特集【世界史上の有名人物が登場する青春アドベンチャー作品】
本ブログは青春アドベンチャーを始めとするNHK-FMのラジオドラマ番組で放送されたラジオドラマを紹介するブログです。
前回の特集では、今まで紹介したラジオドラマ番組に登場した日本の歴史上の人物を紹介しました。
引き続いて今回は、青春アドベンチャー系列の番組に登場した世界史上の人物を紹介したいと思います。
国ごとに紹介
前回の日本史編では意外とマイナーな人物が多かったのですが、私が世界史に疎いこともあって、今回は前回以上にマニアックな人物が多いように感じます。
これでも、あくまで「有名人物」というくくりなので「また、桜の国で」のイエジ・ストシャウコフスキのように一般にはほとんど知られていない人は除外しています。
なお、今回は登場人物の国ごとに紹介いたします。
(以下敬称略です。)
ヨーロッパ
イギリス
スペースマシン
- H・G・ウェルズ(演:手塚祐介・銀河万丈)

スペース・マシン 原作:クリストファー・プリースト(青春アドベンチャー)
1893年、イギリスはヨークシャー。自動車運転用のゴーグルのセールスマンをしていたエドワード・ターンブルは、アメリア・フィッツギボンという令嬢と出合う。アメリアは大発明家であるレナルズ教授の秘書をしているという。彼女の美しさに一目ぼれし、また、彼女を通じてレナルズ教授にゴーグルを売り込めれば一儲けできると考えたエドワードは、アメリアへの接触を図る。しかし、アメリアはエドワードが思っていたよりずっとお転婆で、しかも、レナルズ教授はエドワードが想像していたよりずっととんでもないものを発明していたのだった。
海賊モア船長の憂鬱
- キッド船長(演:清水紘治)

海賊モア船長の遍歴 原作:多島斗志之(青春アドベンチャー)
大航海時代のインド洋。そこは、イギリスとオランダ、そして東インド会社とムガール帝国の貿易船・軍船が縦横に行き交う、一大フロンティアだった。イギリス人ジェームズ・モアは、東インド会社の貿易船で航海士を務める優秀な水夫だったが、海賊との内通を疑われて船を追われ、ようやく帰った母国では妻を亡くし、失意のどん底にあった。そんなモアを再び海に誘ったのは昔なじみの水夫“大樽”。彼の乗り組む海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」へ水夫として乗り込むことにしたのだ。しかし、一大決心をして乗り込んだ「アドヴェンチャー・ギャレー」は、何と最初の獲物すら捕らえないうちに海賊船への転身を余儀なくされてしまう。海賊との内通を疑われて転落した人生。再起をかけて乗った船で、本当の海賊になってしまうという皮肉。モアは自分の人生に戸惑いつつも、仲間たちと共に生き残るために必死の行動を始める。これは300年前のインド洋で数奇な運命をたどった一人の水夫の物語である。
カムイの剣
- キッド船長(演:木下秀雄)

カムイの剣 原作:矢野徹(FMアドベンチャー)
幕末の蝦夷。忍びの者・次郎は、孤児の自分を育ててくれた幕府直轄隠密集団の首領・天海こそが、親を殺した張本人であるということを知ってしまう。捨てられたときに持っていた日月螺鈿(じつげつらでん)のアイヌの宝剣「カムイの剣」だけを持って天海のもとを出奔する次郎。だが、実は天海が敢えて次郎を手元に置いていたのは、次郎の父・太郎左(たろうざ)が隠していた秘密をわが物とするためだった。そのため、すぐに天海は追手を差し向けるのだが。
黒十字の魔女 ヴィクトリア朝怪奇冒険譚外伝
- ルイス・キャロル(演:吉田朋弘)

黒十字の魔女 ヴィクトリア朝怪奇冒険譚外伝 原案:田中芳樹、脚本:菊地百恵(青春アドベンチャー)
1858年秋、大英帝国の首都ロンドン。クリミア戦争から帰還して2年、数々の怪奇事件に巻き込まれ多事多難な日々を送ってきたエドモンド・ニーダムとその姪のメープル・コンウェイにもようやく落ち着いた日々がやってきた。しかし、またしても死体が集団で移動するという怪しい噂を聞きつけてきてしまう。しかも、移動する死体の首には奇妙な形の痣のようなものがあったという。知り合った医師のグレイはそれは感染症の発疹ではないかという。確かにこの街の環境は相変わらず劣悪で感染症の危険とは常に隣り合わせ。コレラで家族を失っているニーダムとメープルには頷ける話ではある。しかし、やがてふたりはこの痣と同じ形を他でも見かけることになるのだった。
月蝕島の魔物
- アンデルセン(演:井上倫宏)
- ディケンズ(演:酒向芳)

月蝕島の魔物 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)
ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に、元出版社社員のニーダムとその姪のメープルが、文豪ディケンズやアンデルセンとともに月蝕島に流れ着いた氷山とそこに閉じ込められている帆船の謎を解き明かしていく…
世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット
- ロバート・スコット(演:細川隆之)

世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット 原作:チェリー・ガラード、本田勝一(アドベンチャーロード)
1911年1月、南極大陸にふたりの男が上陸する。一人は大英帝国の誇る優秀な海軍軍人ロバート・ファルコン・スコット。もう一人はアルゼンチン出身の熟練した探検家ローアル・アムンゼン。国家の威信と男の夢をかけたふたりの大冒険レースが始まる。進むは人跡未踏の大地・南極大陸、目指すは人類史上初の南極点への到達。世界一過酷な旅の果てにふたりを待ち受ける運命は、栄光か失敗か。
タイムスリップ大坂の陣
- シェークスピア(演:藤木孝)

タイムスリップ大坂の陣 原案:鯨統一郎、脚本:山本雄史(青春アドベンチャー)
いつもどおり、脳天気にたこ焼き屋を探していた女子高生・麓(ふもと)うららのもとに、再び統一執行部のタイムトラベル管理官・石松が姿を現す。石松が言うには、豊臣方と徳川方が一触即発の状態にある1615年の大坂で再び歴史改変が行われつつあり、解決のためにうららの力が必要だという。前作「タイムスリップ川中島」での心の傷から立ち直っていないうららは、一旦は同行を拒否するものの、例によってなし崩し的にタイムトラベルすることになってしまう。そして、過去2回に亘りタイムトラベルしている戦国時代で、うららは意外な人物に再会することになる。
髑髏上の花嫁
- ナイチンゲール(演:池田有希子)

髑髏城の花嫁 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)
19世紀の英国。大手貸本屋である「ミューザー良書倶楽部」に勤めるエドモンド・ニーダムは、姪のメープル・コンウェイと共に社長から新しい仕事を任される。代替わりしたばかりのフェアファクス伯爵家が、教養ある貴族の屋敷に相応しい図書館をつくることをミューザー良書倶楽部に依頼してきたというのだ。緊張しつつ伯爵邸に赴くニーダムとメープル。しかし、ニーダムは代替わりしたばかりのフェアファクス伯爵が旧知の人物であることを知り驚く。ニーダムがクリミア戦争に出征していた時に、「クリミアの天使」ナイチンゲールに依頼され、戦友であるラットとともに髑髏城(どくろじょう)という奇怪な城に送り届けた病身のライオネル・クレアモント少尉がフェアファクス伯爵その人だったのだ。これが切っ掛けとなりニーダムとメープルは伯爵の一族を巡る奇怪な冒険に巻き込まれていく。
白銀騎士団 シルバー・ナイツ
- チャーチル(演:梶原航)

白銀騎士団 シルバー・ナイツ 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)
1905年冬。衰退期に入りつつあった大英帝国の首都ロンドンでは、夜ごと得体のしれない怪物が跋扈していた。貴族社会の末端に属する準男爵サー・ジョセフ・アーネスト・フィッツシモンズは、異国人の従者とともに、人ならざる怪物に立ち向かう裏稼業に従事している。今回の依頼人は南アフリカから来たサー・グレゴリー・ケントという人種差別主義者。彼と家族は、“幽霊”と呼ばれるボーア人の黒魔術師から生命を狙われているというのだが…
ペテルブルグから来た男
- チャーチル(演:中村正)

ペテルブルグから来た男 原作:ケン・フォレット(FMアドベンチャー)
1914年晩秋、ロンドン郊外。大英帝国とロシア帝国が手を結ぼうとしている。このままでは世界大戦が始まってしまう。両国を牛耳っている腐った貴族たちのせいで、何百万人ものロシアの無辜の人民が犠牲になる。そんなことは何としても避けなければならない。大丈夫。作戦は順調だ。御者に化けて乗っ取ったこの馬車には、交渉の英国代表であるウォールデン伯爵と、ロシア帝国の特使アレクセイ・オルロフ公爵が乗っている。英国領内でオルロフ公爵が死ねば、交渉はもちろん決裂だ。…頃合いだ。馬車を止めよう。そして力いっぱいに馬車の扉を引き開けて、この銃弾を撃ち込めばすべてが終わる!「誰よ!何するの!!」!!!なぜだ、なぜ彼女がそこにいるのだ!
夢みるゴシック
- バイロン(演:藤岡正明)

夢みるゴシック それは怪奇なセレナーデ 原作:木原敏江(青春アドベンチャー)
19世紀初頭の英国。貴族の生まれながら孤児院の育ちで社交界に馴染めない少女ポーリーンは、唯一の貴族の親友グレイスを突然失った。なぜ、最愛の恋人との幸せの日々を語っていたグレイスが急死したのか。不信の念を抱いたポーリーンの前に現れたのは2人の青年貴族。ひとりは当代きっての人気詩人であるが同時に奔放な女性関係でも知られるバイロン卿。もうひとりは謎めいた美形の青年トレミー伯爵だった。
ロビン・フッドの冒険
- ヘンリー2世(演:加納幸和)
- リチャード1世(獅子心王)(演:加納幸和)

ロビン・フッドの冒険 原作:ハワード・パイル(青春アドベンチャー)
12世紀後半、ヘンリー2世の時代。ノッチンガムに近いシャーウッドの森にひとりの男がやってきた。彼の名はロビン。森役人といざこざを起こし故郷にいられなくなった彼は、森に住むお尋ね者の集団に仲間入りしようと思ってやってきたのだ。これが後の世で「シャーウッドの森」という言葉だけで想起される黄金時代、「梁山泊」と並び称されるアウトローたちの自由の楽園の始まりだったのだ。
イタリア
ピエタ
- ヴィヴァルディ(演:今井朋彦)

ピエタ 原作:大島真寿美(青春アドベンチャー)
18世紀、斜陽期を迎えているヴェネツィア共和国に、ピエタ慈善院はあった。ピエタに引き取られた孤児の娘たちは、名作曲家ヴィヴァルディの指導のもと音楽を学び、特に優れた者は慈善院付属の「合唱・合奏の娘たち」として日の当たる人生を歩むことができた。エミーリアも「合唱・合奏の娘たち」の一員であったが、大きな名声を得ることは遂になく、今はピエタの事務を担当している。そのエミーリアのもとに恩師ヴィヴァルディが外国で死去したとの知らせが届く。同時にピエタもまた次第に運営が苦しくなりつつあった。エミーリアはピエタへの支援を求めて行動を始め、古い友人で裕福な貴族の娘であるヴェロニカから、ある古い譜面を探すことを条件に支援の約束を取り付ける。ヴェロニカの譜面を探す試みは、エミーリアが知らなかった恩師ヴィヴァルディの姿と、エミーリア自身の過去の探索につながっていくのだった。
ヘウレーカ
- アルキメデス(演:吉見一豊)

ヘウレーカ 原作:岩明均(青春アドベンチャー)
シチリア島の都市国家シラクサに住むその青年は軍事国家スパルタの出身とは思えない穏やかな男であった。彼、ダミッポスは生まれ故郷の都市国家スパルタに馴染めず、この豊かなシラクサに流れ着いたのだ。しかし、そこで彼が遭遇したのは、地中海の覇権を目指して膨張を続けるローマとその宿敵カルタゴとの争いの代理戦争。クーデターにより実権を握ったカルタゴ派のアジテーションによりそれなりに士気上がるシラクサ。しかし、シラクサの造反に激怒したローマは「ローマの剣」の異名を取る勇将マルケルスを差し向ける。紀元前215年、科学者アルキメデスと関わったことにより戦争の当事者となってしまったダミッポスの目に、攻防戦の顛末はどう映るのか。
1492年のマリア
- クリストファー・コロンブス(演:横田栄司)

1492年のマリア 原作:西垣通(青春アドベンチャー)
1492年。レコンキスタ完遂に沸き立つスペインでは、力と恐怖で異教徒に改宗を迫る動きが広がっていた。港町セビリアに住むアロンソ・デ・トーラスは冒険を夢見る若き航海士。しかし、ユダヤ人を祖先に持つ改宗キリスト教徒という自らの出自を思うと、スペインを覆う不穏な雰囲気に神経質にならざるを得ない。そんなある日、アロンソは、尊敬する船乗りクリストバル・コロンから、100年以上前のマジョルカ島の宗教家ルルスの思想を教えられる。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教が共存した当時のマジョルカ島で、異教徒の文化に配慮した融和的な伝道を志したルルスの教えが胸に響いたアロンソは、伝道と冒険航海の両立こそが自らの生涯と信じ、コロンの西回りインド航路開拓に同行することを決意する。しかし、アロンソの冒険の旅の前には大きな障害が立ちはだかるのだった。
オーストリア
帝冠の恋
- ゾフィー(演:野々すみ花)
- フランツ・ヨーゼフ1世(演:坂川慶成)
- メッテルニヒ(演:鈴木壮麻)

帝冠の恋 原作:須賀しのぶ(青春アドベンチャー)
貴族の令嬢の夢など他愛もないものだ。「私の夢は、世界一素敵な王子さまと結婚して、世界一美しい宮殿で夢のような暮らしをすること。」でも、現実には、そんなものは存在しない。だとしたら、自分の手で作ってみせる。そう、私は「オーストリア」と結婚するためにやってきた。19世紀初頭。ハプスブルク帝国の世継ぎとされるカール大公のもとに、南ドイツの新興国・バイエルン王国から一人の王女が嫁いできた。彼女の名はゾフィー。人々は彼女の美しさを賞賛したが、彼女は美しいだけの女性ではなかった。彼女の中には強い決心と覚悟が隠されていたのだ。
ハプスブルクの宝剣
- マリア・テレジア(演:野々すみ花)

ハプスブルクの宝剣 原作:藤本ひとみ(青春アドベンチャー)
1732年6月、フランクフルトのユダヤ人居住区。医者となってパドヴァの大学から帰郷したエリヤーフーを待っていたのは、壁の中に閉じこもる同胞・ユダヤ人からの非難の視線だった。非ユダヤ人との融和を願って翻訳したドイツ語訳の律法(ユダヤ教の聖典)がラビの逆鱗に触れたのだ。そして壁の外でも世界は彼を追いつめる。名家の娘アーデルハイトと恋に落ちたエリヤーフーはその代償として左目と命を失うことになる。そう、ユダヤ人・エリヤーフー・ロートシルトは死んだ。神聖ローマ帝国の継承者マリア・テレジアが出会った男は、ユダヤ人の医者ではなく、エドゥアルト・アンドレアス・フォン・オーソヴィルという片目の伯爵。彼女の夫であるロートリンゲン公フランツの家臣。
マドモアゼル・モーツァルト
- モーツァルト(演:土居裕子)

マドモアゼル・モーツァルト 原作:福山庸治(青春アドベンチャー)
高校で音楽教師をしている裕子のもとに、先輩の勤が、200年前のアメリカで音楽教師をしていたエリザベスという女性が書いたというオペラの譜面を持って現れた。オペラのタイトルは「マドモアゼル・モーツァルト」。それは、モーツァルトが女性であったという驚くべき物語だった。少女エリーザはなぜウォルフガング・アマデウス・モーツァルトと名乗ることとなるのか、どのような気持ちで音楽を作り、そしてどのような恋をしたのか。物語はこのオペラで語られている彼女の人生へと移っていく。
1848
- エリザベート(演:井手柚花)
- フランツ・ヨーゼフ1世(演:横山賀三)

1848 作:並木陽(青春アドベンチャー)
「『騎馬の民なるマジャルの王はかつて、東の果てより馬を駆り、この地にたどり着いた。羊…の群れ、え、悠然と…草を食み、荒々しき…いや猛々しき?…』 だめだめだめ!どうして私の書くものには心踊る勇壮さというものが宿らないのかしら…」悄然としてユリシュカは筆を置いた。羊飼いの娘を母に持ち、大平原を駆ける英雄の生涯に思いをはせる夢見がちな少女に過ぎなかったユリシュカ。しかし、時代の荒波は近代化に立ち遅れた辺境の男爵家の少女の人生をも大きく変えていくことになる。欧州のそして世界の歴史を変えた革命の1848年まであと少し。ユリシュカも、そしてその兄カーロイも、まだ自らを待ち受ける運命を知らない。
ギリシャ
王女アストライア
- アレクサンダー大王(演:筒井巧)

王女アストライア 原作:藤本ひとみ(青春アドベンチャー)
神々がまだ人間の前に姿を現していた時代。世界は、神々の住む第一世界、死後の国・冥界を司る第二世界、人間の住む第三世界、そして人間の生命エネルギーを管理する聖なる使者たちが住む第四世界“テーヌ・フォレーヌ”に分かれていた。ある日、女神ヘラと太陽神アポロンとの密会の現場を目撃してしまったテーヌ・フォレーヌの第三王女アストライアは、罰としてヘラから「愛する者と決して結ばれない」という呪いを受けたうえで、第三世界へと落とされてしまう。そして、そこでマケドニアの王子アレクサンドロスと出会い、激しく惹かれていくのだが…
ジョージア(グルジア)
斜陽の国のルスダン
- ルスダン女王(演:花總まり)

斜陽の国のルスダン 原作:並木陽(青春アドベンチャー)
1223年。ヨーロッパとアジアの中間、黒海とカスピ海に挟まれたキリスト教国でひとりの女王が即位した。周りをイスラム教国に囲まれるという地理的な不利を跳ね返し、その国が繁栄を極めたのはすでに過去のこと。前王はモンゴルとの戦いで戦死し、国の存続すら危うい中、政治に無関心、無関係で育った女王にとって、唯一の味方は、隣国ルーム・セルジュークの王子であり幼馴染であった夫ディミトリだけであった。これは国の運命を一身に背負った女王の物語。最愛の男性と結ばれるという幸福と最愛の男性と離別するという悲しみを同時に受け止めた女王ルスダンの物語。
チェコスロバキア(チェコ)
暁のハルモニア
- ヴァレンシュタイン(演:鈴木壮麻)

暁のハルモニア 作:並木陽(青春アドベンチャー)
17世紀、ドイツは戦乱の渦中にあった。三十年戦争。カトリックとプロテスタントの間で争われた最後にして最大の宗教戦争により、国土は荒廃、住民たちは塗炭の苦しみを味わっていた。後世から見れば「暗黒の中世」は終わりを告げつつある時代。しかし、イタリアでガリレオ・ガリレイが「それでも地球は動く」と呟かざるを得なかった時代でもある。いわんやドイツにはまだ近代文明の曙光もさしていない…ように見える。しかし、そんな時代でも新しい学問を求め歩みを止めない青年がいた。彼の名はヨアヒム・ハインツェル。若き天文学者であるヨアヒムは戦乱で大学を焼け出され、行くところがない。しかし、これ幸いと、予てから憧れていた大天文学者ヨハネス・ケプラーに会いに行くことに決めた。神のあり方を巡って混乱する地上。しかし、真理の光があれば世に調和をもたらすことだってできるはずなのだ。
プラハの春
- ドプチェフ第1書記(演:津嘉山正種)

プラハの春 原作:春江一也(青春アドベンチャー)
1967年、チェコスロバキア社会主義共和国。在チェコスロバキア日本大使館に勤務する27歳の若き外交官・堀江亮介は、休暇で赴いたウィーンからプラハに戻る途中の路上で、カテリーナとシルビアという東ドイツ人の母娘と出会う。折しも「プラハの春」と呼ばれることになる改革運動の最中にあったチェコスロバキアで、西側・東側という政治的立場を越えて、惹かれあっていく亮介とカテリーナ。しかしやがて、国内の改革派の勢いは急拡大し、東側諸国はチェコスロバキアの改革を危険視し始める。そして、歴史の歯車は、ふたりの運命をも巻き込んでいくのであった。後の世に「プラハの春」と呼ばれることになる民主化運動の隆盛と挫折を、若き外交官の愛と別離を交えて描く。
スウェーデン
暁のハルモニア
- グスタフ・アドルフ王(演:伊礼彼方)

暁のハルモニア 作:並木陽(青春アドベンチャー)
17世紀、ドイツは戦乱の渦中にあった。三十年戦争。カトリックとプロテスタントの間で争われた最後にして最大の宗教戦争により、国土は荒廃、住民たちは塗炭の苦しみを味わっていた。後世から見れば「暗黒の中世」は終わりを告げつつある時代。しかし、イタリアでガリレオ・ガリレイが「それでも地球は動く」と呟かざるを得なかった時代でもある。いわんやドイツにはまだ近代文明の曙光もさしていない…ように見える。しかし、そんな時代でも新しい学問を求め歩みを止めない青年がいた。彼の名はヨアヒム・ハインツェル。若き天文学者であるヨアヒムは戦乱で大学を焼け出され、行くところがない。しかし、これ幸いと、予てから憧れていた大天文学者ヨハネス・ケプラーに会いに行くことに決めた。神のあり方を巡って混乱する地上。しかし、真理の光があれば世に調和をもたらすことだってできるはずなのだ。
ドイツ
暁のハルモニア
- ヨハネス・ケプラー(演:原康義)

暁のハルモニア 作:並木陽(青春アドベンチャー)
17世紀、ドイツは戦乱の渦中にあった。三十年戦争。カトリックとプロテスタントの間で争われた最後にして最大の宗教戦争により、国土は荒廃、住民たちは塗炭の苦しみを味わっていた。後世から見れば「暗黒の中世」は終わりを告げつつある時代。しかし、イタリアでガリレオ・ガリレイが「それでも地球は動く」と呟かざるを得なかった時代でもある。いわんやドイツにはまだ近代文明の曙光もさしていない…ように見える。しかし、そんな時代でも新しい学問を求め歩みを止めない青年がいた。彼の名はヨアヒム・ハインツェル。若き天文学者であるヨアヒムは戦乱で大学を焼け出され、行くところがない。しかし、これ幸いと、予てから憧れていた大天文学者ヨハネス・ケプラーに会いに行くことに決めた。神のあり方を巡って混乱する地上。しかし、真理の光があれば世に調和をもたらすことだってできるはずなのだ。
タイムライダーズ
- アドルフ・ヒットラー(演:酒向芳)

タイムライダーズ 原作:アレックス・スカロウ(青春アドベンチャー)
1912年、沈みゆくタイタニック号Eデッキに老人の声が響き渡る。「君の命は残り4分。答えろ、生き延びたいか。さあリアム、決断の時だ。私に付いてくるならこの手を掴め。」2011年、ボストンから西海岸へ向かう旅客機の中で老人はマディに語り掛ける。「数分後、この旅客機の乗客全員が死ぬ。だが、君だけ生き延びることを選択できる。さあ手を握り給え、早く。」沈みゆく豪華客船から、墜落する旅客機から、ムンバイの業火の中から、メフィストフェレスに手をひかれて3人の若者が集まった。彼らの新しい人生の舞台として用意されたのは2001年9月10日。翌日に起きる「あの事件」があまりに人々の記憶に鮮烈に残ったために、逆に人々の記憶から抜け落ちてしまった、その前日。
北壁の死闘
- オットー・スコルツェニー(演:田山涼成)

北壁の死闘 原作:ボブ・ラングレー(青春アドベンチャー)
時は第二次世界大戦中、主人公はイタリア戦線に配属されたドイツ国防軍のエーリッヒ・シュペングラー軍曹。彼は戦前はドイツを代表するクライマーだったが、ある理由から登山を諦めた男だった。しかし彼は撤退中に突然本国に呼び戻され、少尉に特進の上、精鋭クライマーで構成される特殊攻撃部隊への配属を命じられる。過酷な訓練を経て実行に移される特殊任務。しかし、計画は徐々に狂いを生じていく。そうした中、シュペングラーは任務のため、自分自身の過去に決着をつけるためにアイガー北壁へと向かう。
ハプスブルクの宝剣
- フリードリヒ2世(演:加藤和樹)

ハプスブルクの宝剣 原作:藤本ひとみ(青春アドベンチャー)
1732年6月、フランクフルトのユダヤ人居住区。医者となってパドヴァの大学から帰郷したエリヤーフーを待っていたのは、壁の中に閉じこもる同胞・ユダヤ人からの非難の視線だった。非ユダヤ人との融和を願って翻訳したドイツ語訳の律法(ユダヤ教の聖典)がラビの逆鱗に触れたのだ。そして壁の外でも世界は彼を追いつめる。名家の娘アーデルハイトと恋に落ちたエリヤーフーはその代償として左目と命を失うことになる。そう、ユダヤ人・エリヤーフー・ロートシルトは死んだ。神聖ローマ帝国の継承者マリア・テレジアが出会った男は、ユダヤ人の医者ではなく、エドゥアルト・アンドレアス・フォン・オーソヴィルという片目の伯爵。彼女の夫であるロートリンゲン公フランツの家臣。
ブラジルから来た少年
- ヨーゼフ・メンゲレ(演:海津義孝)

ブラジルから来た少年 原作:アイラ・レヴィン(青春アドベンチャー)
1974年9月、ウィーンを拠点にナチスの戦犯を追っているユダヤ人・リーベルマンは、ブラジルに潜伏しているヨーゼフ・メンゲレの居場所を見つけたという情報を得る。ヨーゼフ・メンゲレ。ナチスの人種理論の強烈な信奉者で、アウシュビッツ強制収容所で多くの人体事件を繰り返し「白い悪魔」と呼ばれた男。もしも逮捕できれば大きな成果だが、その類の胡散臭い情報が入ることはよくあることで、すぐには信じられない。しかも情報提供者によれば彼は「ヨーロッパとアメリカの各地で暮らしている96人の65歳の男性」を殺害する計画を立てているという。俄には信じがたい話であったが、その情報が突如、信憑性を増す事態が発生する。情報提供者が、リーベルマンと電話で話している最中に何事かのトラブルに巻き込まれ、そのまま消息を絶ってしまったのだ。何かが始まろうとしている。リーベルマンは事件の全容を把握するために動き始める。
鷲は舞い降りた
- アドルフ・ヒットラー(演:政岡泰志)
- ハインリヒ・ヒムラー(演:山崎たくみ)

鷲は舞い降りた 原作:ジャック・ヒギンズ(青春アドベンチャー)
全員、掛け値なしに勇者といってよい。しかし、マルタ、レニングラード、スターリングラード、そしてチャンネル諸島。英雄としてあるいは反逆者として転戦するうちに300人いた部隊は15人にまで減ってしまった。このまま懲罰部隊にいれば全滅も時間の問題だ。だからといって、何だこの馬鹿げた作戦は。イギリス本土に空挺降下しチャーチル首相を誘拐する?こんなことが実行可能だとは思えない、いや仮に実行できたとしてどんな意味があるというのだ。馬鹿馬鹿しい。馬鹿馬鹿しい…が、われわれはこの作戦を推進せざる得ない。第三帝国の栄光を守るためではなく、大切な家族と得難い戦友を守るために。
ノルウェー・アイスランド
タイムスリップ川中島
- エイリーク・ソルヴァルズソン(赤毛のエイリーク)(演:小杉幸彦)

タイムスリップ川中島 原案:鯨統一郎、脚本:山本雄史(青春アドベンチャー)
統一執行部の時間捜査官・石松は、1560年の川中島で旧知の女子高生・麓(ふもと)うららの名前を耳にする。うららは、石松と何度も一緒に時間旅行をした特異な経歴の持ち主だが、基本的には21世紀の一女子高生に過ぎないはずだ。うららが何か大きな事件に巻き込まれていることを察知した石松は、すぐさま、うららに決して1560年には来ないように警告を発する。しかし、突如、蛇型の殺人ロボットの襲撃を受けたうららは、さしたる理由もなく、警告を無視してノリと勢いで石松のいる1560年に向かってしまうのだった…
フランス
仮想の騎士
- サンジェルマン伯爵(演:池田秀一)
- ルイ15世(演:島香裕)

仮想の騎士 原作:斉藤直子(青春アドベンチャー)
1751年、ルイ15世統治下のフランス。剣の達人デオン・ド・ボーモンは、王弟コンティ親王に仕える美貌の騎士である。最愛の人・クリスティーヌとの身分違いの恋を叶えるために、どうしても出世したいデオンは、密命を帯びてロシアへと渡る。しかし、そこで身分を隠すために女装をしたのが運の尽き。ロシアでの外交交渉は上手くいったものの、デオンは、ロシアで男と女の2役を使い分けなければならなくなってしまう。折しもフランスでは、謎の男・サン・ジェルマン伯爵や、庶民出身の野心家で王の愛人であるポンパドゥール侯爵夫人、そして、イノセントではあるが意外ととんでもない怪人物であるルイ15世などが暗躍をしている。一方、ロシアでも、女傑である皇帝エリザヴェーダ、切れ者の宰相ベスドジェフ、古臭いフランス語でデオンを煙に巻く副宰相ヴォロンツォーフなどの、一癖も二癖もある連中が蠢いている。デオンは、陰謀渦巻く国際社会を無事に生き抜くことができるのか。そして謎の男・サン・ジェルマン伯爵の真の目的とは何なのか。
三銃士
- リシュリュー枢機卿(演:内山森彦)

三銃士 原作:アレクサンドル・デュマ(青春アドベンチャー
頑固で、短期で、無鉄砲。ガスコン(ガスコーニュ出身者)はいつだって一直線だ。時は13世紀、ガスコーニュ出身の青年ダルタニャンもまた、紹介状1枚だけを握りしめ、同郷の出世頭・銃士隊のトレヴィルを訪ねてパリに上京してきた。目指すは国王陛下の銃士隊に入っての立身出世!でもなぜか到着早々、よりにもよってその銃士隊の名物三銃士アトス、ポルトス、アラミスと決闘することになってしまった。でもダルタニャンはへこたれない。ガスコンは一直線なのだ。
黒い瞳のボヘミアン
- ドガ(演:大滝寛)
- ロートレック(演:村井成仁)

黒い瞳のボヘミアン 作:山谷典子(青春アドベンチャー)
19世紀末のパリ。キャバレー「パピヨン・ルージュ」は芸術を愛するボヘミアンたちが集う社交場だった。ローズはそのパピヨン・ルージュで一番人気の踊り子。サーカスの空中ブランコで鍛えた肉体が描き出すダンスは芸術家たちの創作意欲を刺激してやまない。しかし、ローズ自身は、ある虚無を抱えて退廃的に生きていた。そんなローズに運命的な出会いが訪れる。キャバレーの客として現れたボヘミアンのひとり、日本人画家カズタカ。この出会いはふたりにどのような運命を運んでくるのか。
ジャンヌ
- シャルル7世(演:佐戸井けん太)
- ジャンヌ・ダルク(演:森奈みはる)
- ジル・ド・レ(演:武岡淳一)

ジャンヌ 原作:安彦良和(ダミーヘッド・アドベンチャー・スペシャル)
ジャンヌ・ダルクがルーアンで火刑に処せられてから9年後の1440年。未だ戦乱の最中にあるフランスはボードリクールの城代のもとに、国王から参陣の命令が届く。これを聞いた城代の養子エミールは、城代に代わり自分が国王の下に赴くことを直訴する。実はエミールはさる貴族の落胤であり、親族間の争いを避けるために男性として養子に出されていた少女であった。そのいきさつからか、エミールは男装で闘ったジャンル・ダルクに強いあこがれを持っていたのだ。そして、国王の下に赴く途中、エミールはジャンヌの幻想に出会うのだが…
ブルボンの封印
- フーケ(演:佐古雅誉(佐古正人))
- マザラン(演:山野史人)
- ルイ14世(演:岩田淳)

ブルボンの封印 原作:藤本ひとみ(青春アドベンチャー)
17世紀のフランス。太陽王と呼ばれたルイ14世のもと、フランスは絶対王政の絶頂期を迎えた。しかし、その太陽王の若き日には、世に知られない陰謀劇が繰り広げられていた。事件は1643年5月3日に、宰相マザランがひとりの嬰児を拾ったことから始まる。もしこの時、マザランがこの女の子を拾わなければ、歴史の流れは大きく変わっていたかも知れない。この物語は、マリエールとマノンという2人の少女、そしてルイとジェームズという2人の男を巡る、数奇な運命の物語である。
紅はこべ
- マリー・アントワネット(演:若葉ひとみ)

紅はこべ 原作:バロネス・オルツィ(青春アドベンチャー)
1789年のフランス革命から3年。フランスは、国王の支配する絶対王政の国から、人民の支配する共和制の国へと変貌を遂げていた。“人民の敵”となった貴族たちは次々と国外逃亡を画策。一方の革命政府・人民委員会も必死の追及を続けたが、なぜか貴族たちは次々と亡命に成功した。そう、亡命成功の陰には、イギリス人一味によって結成された秘密結社があったのだ。彼らは巧緻を尽くし、機転を利かせ、恐怖に怯えるフランス貴族たちを秘密裏に脱出させ続けた。そして、ことが成功した暁には、必ず人民委員会の誰かのポケットに、赤く小さな星型をした花のしるしを残した。この印から、正体不明のその秘密結社はこう呼ばれた、“紅はこべ”と。
名馬 風の王
- ルイ15世(演:(さとうふみのり))

名馬 風の王 原作:マーゲライト・ヘンリー(青春アドベンチャー)
18世紀、モロッコはサルタンの王宮で1頭のアラブ馬が生まれた。災難の印とされる「小麦のようなもじゃもじゃの毛」が胸に生えていた子馬。小さく、痩せていたその子馬シャムは、しかも生まれてすぐに母馬をなくしてしまった。とても育つまいと言われたその子馬を育てたのは、口のきけない馬屋係の少年アグバ。彼の懸命な世話により無事に育つことが出来たシャムは、アグバと無二の絆で結ばれるようになる。しかし、シャムはフランス王への贈りものとしてフランスに送られ、しかも異国の地で彼らは離ればなれとなってしまう。1人と1頭の旅はどのような結末を迎えるのか。これはサラブレッドの始祖とされる謎多き伝説の名馬・ゴドルフィンアラビアンの物語である。
ロシア
おろしや国酔夢譚
- エカテリーナ2世(演:和泉敬子)

おろしや国酔夢譚 原作:井上靖(アドベンチャーロード)
江戸時代中期の天明2年。千石船・神昌丸は、船長(ふなおさ)大黒屋光太夫を始めとした17人の船員を乗せて伊勢の白子を出帆した。しかし、江戸に向かう途中で嵐に遭い舵を失い、8カ月にも及ぶ苦難の漂流をすることになる。そしてようやく漂着した陸地も、遙か北方のロシアの孤島であった。絶望的な状況のもと、懸命に日本へ帰る方策を探る光太夫達だが、運命は彼らに更なる流転を要求する。カムチャッカ、ヤクーツク、イルクーツク、そして帝都ペテルブルグ。鎖国の時代に、不屈の闘志で広大なロシアを横断した大黒屋光太夫の数奇な運命を追う。
大黒屋光太夫
- エカテリーナ2世(演:小沢寿美恵)

大黒屋光大夫 原作:吉村昭(特集オーディオドラマ)
思えば、信じられないほど遠くへ来たものだ。伊勢の白子の一介の船頭に過ぎなかった、この大黒屋光太夫が、ロシア帝国の首都ペテルブルグにいるのだ。船を失い、紀州様から託された大事な船荷の米も失った。そして、出港時には16人いた部下達も、長い漂流と放浪の果てに次々と死亡し、先日、九右衛門が死亡した今となっては、庄蔵、小市、新蔵、磯吉の僅か4人だけになってしまった。船頭としての責任を痛切に感じる。しかし私はここで下を向くわけにはいかない。日本に帰るのだ。生き残った全員を連れて日本へ帰るのだ。そのためには、もうこの国の皇帝に直訴するしかない。この国で出会えた最良の人物、ラックスマンの助力もある。女帝エカテリーナ二世と面会して何としても帰国の許可を取り付けるのだ。
軽業師タチアナと大帝の娘
- エリザヴェータ・ペトロヴナ(演:野々すみ花)

軽業師タチアナと大帝の娘 作:並木陽(青春アドベンチャー)
18世紀前半、女帝アンナ・イワノヴナ治世下のロシア。帝都ペテルブルクにひとりの女芸人が華麗に舞っていた。彼女の名はタチアナ。国家と教会から弾圧され消えていったロシアの伝説的な芸人集団スコモローフの末裔であることを自認する彼女であったが、彼女自身はただの軽業師に過ぎなかった。しかし、帝国政府の暴政、それに対する人々の不満、そして彼女がもつ特別な運命が彼女が街角のいち芸能者であることを許さない。ある日、言い寄ってきた貴族の誘いを断ったことをきっかけに彼女は罪人としてシベリアに送られてしまう。これがロシアの大地を股に掛けたタチアナの冒険の日々の始まりだった。
ツングース特命隊
- ラスプーチン(演:平田広明)

ツングース特命隊 原作:山田正紀(青春アドベンチャー)
1914年、朝鮮で武器商人をしている武藤は、伝説的な謀略家として後生に名を残すことになる明石元二郎陸軍大佐から呼び出しを受ける。明石は武藤に対し、6年前にシベリア奥地・ツングースで起こった謎の大爆発を探るために、現地に潜入せよという。明石は謎の大爆発がロシアの核兵器開発に関係するものではないかと疑っていたのだ。武藤は要請を断ったが、明石の脅しにより、この探索行を受け入れざるを得なくなってしまう。人跡未踏の秘境、正体不明の事件、信用のおけない同行者、探索行に横槍を入れる怪しい連中、そして大国の陰謀。数々の不安材料があるなか、武藤は大爆発の真相を探るために現地へと向かう…
アジア
中国
封神演義
- 姜子牙(太公望)(演:石橋蓮司)
- 紂王(演:藤岡弘)

封神演義 訳:安能務(青春アドベンチャー)
遙か昔、中国は商(殷)の時代。名君との誉れが高かった紂王(ちゅうおう)は、繁栄に奢った末に、大地母神・女媧の怒りを買ってしまう。商王朝の命数は尽きたと判断した天界と仙界では、王朝交代期の騒乱に便乗し、かねてから計画していた仙界及び人界の大掃除を決行することを決意する。この計画の実行役に担ぎ出されたのが、崑崙山で修行をしていた道士の姜子牙(きょう・しが)。仙界上層部は修行中の姜子牙を強制的に下山させ、人界の争いに介入させていく。心ならずも仙界の陰謀の一端を担ぐことになってしまった姜子牙は、それでも混乱と犠牲を最小限度に食い止めるために動き出すのだが…これは、中国史上最高の軍師「太公望」と呼ばれる男・姜子牙の物語であり、また、後の世に「殷周革命」として知られることになる、中国史上最も有名な王朝交代劇の真相を描く物語である。
西遊妖猿伝・続西遊妖猿伝
- 玄奘三蔵(演:塩沢兼人)
- 李世民(演:福原一臣)

西遊妖猿伝 原作:諸星大二郎(ダミーヘッドによるオーディオコミック)
花果山(かかざん)の麓の村で暮らす若者・孫悟空は、大猿・玃猿(かくえん)に攫われた母から生まれた運命の子である。父を戦乱で失い、野女になった母からも捨てられ、孤児として生きてきた悟空。しかし、大猿(かくえん)に出会い、彼から斉天大星の名を受け継いだことにより、虐げられた民衆のために闘うことを決意する。そして同じように民衆のために闘う紅孩児(こうがいじ)や竜児女(りゅうじじょ)と出会い、目の前の敵と闘いを繰り返す自分の倒すべき敵が大唐帝国であることに気がつく。一方、度重なる戦乱とそれに伴う国土の荒廃に心を痛める若き僧侶・玄奘は、それが真の御仏の教えが根付いていないからだと考える。そして彼は真の仏法を体得するための万難を排して遙か遠くの天竺に行く術を求め始める。
ペルシャ
サマルカンド年代記
- オマル・ハイヤーム(演:今井朋彦)
- ハサン・サッバーフ(演:横堀悦夫)

サマルカンド年代記 原作:アミン・マアルーフ(青春アドベンチャー)
11世紀のペルシャに3人の男がいた。一人は、天才学者にして大詩人。万能の才を持ちながら栄達を求めず、学問と詩と酒に生きるオマル・ハイヤーム。もう一人は、セルジューク朝ペルシャの大宰相にして、高い理想と強権的な政治手腕を自在に操り巨大な帝国を動かすニザーム。最後は、下層階級の生まれで、強い信仰心と現世に対する強い改革意欲をもち、狂信的な手段で理想の社会の実現を図るハサン。この作品は、同じ時代に同じように優れた頭脳を持ちながら、全く違う道を歩んだ3人の物語であり、その3人の物語が記されたオマルの著書「ルバイヤート」を800年後の19世紀末に再発見するアメリカ人・ベンジャミンの物語である。
モンゴル
成吉思汗の秘密
- チンギス・ハン(演:新克利)

成吉思汗の秘密 原作:高木彬光(アドベンチャーロード)
名探偵・神津恭介、病に倒れる!衝撃的な知らせに友人の探偵作家・松下研三は慌てて病院に駆け付けたが、病気は盲腸で、命に別状はないとのこと。ほっとするとともに普段多忙な神津を休養させるいい機会だと考えた松下だが、無聊を託つ神津は今にも退院してしまいそうだ。そこで松下は一計を案じ、神津にあるゲームを提案する。日本史最大のミステリー「源義経=ジンギスカン説」を神津の天才的な頭脳をもって病床にいながらにして解いてみたはどうかと提案したのだ。
南北アメリカ
アメリカ
ウィル
- マーク・トゥエイン(演:内藤大希)

ウィル 作:今城文恵(青春アドベンチャー)
1863年の夏、新聞記者として赴いた西部ネバダ州ブルーバードビルで、私はウィリアム・オマリーという少年と出会った。彼は両親を亡くし叔父に養われる貧しい少年で、友人といえる人間は保安官の息子である足の不自由なクリスだけ。街一番の腰抜けと揶揄される臆病な少年だった。しかしある時、一人の女性と一丁の銃との出会いが彼の人生に大きな転機がもたらすのを私は見た。私は私自身のため、この暴力に支配された街で見聞きしたすべてをここに記す。世界の片隅で起きた少年の小さな成長の物語。発表のあてはない。しかし書き残すべき価値があるものだと私は信じている。
カムイの剣
- マーク・トゥエイン(演:青砥洋)

カムイの剣 原作:矢野徹(FMアドベンチャー)
幕末の蝦夷。忍びの者・次郎は、孤児の自分を育ててくれた幕府直轄隠密集団の首領・天海こそが、親を殺した張本人であるということを知ってしまう。捨てられたときに持っていた日月螺鈿(じつげつらでん)のアイヌの宝剣「カムイの剣」だけを持って天海のもとを出奔する次郎。だが、実は天海が敢えて次郎を手元に置いていたのは、次郎の父・太郎左(たろうざ)が隠していた秘密をわが物とするためだった。そのため、すぐに天海は追手を差し向けるのだが。
シャドー81
- ニクソン大統領(演:銀河万丈)

シャドー81 原作:ルシアン・ネイハム(青春アドベンチャー)
1972年5月。泥沼の戦場と化したベトナムから1機の試作戦闘機とひとりの米国空軍パイロットが姿を消した。試作機の名前はTX-75Eバンバイア、パイロットの名前はグラント・フィーリング大尉。米国が誇る最新鋭戦闘機とその操縦士が再び姿を現したのは米国本土ロサンゼルス郊外、ハワイに向かい飛び立ったジャンボジェット機PGA81便の背後だった。そしてPGA81便にピタリと張り付いたTX-75Eから驚きの宣言がなされる。「こちらはPGA81便の影、シャドー81。機長、あなたの機はたった今乗っ取られた。指示に従わない場合は撃墜する。要求はただひとつ。ベトナム戦争の即時停戦だ。」
アルゼンチン
世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット
- アムンゼン(演:草野大悟)

世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット 原作:チェリー・ガラード、本田勝一(アドベンチャーロード)
1911年1月、南極大陸にふたりの男が上陸する。一人は大英帝国の誇る優秀な海軍軍人ロバート・ファルコン・スコット。もう一人はアルゼンチン出身の熟練した探検家ローアル・アムンゼン。国家の威信と男の夢をかけたふたりの大冒険レースが始まる。進むは人跡未踏の大地・南極大陸、目指すは人類史上初の南極点への到達。世界一過酷な旅の果てにふたりを待ち受ける運命は、栄光か失敗か。
アフリカ
エジプト
太陽の城 月の砦
- サラディン(演:上口耕平)

太陽の城 月の砦 作:中村小夜(青春アドベンチャー)
12世紀半ば。地中海の東に位置するシリアの地。十字軍の遠征からすでに半世紀が経過していたが、キリスト教徒のエルサレム王国とイスラム教徒の諸王国に分裂し、まさに乱世の状況にあった。そんな中、シリア北部の町アレッポにひとりの英雄が現れる。ザンギー朝第2代の君主マフムード。彼は、隣国ダマスカスからアーミナを娶る一方、宿将シール・クーフとその甥ユーセフをエジプトに送りその政治に介入。着々と勢力圏を広げていた。これは「ダマスカスの花嫁」と呼ばれた女と「信仰の光」、「信教の誉れ」と呼ばれたふたりの男。3人の男女の絡み合った運命の物語である。
昼も夜も彷徨え
- サラディン(演:川口覚)

昼も夜も彷徨え 原作:中村小夜(青春アドベンチャー)
12世紀。ヨーロッパ・イベリア半島にイスラム教徒が跋扈し、中東・エルサレムを十字軍という狂気が支配していた時代。2大宗教の圧迫が強まる中、ユダヤ教徒はその内部でも独善的なラビ(宗教指導者)による排他的な指導体制を敷いていた。そんな時代にひとりの若いユダヤ人神学者がラビたちの独善的な主張に異を唱える。イスラム教の信仰告白をしてでも生き延びるべきだ。しかし、彼自身は違う道を選ぶ。自由だけは手放せない。だからそれ以外の全てを手放して逃げる。逃げて己の信条が守れる場所を探して昼も夜も彷徨い続ける。風のように彷徨い続けるその生き方こそ彼の精神の姿そのものだった。
感想・補足
マーク・トゥエインやディケンズ、ウェルズなど作家が多いですね。
また、ラスプーチンや太公望、赤毛のエイリーク、ハサン、サンジェルマン伯爵など半ば伝説上の人物も多い気がします。
特筆すべきは「タイムスリップ」シリーズ。
日本を舞台とした作品のはずなのに、なぜか世界史上の有名人物がふたりも登場しています。
脚本の山本雄史さんの奔放さには脱帽ですね。
次の特集は、青アドポーカー「風の谷のナウシカ出演者つながり」です。
■歴史の視点でみるオーディオドラマ
あの作品はこの作品と同じ時代、この作品に登場したあの人物はこちらの作品にも登場している!
時代背景を知れば作品はもっと楽しめる。
日本史・世界史の観点から作品をオーディオドラマを分類してみました。
- ラジオドラマで歴史上の人物を知る(日本史編)
- ラジオドラマで歴史上の人物を知る(世界史編)
- フランス近世を舞台にしたラジオドラマを時系列で整理してみた
- イギリスの黄金時代を描いた作品群を時系列で並べてみました
- 覇権国家・近代現代アメリカ合衆国を舞台にした作品。
- 青春アドベンチャーでドイツ関連の作品に良作が多い件。
- アメリカ合衆国を舞台にした作品。
- 江戸時代を舞台にした作品ごとの時代設定を整理する
■シリーズ「青アドポーカー」
作品間の緩やかな繋がりを楽しむこの企画。
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