【2019年放送のFMシアター/特集オーディオドラマの人気投票アンケート結果】
今年も2019年12月27日から2019年1月13日にかけて、Questantさんのサービスをお借りして2019年放送のNHK-FMの単発ラジオドラマ(FMシアター・特集オーディオドラマ)の人気投票を実施いたしました。
投票していただいた方は合計24名。
重複と推定される回答がありどちらを残すか判断が難しかったのですが主催者判断にてコメントがある方をカウントとさせていただきました。
ご協力ありがとうございました。
さて、早速、結果を発表いたします。
集計方法は例年は1位=3点、2位=2点、3位=1点で換算していましたが、今回は1人3票以内で投票をしていただき、その合計票数で単純に順位付けする形にしました。
その結果、同順位が多発しておりあまり順位付けに意味がない結果となりました(同順位の場合は放送順に並べています)。
その代わりではないですが、各作品ごとに感想を入力できる欄を作ったところ、例年以上に多くのコメントをいただきましたので、そちらを中心にご覧いただけましたらと思います。
宜しくお願いいたします。
好きな作品とその理由
第1位(5票・2作品)
◆コンビニ人間
FMシアターでは珍しい原作のある作品。
しかも原作は、村田沙耶香さんによる第155回芥川賞受賞作。
出演は栗山千明さん、鈴木浩介さんほか。
- 今年一番面白かった。序盤の、主人公の幼少期の話にはグッと引き込まれた。白羽は原作のイメージにぴったりで、気持ち悪いと思いつつ、どこか共感がもてた。
- 現代社会を表す鋭いテーマですが、芥川賞受賞の原作小説より軽い感じに仕上げられていて共感できました。
- 最後の展開には思わず背筋に冷たいものが走りました。
- 面白かった
◆遥かな旅 蝶の道
女性主人公(演:吉本実憂さん)がオートバイで日本中の第二次世界大戦の戦績を巡るロードムービー風の作品。
脚本は「想い出あずかります」の吉野万理子さん。
AMラジオ第一では50分で、FM特集オーディオドラマでは60分で放送された。
- ロードムービーものはいいですね
- 情景が目に浮かぶようにストーリーが良かった
第3位(4票・作品)
◆エンディング・カット
エンディング・カットとは亡くなられた方に対して葬儀の前に最後に調髪することらしい。
それにしても芦田愛菜さん、佐藤隆太さん、広末涼子さんと出演者が妙に豪華。
- 名作!有名俳優陣によるFMシアターもありだと感じた。映像化しても面白いと思う。
- 芦田愛菜ちゃんの演技がよかった
- あんなに涙した作品はない
◆砂浜クラブ
自分の居場所が見つからない少女の話は「踏切の向こう側」などFMシアターでは割とありがちではある。
でも環境が変わったからと言ってそう簡単に「デビュー」できないよね。
主演は2012年国民的美少女コンテスト審査員特別賞受賞で、2020年には「ベルリンは晴れているか」にも主演の井頭愛海さん。
「ギルとエンキドゥ」の百瀬朔さんもご出演。
- 今年一番、学園物で秘密の共有で後味さわやか。
- 切なくて胸が痛くてラストは爽やか。いきいきした掛け合いが楽しかった。
第5位(3票・6作品)
◆幻タクシー
2018年度(第39回)BKラジオドラマ脚本賞の最優秀賞作品。
深夜、一台のタクシー内で繰り広げられるドライバーと客との会話。
タクシードライバーは加藤虎ノ介さん、女性客は羽野晶紀さん。大阪局制作。
- 暖かい雰囲気の作品で聴いていて心地良かった。
- ストーリーと出演者に引かれて聞きました。
- ファンタジックでせつないストーリーが新鮮で心に沁み、感動しました。
◆#アカの中のサチコ
うつ病などの気分障害で休職している労働者のためのリワークプログラムを扱った作品。
「うつ病九段」と目的は同じだが…
- 主人公の気持ちに共感できて良かった。
- 認知行動療法が登場したのには驚き。こういうテーマも自然に取り上げてほしい。
- 平祐奈さんのサチコ、20代後半の暗い女性役のミスマッチが良かった。田中由真(竹下健人)も良い役でした。
◆ドライビング・レコード
自殺した女性画家の足跡(ドライビング・レコード)を3人の男女が追う。
主演は劇団四季「ライオンキング」で初代シンバ役を務めた坂元健児さん。
- 明るい作品だと思っていたが、どんどん不穏な感じに…意外な展開に引き込まれた。中川さんの歌が上手すぎる。
- 真相が解ってなお満足
- 登場人物が一人一人たっていた 歌も最高だった
◆カウント2.9!
主演は人気女優の北乃きいさん。
テーマに併せて新日本プロレスの人気プロレスラーの棚橋弘至さんが出演される異色作。
- プロレスの戦法を仕事に応用するというのが、少し都合が良すぎても面白かった。
- 北乃きいさんと棚橋弘至選手の絡み。聴いた後、プロレスに少し興味が沸きました
- とにかく元気をもらった
◆うつ病九段
プロ棋士・仙崎学九段のうつ病闘病記のラジオドラマ化。
「#アカの中のサチコ」とあわせ2019年はうつ病関連だけで2本放送されたのはFMシアターらしいというか何というか。
- 聴いていてとてもフラストレーションが溜まってしまった。
- 今年三番、将棋棋士の苦悩が聞けて良かった。
- 津田寛治さんの演技が迫力ありました。
◆異人たちとの夏(再)
言わずと知れた山田太一さんの代表作で、2017年に放送されたラジオドラマの再放送。
初回放送時、2017年のリスナー人気投票では第2位だった。
主演は国広富之さんで2回に分けて放送。
第11位(2票・12作品)
◆光点
山岡ミヤさんの第41回すばる文学賞を受賞したデビュー小説をラジオドラマ化した作品。
例年ほとんどがオリジナル脚本であるFMシアターにしては2019年は原作付きが多い年だった。
ただし本作品は工場しかない閉じられた町を舞台にした作品で、内容面ではいかにもFMシアターらしい。
- 最後の終わり方が原作と違っていて、オーディオドラマの方が主人公が光点に向かっていく感じがして余韻の残る作品でした。
◆ボクの、いじわるでえらそうなヒール
東京から瀬戸内の島に移住した少年を主人公にした作品。
平成29年度中四国ラジオドラマ脚本コンクール・入選作品で、松山局制作。
ちなみに「ヒール」は猫の名前。
- 児童文学的な楽しい作品だった。
◆満天のゴール(再)
2018年初出作品の再放送で、これも原作付き作品。
原作者は「晴れたらいいね」の藤岡陽子さんで、本作品も看護師である藤岡さんの経歴を生かして主人公は看護師。
◆真琴もののけ録
広島県三次市に実在する江戸時代中期の怪異録「稲生物怪録」を題材にした作品で、もちろん広島局制作。
稲生平太郎なる人物の体験談という体を取っている。
青春アドベンチャーでは数少ない本格的なホラー「アクアリウムの夜」の原作者のお名前はここから取っていたもの思われる。
- 怪奇ものの雰囲気が出ていたと思います。
◆ノスタルジック葉山
実家の菓子製造会社の再建を託された息子が郷里の葉山で出会った出来事。
脚本は2017年人気投票第4位「百八つの人助け」の鈴木絵麻さん。
- 今年2番、最後学園存続していく過程が良い。
- 印象に残る作品
◆ロックなミシンで起こして
第39回・BKラジオドラマ脚本コンクールの佳作の作品。
夏休み、大阪で縫製の仕事をする祖母のもとに中学生の少女が訪ねてきた。
「大阪のおばちゃん」である祖母の役は吉本新喜劇の末成由美さんが演じている。
- 最後の展開はちょっと強引な気もしましたが、しっかり感動してしまいました。
◆帰り来るもの
第34回・NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集の最優秀賞受賞作。
お互い、連れ合いに不倫されている男女がひょんなことから1台の車に同乗することになるのだが…
主演の萩原聖人さんは青春アドベンチャーでも「エンジェルス・エッグ」、「蒲生邸事件」に出演されている。
◆老婆の休日
老舗のうなぎ屋の女三代を、渡辺美佐子さん(祖母)、浅野ゆう子さん(娘)、谷村美月さん(孫)が演じる。
タイトルはもちろん「ローマの休日」のもじりで、舞台もローマ。
舞台を簡単に海外に設定できるのもラジオドラマの良いところ。
- コミカルでよかった。
- 老婆の休日は、聴いていてテンポやリズムが好きです。
- 会話のやり取りがテンポよい
◆フーちゃんのこと
村井國夫と笹野高史が(元)詐欺師のコンビを演じる。
劇作家マキノノゾミさん(ザ・マンボスパイズ)の脚本作品。
- 詐欺師二人のやりとりが楽しかったです。
◆ステップを聴かせて(再)
2018年の人気投票第5位の作品でブラインドマラソンがテーマ。
小芝風花さんには是非このまま育っていって欲しい。
- 小芝風花さんの声が合っていた。ストーリーはありがちで、あまり引き込まれなかった。
◆サウンドミュージカル 雪色オルゴール
ミュージカル女優・昆夏美(こん・なつみ)さんの主演作でミュージカル風の珍しい作品。
脚本・音楽のまきりかさんは翌2020年1月、今度は青春アドベンチャー枠で「時めがね金沢うた絵巻」を担当することになる。
- 泣けた
◆73年前の紙風船(再)
初放送は2018年8月で、平成30年度の文化庁芸術祭参加作品。
「紙風船」とは風船爆弾のこと。
主演はグレーテルこと瀬戸康史さん。
- 風船爆弾について初めて知った ラジオドラマで戦争のことを扱うのもとても有意義だと思った
第19位(1票)
以下1票のみの作品です。
作品名 | リスナーの感想 |
---|---|
夜明けの舞 | 良作 |
レペゼン・リーシリー! | 笑わせていただきました。 |
ごらん、花々の彩りを | 情景が見えてくるようで聴きごたえがありました。 |
もぐらたちのブルース | セリフがとても自然でテンポ良かった |
荒地の人 | 主人公の心情が迫ってくるようでした。主観描写を描くのに適したラジオドラマの特性が活かされていたと思います。 |
幽霊シッター | 最後ぐっときた |
瀬戸内マトリューシカ | - |
アンちゃんといっしょ、未来の家族 | - |
コメントのみ
投票はなかった作品に寄せられた感想は以下のとおりです。
作品名 | リスナーの感想 |
---|---|
佐渡は居よいか住みよいか | 良作でしたがタイトルは改良の余地あり |
上越新幹線にて | 作品を悪く言いたくはありませんが、この作品だけはクソです。 |
風よとどけよ | ほとんど2人の会話なのに飽きさせない話だった。 |
罵詈雑言忠臣蔵(再) | 老人の棒読みに近い演技が良かった。 |
おじいのヒジのヒジホタル | 主人公が今時の女子高生というのが新鮮。おじいとの会い被災者の生活を知ることで成長していくところが良かった。ただ、被災者であることをさも特別だと言わんばかりの男性の言葉には引っかかった。 |
幕末の絵師 田崎早雲 | 青春アドベンチャー「蜩ノ記」にも出演された小市慢太郎さんの声が、時代劇の骨太な役に似合っていました。 |
最も印象的だった出演者
続いて出演者編です。
14名のリスナーの方から11人の俳優への投票があり、芦田愛菜さんに3人の方、加藤虎ノ介さんと棚橋弘至さんに2人の方から投票いただいています。
選んだ理由は以下のとおりです。
出演者名 | 作品名 | リスナーが選んだ理由 |
---|---|---|
芦田愛菜 | エンディング・カット |
|
加藤虎ノ介 | 幻タクシー |
|
棚橋弘至 | カウント2.9! |
|
中川晃教 | ドライビング・レコード |
|
荻原聖人 | 帰り来るもの |
|
笹野高史 | フーちゃんのこと |
|
渡辺美佐子さん | 老婆の休日 |
|
津田寛治 | うつ病九段 |
|
谷村美月 | ??? |
|
末成由美 | ロックなミシンで起こして | - |
番組全般に関する感想
以下は特定の作品に限定されない番組全体へのご意見です。
例によってバラバラですが、例年よりは肯定的な意見が多いように思います。
- 時代もあるのかもしれないが、やや暗いテーマ(高齢化、メンタル、被災…)の作品が多かったように思います。もう少し明るいテーマの作品や、「コンビニ人間」のような小説等が原作の作品を聴きたいです。
- 長く続けてください。
- ベテラン俳優の起用が有難い。安心して聞ける。
- 公共放送は広告主を気にいないでいいのだからもっと毒のある作品を放送してほしかったです。
- それぞれ多彩な作品だけど、展開にどこか似たような感じも。マンネリとは言いませんが。
- 今年から本格的に聴き始めましたが、聴き応えのある作品が多くて面白かったです。
- 連続ドラマにしてもよい。50分では短い。
- 「異人たちとの夏」と「罵詈雑言忠臣蔵」は毎年聴きたい。
- 朝倉あきさんが好きですが、最近出演される役どころが暗いものばかり(テレビも)で残念です。彼女のよさを生かした役をよろしく。
- 中村倫也さんに出演していただきたい
- 今年は面白い作品ばかりで悩みました。
アンケート企画へのご意見・ご要望
以下はこのアンケートに対して寄せられたご要望です。
右欄で主催者より回答させて頂きました。
ご意見・ご要望 | 主催者からの回答 |
---|---|
このようなアンケートをありがとうございました。 | こちらこそご回答いただきありがとうございました。 |
ラジオドラマを聴く目安になりとても良い企画だと思います。今後とも楽しみにしております。 | わたしが好きでやっているだけではありますが…少しでもお役に立てたのならうれしいです。 |
個人的に洋モノが苦手なので、つい聴取をお休みしてしまうのですが、 これは是非、という作品があればどこかで教えてください。 | そもそも最近、FMシアターで洋モノってあまりやっていませんよね。もっとあっていいと思います。 |
3作品に絞り切れないのが悔しいぐらいです。 | そうですね。でも絞る作業も楽しいですよね。 |
出演者を自由に書くのは名前を覚えていないので難しいです。青春アドベンチャーと同じ感じにしていただけるとありがたいです。 | 準備が大変ではあるのですが…検討します。 |
毎年この企画を楽しみにしています。 | ありがとうございます。 |
以上です。
改めましてご協力ありがとうございました。
【2019年のリスナーアンケート結果一覧】
- 青春アドベンチャー(作品編)
- 青春アドベンチャー(出演者編)
- 青春アドベンチャー(その他編)
- 青春アドベンチャーに採用してほしい作品
- FMシアター/特集オーディオドラマ・リスナーアンケート←この記事
- 2019年の反省会
■アンケート企画の結果
各年ごとアンケートの結果一覧はこちらから、全作品アンケートの結果一覧はこちらからご覧ください。
■2019年の放送作品
2010年代にFMシアター/特集オーディオドラマで放送されたラジオドラマのうち、当ブログで紹介済みの作品の一覧はこちらです。
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