーツを題材にした話がよかった。
  • 次点は木更津花街。毎週録音していて面白かったものは消さずに残しているので、その中から選びました。
  • 確実に聞き逃しをきけるようにして欲しい。かなり過去のものも流して欲しい。1992年の頃のものとか。
  • コメディータッチのドラマは不要。昔のように前衛的なドラマを期待してます。
  • 暗い話が多かったので明るい話が聞きたい。
  • FMシアター/特集オーディオドラマの案内をするアナウンサーの声がなんというか、とても落ち着く感じがして良い。
  • 2018年のFMシアターは大変、低調であったと思います。なぜこんなにレベルが落ちたのか、理由はいろいろ考えられますが、結局は制作者側のやる気のなさが感じられました。

このアンケート企画に対するご意見・ご要望

以下はこのアンケートに対して寄せられたご要望です。
右欄で回答させて頂きました。

ご意見・ご要望 主催者からの回答
いつもありがとうございます。 こちらこそご回答いただきありがとうございます。
青春アドベンチャーと同じく出演者部門も欲しい。 検討します。アンケート自体、今年も続けるかは未定ですが。
ホームページを見て青春アドベンチャーも聞いてみたいと思いました!これからも続けてください。 是非聞いてみてください。アンケートの件はできるだけ頑張ります。
作品が好きな理由を書いてもらうといいと思います。 検討させていただきます。
作品が多いので、選びきれない3つを選ぶ楽しさがある。 FMシアターは作品数多いですよね。毎年毎年よくこれだけ制作しているものだと思います。
来年もやってほしいです 頑張ります。
20年前はFMシアターも大々的な人気投票がありました。あの頃に比べ作品の質は落ちてますが、このような企画は大歓迎です。否定的な意見は気にせず、今後もがんばってください、 20年前のことは知りませんでした。細々とでも来年もできたらとは思っています。

以上です。
改めましてご協力ありがとうございました。


【2018年のリスナー人気投票・結果一覧】


■アンケート企画の結果
各年ごとアンケートの結果一覧はこちらから、全作品アンケートの結果一覧はこちらからご覧ください。


■2010年代の放送作品
2010年代にFMシアター/特集オーディオドラマで放送されたラジオドラマのうち、当ブログで紹介済みの作品の一覧はこちらです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました