当ブログの高格付け作品(番組:青春アドベンチャー系、ジャンル:冒険系)

高格付作品一覧

当ブログで高格付けを付けた作品のうち、放送された番組が青春アドベンチャー等の帯番組で、作品ジャンルが「冒険系」の作品(山岳海洋、秘境漂流、歴史時代、アクション)の一覧です。
あくまでブログ主個人の感想にすぎないことはご了解ください。

冒険(山岳海洋)

山岳又は海洋への冒険をテーマとした作品です。
時代設定が古くても上記に該当すればこちらに入れています。

格付:AAA・AAA-

北壁の死闘(1992年)

北壁の死闘 原作:ボブ・ラングレー(青春アドベンチャー)
時は第二次世界大戦中、主人公はイタリア戦線に配属されたドイツ国防軍のエーリッヒ・シュペングラー軍曹。彼は戦前はドイツを代表するクライマーだったが、ある理由から登山を諦めた男だった。しかし彼は撤退中に突然本国に呼び戻され、少尉に特進の上、精鋭クライマーで構成される特殊攻撃部隊への配属を命じられる。過酷な訓練を経て実行に移される特殊任務。しかし、計画は徐々に狂いを生じていく。そうした中、シュペングラーは任務のため、自分自身の過去に決着をつけるためにアイガー北壁へと向かう。

格付:AA+・AA・AA-

無頼船長トラップ(1984年)

無頼船長トラップ 原作:ブライアン・キャリスン(FMアドベンチャー)
一体、ジェームズ提督はなにを考えているのだ。2800回もドイツ軍からの空襲を受けた孤立無援の島・マルタ。最近ではろくな物資も入ってこないこのマルタと北アフリカの間を、非武装で、レーダーも無線も持たず、しかも機雷の情報もなしに1年2カ月も往復を続けた船がいるというのか?しかもトラップなる無頼漢が率いるその船はドイツアフリカ軍団の横流し物資で闇商売をしてきた旧式の小型貨物船だというのだ。そんなことはありえないはずではないか。しかし、一番信じられないのはそのことではない。なんと提督は、ようやく拿捕したそのボロ船をそのまま英国海軍に編入し、北アフリカのドイツ・ロンメル軍団の補給路を断ち切る任務に就かせろというのだ。しかもその責任者として、この私、ミラー大尉を任命するというのだ。

脱獄山脈(1985年)

脱獄山脈 原作:太田蘭三(アドベンチャーロード)
妹が殺されたのは私のせいだ。元警官でありながら殺人の汚名を着せられた私の無実を妹は信じてくれた。そうだ、妹は私の無実の罪を晴らそうとして逆に殺されたのだ。犯人はヤツだ。証拠はないが私にはわかっている。このまま刑務所にいるわけにはいかない。刑務所を脱獄して北へ向かう。ヤツと対決しなければならない。どんなに困難であろうとも。

幽霊海戦(1988年)

幽霊海戦 原作:田中光二(アドベンチャーロード)
トラック環礁でダイビングショップを営む日系人アキラ・セリザワはある日、驚くべき発見をする。近くの海に沈没していた旧日本海軍の潜水艦を発見したのだ。第ニ次大戦中の沈没艦船は全て登録されているはずであり、未発見の沈没潜水艦を見つけられれば大スクープだ。しかし、テレビクルーとともに再度その地点に潜ったアキラはそこから潜水艦がなくなっていることを知り再び驚く。そして海上に戻ったアキラ達を襲う、突然の嵐と不審な霧。漂流を始めたアキラ達の前に、やがてディーゼルエンジンの音とともに第ニ次大戦中に撃沈されたはずの旧日本海軍の潜水艦イ20が姿を現した…

遠い海から来たCOO(1988年)

遠い海から来たCOO 原作:景山民夫(アドベンチャーロード)
洋助は、海洋生物学者である父・哲郎とフィジー諸島のパゴパゴ島に住んでいる少年。ある日珊瑚礁で、1億6500万年前に絶滅したはずの首長竜プレシオサウルスの幼生に出会う。クーと名づけられたそのプレシオサウルスが、インプリンティング(刷り込み)により洋助を母親と認識してしまったため、洋助の母親代わりの日々が始まった。大変ながらも楽しい日々。しかしその平穏な日々は長くは続かなかった。洋助の周りで、核実験を目論むフランス軍とこれに反対する組織の暗躍が始まり、哲郎・洋助親子、そしてクーもその争いに巻き込まれていく…

黄金海峡(1989年)

黄金海峡 原作:南里征典(アドベンチャーロード)
笛吹草介(うすい・そうすけ)は、サルベージ中の事故からの復帰を目指す国際的ダイバー。しかし、リハビリのために投宿していた山陰のホテルの近く、海岸崖下の海底洞窟にアタックしたものの再び潜水病になってしまう。恥じ入る草介だが、何かがおかしい。思えばエアになにやら甘いにおいがあった気がする。何か混入していたのではないか?これは事故ではないのではないか?さらに草介のまわりで起こる様々な出来事。崖沿いの瀟洒な別荘で起きた外国人男性と日本人女性の心中事件…海岸沿いの村の住民が一夜にして忽然と消えた失踪事件…そして同宿の女性の突然の記憶喪失…この山陰の寒村に何かが起きている。

Meg(1998年)

Meg 原作:スティーヴ・オルテン(青春アドベンチャー)
ジョナス・テイラーは三流大学に勤める古生物学者である。6年前までは実力ナンバーワンの深海潜行艇操縦士として名を馳せていたが、ある事故がきっかけで名声を失い、今は酒浸りの日々。大学の公開講座で、暇をもてあました老人相手に10万年前に絶滅した古代鮫「カルカロドン・メガロドン」の講義を淡々とこなしているが、その日はいつもと少し違った。場違いに若く美しい東洋系の女性が熱意もあらわに彼の講義を聴いていたのだ。その女性テリー・タナカと彼女の祖父マサオ・タナカと出会ったジョナスは、自らのカムバックを賭けて再び深海潜行艇の操縦桿を握ることになる。そしてそれは6年前に彼を今の境遇に追い込んだカルカロドン・メガロドン=Meg(メグ)との戦いの始まりでもあった。

海賊モア船長の遍歴(1999年)

海賊モア船長の遍歴 原作:多島斗志之(青春アドベンチャー)
大航海時代のインド洋。そこは、イギリスとオランダ、そして東インド会社とムガール帝国の貿易船・軍船が縦横に行き交う、一大フロンティアだった。イギリス人ジェームズ・モアは、東インド会社の貿易船で航海士を務める優秀な水夫だったが、海賊との内通を疑われて船を追われ、ようやく帰った母国では妻を亡くし、失意のどん底にあった。そんなモアを再び海に誘ったのは昔なじみの水夫“大樽”。彼の乗り組む海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」へ水夫として乗り込むことにしたのだ。しかし、一大決心をして乗り込んだ「アドヴェンチャー・ギャレー」は、何と最初の獲物すら捕らえないうちに海賊船への転身を余儀なくされてしまう。海賊との内通を疑われて転落した人生。再起をかけて乗った船で、本当の海賊になってしまうという皮肉。モアは自分の人生に戸惑いつつも、仲間たちと共に生き残るために必死の行動を始める。これは300年前のインド洋で数奇な運命をたどった一人の水夫の物語である。

垂直の記憶(2006年)

垂直の記憶 原作:山野井泰史(青春アドベンチャー)
怪我で野球を諦めて以来、何事にも関心が持てないでいた高校生の翔太は、初めて行った奥多摩の岩壁で、山野井泰史に出会った。確かなホールド、流れるようなムーブ。山野井の重力を感じさせないクライミングに驚嘆する翔太だが、登山の専門誌を読み、山野井が世界的なソロクライマーであることを知る。単独クライミングという山野井の登山方法に魅了された翔太は、山野井の著書「垂直の記憶」を手に取り、翌週、再び奥多摩へと出かけるが…

冒険(秘境漂流)

人跡未踏の秘境への探検又は漂流等のサバイバルを扱った作品です。
時代設定が古くても上記に該当すればこちらに入れています。

格付:AAA・AAA-

おろしや国酔夢譚(1987年)

おろしや国酔夢譚 原作:井上靖(アドベンチャーロード)
江戸時代中期の天明2年。千石船・神昌丸は、船長(ふなおさ)大黒屋光太夫を始めとした17人の船員を乗せて伊勢の白子を出帆した。しかし、江戸に向かう途中で嵐に遭い舵を失い、8カ月にも及ぶ苦難の漂流をすることになる。そしてようやく漂着した陸地も、遙か北方のロシアの孤島であった。絶望的な状況のもと、懸命に日本へ帰る方策を探る光太夫達だが、運命は彼らに更なる流転を要求する。カムチャッカ、ヤクーツク、イルクーツク、そして帝都ペテルブルグ。鎖国の時代に、不屈の闘志で広大なロシアを横断した大黒屋光太夫の数奇な運命を追う。

バスパニック(2008年)

バスパニック 作:塚本隆文(青春アドベンチャー)
豊郷高校3年の時任亜加里(ときとう・あかり)は新聞部の部長だ。亜加里の高校生活最後の夏休みのプランはもう決まっている。前半は宮崎県大会を戦う野球部の特集記事を作り、後半は東京に遊びに行くのだ。しかし、部員わずか13人の弱小野球部が奇跡の甲子園初出場を決めたことにより、亜加里の夏休みプランは大幅な修正を余儀なくされてしまう。渋々、東京行きを諦めて「甲子園特集記事」の取材を始める亜加里。甲子園へも応援に行くことが決まり、商店会の応援バスに同乗することになる。しかし、亜加里はこの甲子園へと向かうバスの中で、想像もできなかった事態に遭遇してしまうのだ。

格付:AA+・AA・AA-

世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット(1987年)

世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット 原作:チェリー・ガラード、本田勝一(アドベンチャーロード)
1911年1月、南極大陸にふたりの男が上陸する。一人は大英帝国の誇る優秀な海軍軍人ロバート・ファルコン・スコット。もう一人はアルゼンチン出身の熟練した探検家ローアル・アムンゼン。国家の威信と男の夢をかけたふたりの大冒険レースが始まる。進むは人跡未踏の大地・南極大陸、目指すは人類史上初の南極点への到達。世界一過酷な旅の果てにふたりを待ち受ける運命は、栄光か失敗か。

ロスト・ワールド(1997年)

ロスト・ワールド 原作:アーサー・コナン・ドイル(青春アドベンチャー)
新聞記者エドワード・マローンは焦っていた。恋人のグラディスに求婚したが、グラディスは大きな事をやり遂げた名のある人物としか結婚したくないという。とにかく大きな事件を扱いたい。部長に直談判したマローンが得た指示はチャレンジャー教授なる奇妙な老人のもとへ赴くことだった。チャレンジャー教授は先年、アマゾンを旅行した際に何かとんでも場所ととんでもない生き物を見つけたようなのだ。血気に逸るマローンと、自分の発見を世間に認めさせたい暴走老人チャレンジャー教授、そしてチャレンジャー教授と犬猿の仲のサマリー教授、そして冒険家のロックストン卿の一行は、アマゾン奥地にある「進化から取り残された失われた世界」へと冒険の歩を進める。

渚にて(2004年)

渚にて 原作:久世光彦(青春アドベンチャー)
中学2年生から高校1年生までの少年少女を乗せたクルージング・スクール。彼らが乗り込んだ船は、カリブ海の島々を巡り、順調に帰国の途にあったのだが、急な暴風雨に見舞われ座礁してしまう。救命ボートに乗りあわせた、冬馬、カスミ、宗近、黒木、金原の5人は何とか嵐の海を乗り切り、漂流の末、無人島とおぼしき島に辿り着く。この島で、5人にどのような運命が待ち構えているのか。

歴史時代(日本)

概ね近世(江戸時代)までの日本を時代を舞台とした冒険作品です。
超常要素がある場合は「幻想系」の中の「伝奇」に分類しています。

格付:AAA・AAA-

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組(2018年)

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)
藩が用意した支度金はわずか200両。火消組は維持するだけで年間1000両はかかる。しかも、実際に消火作業を行う鳶(とび)は定員を遙かに割り、補佐役は経験皆無の若造のみ。火消に欠くことのできない七つ道具すら満足に揃っていない。そんな新庄藩・火消組をわずか200両で再建せよと?「火喰鳥」と呼ばれ、江戸一番の火消と持て囃されたのは昔のこと。今の俺にそれができるだろうか。いや、もう一度、向き合うと決めたのだ。だからこそ、家老の前でこう宣言する。「火消として必ずや名を上げて見せましょう。2年、いえ1年と半で結構。ただし…」条件はただひとつ。「拙者のやりように一切の口出し無用に願います。」

夜哭烏 羽州ぼろ鳶組(2019年)

夜哭烏 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)
どうなっているんだ。また太鼓が鳴らない。定火消が太鼓を打たないと、町火消は半鐘を鳴らすことができない。それが天下の定法。だから、最寄りの定火消・諏訪主殿頭さまが太鼓を鳴らさないとまともな消火活動はできやしない。しかし火は勢いを増している。一刻も早く消火を始めないと大変なことになってしまう。どうしたらいい? お頭不在の新庄藩・火消組に今、何ができる? 何が…「なにを遊んでやがる!」お頭!いつ戻られたので!?心細かったんですよ、すぐに指示を!われわれは今、何をすればいいのですか?「諏訪主殿頭どのは寝過ごしたらしい。」え?「新庄藩火消、起床の介添えを致す。」え?え?「構わねえから、門をぶっ壊せ!」

菩薩花 羽州ぼろ鳶組(2021年)

菩薩花 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)
安永2年江戸火消番附、西の前頭三枚目・柊与市(ひいらぎ・よいち)。名関脇と言われた祖父・柊古仙(ひいらぎ・こせん)と比較されると分が悪いが、前頭三枚目は悪い番付じゃあねえ。若干14歳で仁正寺藩火消組の頭取になってから10年、必死に人を救ってきた証。俺にとっては実力を認めている頼もしい後輩だ。それがなぜ急に「大物喰い」なんか始めやがった…火消番附、西の関脇・進藤内記(しんどう・ないき)。孤児たちを世話し、縁付けあるいは火消として育てる。そして、火事場で人を救うために火消が命を危険にさらすことを厭わない。そんな奴を世間は「菩薩」と呼び、絶大な人気を得ている。俺にとっては同期ともいうべき存在だが、部下を使いつぶすやり方は気に入らねえし、その部下たちの奴への心酔ぶりは異常だ。うさん臭え。何かある。火消番附など所詮はお遊び。大切なのは一人も死なせねえこと、自分たちも含めて、だ。それがわからねえのか。それとも番附には人を狂わす魔力があるとでもいうのか。

襲大鳳 羽州ぼろ鳶組(2024年)

襲大鳳 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)
親父は冴えない火消だった。二つ名は「鉄鯢(てつけい)」。「鉄」で「鯢(さんしょううお)」だなんて鈍くさい親父にお似合いだ。それに引き換え、あの人、伊神甚兵衛様はまぶしかった。「大物喰い」「鳳(おおとり)」「日ノ本一の火消」。初めは大げさと思われた「炎聖」の称号でさえもやがて誰もが相応しいと認めるようになった。それなのに最後の最後、救ったのは親父、救われたのは伊神様だった。火付犯に堕ちた伊神様の心を救い、業火の中、最後まで命を救うことを諦めなかった親父。「火消はどんな命でも救う。」「己より優れた火消がいれば任す。」ふたりの死後、頭になった自分の口から出るセリフはいつしか親父と寸分たがわぬものになっていた。しかし、今また起こる怪火。そして死んだはずの伊神様の影。伊神様は生きているのか、そして再び復讐を始めたというのか。だとしたら親父の犠牲は何だったのか。いや、俺は親父を信じる。伊神様を信じる。人の強さを信じる。親父の最期の言葉はこうだったではないか。「人の強さは人の弱さを知ることだ。それを喰らって人は強くなる。行け源吾、決して諦めるな。」

格付:AA+・AA・AA-

カムイの剣(1984年)

カムイの剣 原作:矢野徹(FMアドベンチャー)
幕末の蝦夷。忍びの者・次郎は、孤児の自分を育ててくれた幕府直轄隠密集団の首領・天海こそが、親を殺した張本人であるということを知ってしまう。捨てられたときに持っていた日月螺鈿(じつげつらでん)のアイヌの宝剣「カムイの剣」だけを持って天海のもとを出奔する次郎。だが、実は天海が敢えて次郎を手元に置いていたのは、次郎の父・太郎左(たろうざ)が隠していた秘密をわが物とするためだった。そのため、すぐに天海は追手を差し向けるのだが。

肥後の石工(1987年)

肥後の石工 原作:今西祐行(アドベンチャーロード)
天保10年(1839年)秋深く。石工頭、岩永三五郎は薩摩藩に依頼された石橋を無事に完成させ、故郷・肥後への帰途にあった。しかし、事件は工事が終わってから始まった。ひたひたと追跡してくる怪しい影。自分は命を狙われているのか。心当たりは…ある。完成させた橋には中央の石をひとつ取り外すだけで簡単に崩壊させることができる特殊な仕掛けを施してある。当然、戦になった場合を想定してのものだ。追っ手を差し向けたのは秘密を守りたい薩摩藩か。死にたくない。しかし道を外れ山を越えて一安心したのもつかの間、追跡してきた侍は大胆にも直接、宿の部屋に三五郎を訪ねてきた。覚悟を決めるしかないのか。

尾張春風伝(2007年)

尾張春風伝 原作:清水義範(青春アドベンチャー)
江戸幕府中興の祖と讃えられる八代将軍・徳川吉宗に敢然と逆らった男がいた。男の名は尾張藩主・徳川宗春。質素倹約を旨とし農本主義を貫く吉宗に対して、「尾張に極楽を作ってみせる」と啖呵を切って重商主義を推し進める宗春。閉塞感に閉ざされた“享保の改革”の世において、積極財政と規制緩和により庶民の喝さいを浴びた宗春の、春の風のような爽やかな生きざまを描く。

蜩ノ記(2012年)

蜩ノ記 原作:葉室麟(青春アドベンチャー)
城内で刃傷沙汰を起こしてしまった庄三郎は、切腹を許される代わりに、家老から戸田秋谷(しゅうこく)の手伝いをするように命じられる。秋谷は藩の歴史を記す「家譜」(かふ)を編纂するために必要な期間だけ切腹を猶予されている男であり、庄三郎に課せられた真の任務は秋谷の監視であった。しかし秋谷と身近に接し、その人となりの清廉さ、見識の高さを知った庄三郎は疑問を持ち始める。秋谷は切腹せねばならない如何なる罪を犯したというのか…なぜ家老は秋谷とその仕事である家譜編纂に警戒を示すのか…

武揚伝(2018年)

武揚伝 原作:佐々木譲(青春アドベンチャー)
榎本釜次郎武揚(ぶよう/たけあき)がオランダ留学から戻ったのは1867年(慶応3年)。少禄とはいえ武士の子である武揚がエンジニアを目指したのは、この国難の時代、日本には100の議論を重ねるより100人の技師が必要だと思ったからだ。しかし、幕府発注の最新鋭艦・開陽丸(かいようまる)を操船して帰国した武揚を待っていたのは、予想を超えて急転していく時代の流れだった。最新鋭の軍艦という確固たる武力を掌握する武揚。ゆえに、時代は彼を徳川家に忠実な一技師であることを許さない。阿波沖海戦、江戸脱走、奥羽越列藩同盟への参加、そして函館戦争。流転の幕臣が遂にたどり着いたのは、衆議で国のあり方を決める「共和国」というひとつの夢であった。

鬼煙管 羽州ぼろ鳶組(2019年)

鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)
火喰鳥、西へ!未だ小規模ながら、その懸命さと命を救う情熱を江戸の民から認められた「ぼろ鳶組」と松永源吾。しかし、請われて赴いた京の都で源吾を待っていたのは、前例のない怪事件、気心の通じない相棒、遅々として進まない探索、そして京雀たちの冷たい視線だった。頼もしい部下を江戸に残し翼をもがれたも同然の「火喰鳥」。しかし命をあきらめることはできない。だから彼は叫ぶ。「火消は人の命を見捨てねえ。最後の最後まで諦めはしねえ!」

夢胡蝶~羽州ぼろ鳶組(2022年)

夢胡蝶~羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)
目を覚ますと隣に女が寝ていた。あぁ、なんでこうなっちまうのかねえ。姐さんにまた怒られちまう。組のみなは俺のことを女好きというがそんなことはねえ。女の頼みを断れねえだけだ。…半鐘の音が聞こえる。場所は吉原か。火事なら駆けつけるしかねえ、俺は火消だからな。私にとってここは苦界。父や母に会いたかった…上野の桜が見たかった…評判の小諸屋さんのお蕎麦が食べたかった…世の女たちが囃し立てる火消の活躍が見たかった…そして、みんなと同じような恋がしたかった…見た目は煌びやかでも吉原では何一つ願いはかなわない。でも、炎に包まれる妓楼に突然現れたその男はこういった。「その願い、全部俺が叶える。だから生きろ。」

玉麒麟 羽州ぼろ鳶組(2023年)

玉麒麟 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)
「あーあ、また深雪さまにしかられてしまう」頭取の愛妻の能面のような顔を思い浮かべ鳥越新之助は苦笑した。しかしつぶやくや否や、新之助の心中に浮かんだ深雪の顔は笑顔に変わった。「新之助さんがそんなことをするはずがないですよ」そう、組のみなは決して私のことを疑わないだろう。お頭も、先生も、武蔵さんも、寅次郎さんも、彦弥さんも、みな力になってくれるだろう。それでも…今は逃げなければならない。小さな命と真実を守るために。江戸の全てを敵にまわしたとしても。

歴史時代(海外)

概ね近世までの歴史もので海外が舞台のものです。
日本人が主人公でも舞台が海外であればこちらに入れています。

格付:AAA・AAA-

ジャガーになった男(2001年)

ジャガーになった男 原作:佐藤賢一(青春アドベンチャー)
既に戦国の世は終わっていた。しかし寅吉は諦め切れない。武士として生きる。剣で自分が生きた証を残す。仙台伊達藩の武士・斉藤小平太寅吉は遣欧使節の一員として欧州に渡る。辿り着いたスペインで、寅吉はスペインの「武士」イダルゴ達と出会う。遣欧使節を出奔し、イダルゴ達とともに奥州ならぬ欧州で戦いに生きる寅吉、いや名前を改めミゲル・トラキチ・サイトウ・アッチラ。転戦の末、トラキチの戦いは意外な結末を迎える。17世紀の世界を駆け抜けた奥州武士・寅吉の数奇な運命を描く。

また、桜の国で(2017年)

また、桜の国で 原作:須賀しのぶ(青春アドベンチャー)
中学を卒業後に外務省の留学生試験に合格してから早10年。1938年、日本の外務書記生・棚倉慎(たなくら・まこと)はベルリンからワルシャワへと向かう列車の車上にいた。先の大戦で傷つき、疲れ果てた欧州。欧州中のすべての人々が平和を渇望しているはずだった。しかしこのポーランドを覆う暗い影は何なのだ。歴史上幾度も他国に侵略され国土を失ってきたポーランドはまた何かに怯えているかのようだ。何かとは?それは領土的な野心を隠そうとしない隣国・ナチスドイツなのか。それとも平和のためなら小国の滅亡にすら目をつぶろうという大国の無関心なのか。いくつもの価値観の間で押しつぶされるポーランドの人々。自身、日本とロシアという二つのアイデンティティの狭間に立つ慎は、この踏みにじられ、引き裂かれた国で何を目にするのか。

ハプスブルクの宝剣(2020年)

ハプスブルクの宝剣 原作:藤本ひとみ(青春アドベンチャー)
1732年6月、フランクフルトのユダヤ人居住区。医者となってパドヴァの大学から帰郷したエリヤーフーを待っていたのは、壁の中に閉じこもる同胞・ユダヤ人からの非難の視線だった。非ユダヤ人との融和を願って翻訳したドイツ語訳の律法(ユダヤ教の聖典)がラビの逆鱗に触れたのだ。そして壁の外でも世界は彼を追いつめる。名家の娘アーデルハイトと恋に落ちたエリヤーフーはその代償として左目と命を失うことになる。そう、ユダヤ人・エリヤーフー・ロートシルトは死んだ。神聖ローマ帝国の継承者マリア・テレジアが出会った男は、ユダヤ人の医者ではなく、エドゥアルト・アンドレアス・フォン・オーソヴィルという片目の伯爵。彼女の夫であるロートリンゲン公フランツの家臣。

格付:AA+・AA・AA-

マドモアゼル・モーツァルト(1992年)

マドモアゼル・モーツァルト 原作:福山庸治(青春アドベンチャー)
高校で音楽教師をしている裕子のもとに、先輩の勤が、200年前のアメリカで音楽教師をしていたエリザベスという女性が書いたというオペラの譜面を持って現れた。オペラのタイトルは「マドモアゼル・モーツァルト」。それは、モーツァルトが女性であったという驚くべき物語だった。少女エリーザはなぜウォルフガング・アマデウス・モーツァルトと名乗ることとなるのか、どのような気持ちで音楽を作り、そしてどのような恋をしたのか。物語はこのオペラで語られている彼女の人生へと移っていく。

ブルボンの封印(1993年)

ブルボンの封印 原作:藤本ひとみ(青春アドベンチャー)
17世紀のフランス。太陽王と呼ばれたルイ14世のもと、フランスは絶対王政の絶頂期を迎えた。しかし、その太陽王の若き日には、世に知られない陰謀劇が繰り広げられていた。事件は1643年5月3日に、宰相マザランがひとりの嬰児を拾ったことから始まる。もしこの時、マザランがこの女の子を拾わなければ、歴史の流れは大きく変わっていたかも知れない。この物語は、マリエールとマノンという2人の少女、そしてルイとジェームズという2人の男を巡る、数奇な運命の物語である。

赤と黒(第二部)(2004年)

赤と黒(第二部) 原作:スタンダール(青春アドベンチャー)
19世紀のフランス。学問での立身出世を目論む平民出身の青年ジュリアン・ソレルは、恩師ピラール神父の取り計らいにより、フランスを代表する大貴族ラ・モール侯爵の秘書となる。金持ち達を征服すべき対象として嫌悪しながら、華やかな社交界にも馴染んでいくジュリアン。ラ・モール侯爵の信頼も得て順風満帆と思えたが、侯爵の娘マチルドと親しくなったことにより、再び波乱が起き始める。

プラハの春(2006年)

プラハの春 原作:春江一也(青春アドベンチャー)
1967年、チェコスロバキア社会主義共和国。在チェコスロバキア日本大使館に勤務する27歳の若き外交官・堀江亮介は、休暇で赴いたウィーンからプラハに戻る途中の路上で、カテリーナとシルビアという東ドイツ人の母娘と出会う。折しも「プラハの春」と呼ばれることになる改革運動の最中にあったチェコスロバキアで、西側・東側という政治的立場を越えて、惹かれあっていく亮介とカテリーナ。しかしやがて、国内の改革派の勢いは急拡大し、東側諸国はチェコスロバキアの改革を危険視し始める。そして、歴史の歯車は、ふたりの運命をも巻き込んでいくのであった。後の世に「プラハの春」と呼ばれることになる民主化運動の隆盛と挫折を、若き外交官の愛と別離を交えて描く。

スカラムーシュ(2009年)

スカラムーシュ 原作:ラファエル・サバティーニ(青春アドベンチャー)
フランス革命前夜。大貴族ラ・トゥール・ダジル侯爵に親友を殺された青年弁護士アンドレ・ルイ・モローは、侯爵に対する復讐を誓う。しかし、折からの革命騒ぎに巻き込まれた結果、騒乱罪の汚名を着せられ、追われる身となってしまった。恋と芝居と革命と剣とともに、変転の日々を送るアンドレ。一方、ダジル侯爵の運命もまた、フランス革命により様々に変転していき、やがてふたりは直接対決の時を迎えることになる。貴族に育てられた身でありながら民衆の側に立ったアンドレ。しかし、同時にアンドレは貴族社会とのしがらみを完全に捨て去ることもできない。「僕はお芝居でいえばヒーローでもヒールでもない。スカラムーシュなのです。いざという時には逃げ腰になる道化役スカラムーシュ。でも実は策略家で、敵に隙があれば反撃に転じることもあるスカラムーシュなのです。」

1492年のマリア(2016年)

1492年のマリア 原作:西垣通(青春アドベンチャー)
1492年。レコンキスタ完遂に沸き立つスペインでは、力と恐怖で異教徒に改宗を迫る動きが広がっていた。港町セビリアに住むアロンソ・デ・トーラスは冒険を夢見る若き航海士。しかし、ユダヤ人を祖先に持つ改宗キリスト教徒という自らの出自を思うと、スペインを覆う不穏な雰囲気に神経質にならざるを得ない。そんなある日、アロンソは、尊敬する船乗りクリストバル・コロンから、100年以上前のマジョルカ島の宗教家ルルスの思想を教えられる。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教が共存した当時のマジョルカ島で、異教徒の文化に配慮した融和的な伝道を志したルルスの教えが胸に響いたアロンソは、伝道と冒険航海の両立こそが自らの生涯と信じ、コロンの西回りインド航路開拓に同行することを決意する。しかし、アロンソの冒険の旅の前には大きな障害が立ちはだかるのだった。

帝冠の恋(2017年)

帝冠の恋 原作:須賀しのぶ(青春アドベンチャー)
貴族の令嬢の夢など他愛もないものだ。「私の夢は、世界一素敵な王子さまと結婚して、世界一美しい宮殿で夢のような暮らしをすること。」でも、現実には、そんなものは存在しない。だとしたら、自分の手で作ってみせる。そう、私は「オーストリア」と結婚するためにやってきた。19世紀初頭。ハプスブルク帝国の世継ぎとされるカール大公のもとに、南ドイツの新興国・バイエルン王国から一人の王女が嫁いできた。彼女の名はゾフィー。人々は彼女の美しさを賞賛したが、彼女は美しいだけの女性ではなかった。彼女の中には強い決心と覚悟が隠されていたのだ。

アクション(国内)

遠い世界への冒険よりアクション等を重視した作品で、舞台が日本国内のものです。
日本人作家の原作作品が主となります。

格付:AAA・AAA-

ドラゴン・ジェット・ファイター(1989年)

ドラゴン・ジェット・ファイター 原作:白木正四郎(アドベンチャーロード)
「これから私が話すことは、友人家族を含む一切のanother peopleに対して…」「Top seacret matter?! ジェイソン中佐、私の初めての休暇中なんですよ!」「これはペンタゴンの命令なのよ。従ってあなたの休暇はすべてcancel。」「なんてこったい! どんな内容ですか。」「これを読んで。」「『リディアの化身がバビロンの塔に上る。キアシシギの群れが飛び立つ日に、大いなるケルト人が…』 何ですか、これは?」「送られてきたのは三日前。発信地はテルアビブ空港で、差出人は不明。All saint nightの日…」「その日に何が起こるんだ。」「当局の一致した見解よ。最新型の戦闘機以上のパワーを持つものがハロウィンの日にバビロンの塔に向かってやってくるわ。」「それは… 戦闘爆撃機!?」

格付:AA+・AA・AA-

怪人二十面相・伝(1992年)

北村想の怪人二十面相・伝 (青春アドベンチャー)
昭和20年、太平洋戦争終戦。敗戦、闇市、浮浪児、特攻隊崩れ。東京は混乱の最中にあったが、それでも庶民はたくましく生きていた。そして終戦とともに彼も戻ってきた。彼、そう、戦争へと向かっていた暗い時代に、肥え太る金持ちを狙って大胆な盗みを何度も成功させ、世間をアッと言わせた世紀の大怪盗。名探偵・明智小五郎と何度も大立ち回りを演じて世間の喝采を浴びた希代の怪人。国立博物館の上空で爆発する気球とともに消息を絶った怪人二十面相が東京に帰ってきたのだ。しかし東京の庶民達は知らない。復活した二十面相は、二十面相であっても戦前の二十面相ではないことを。師匠の思いを継ぐための遠藤平吉の冒険が始まったのだということを。

金春屋ゴメス(2006年)

金春屋ゴメス 原作:西條奈加(青春アドベンチャー)
21世紀初頭、北関東に金持ちが道楽でつくった老人タウン。それが全ての始まりだった。江戸時代を模したその街はロハスな風潮を受けて急速に人気が高まり、21世紀中頃には人口700万人を要する独立国「江戸国」として日本から独立を果たしてしまった。人々が江戸時代と同じ文化・風俗で暮らす江戸国はまた、江戸時代と同様に鎖国を続けている国でもあった。そのため、隣国日本からでさえも、江戸国へ入国するのは容易なことではない。しかし、日本の大学生・辰次郎(しんじろう)は1回の申請であっさりと入国を許可される。辰次郎の入国の目的は、余命幾ばくもない父の代わりに父の思い出の地に行くこと。辰次郎の父は以前、江戸国に住んでいたことがあるのだ。しかし江戸国に入国した辰次郎は自分自身も江戸国の生まれであることを知る。実は辰次郎には小学校入学以前の記憶が全くないのだ。辰次郎にはなぜ記憶がないのか...そもそもなぜこんなに容易に江戸国に入国できたのか...辰次郎の江戸入りには辰次郎自身も知らない真の目的があったのだ。

人喰い大熊と火縄銃の少女(2015年)

人喰い大熊と火縄銃の少女 作:オカモト國ヒコ(青春アドベンチャー)
自分はなぜ、あの少女を助けたいと思ったのだろう。流れ流れて辿り着いた最果ての寒村。ボロ小屋の前で、全身から声を引き絞るようにして叫んでいたあの少女を。「お願いします。あの熊を撃ち殺して欲しいんです。」そう、彼女は、熊に全滅させられた村の唯一の生き残りだった。彼女とともに熊を追った男は自分のほかに3人。武士として死ぬことができなかった巡査、変わり者だと村中から蔑まれていた熊撃ちの達人、混血ゆえに自分の存在意義を証明しなればいけなかった「森の民」の少年。確かに少女と3人の男たちには、あの怪物を追わねばならない理由があった。しかしチンピラで部外者の自分は彼らとは違う。そんな義理はない。あんな怪物と戦わなければいけない理由はなかった。いや、自分は本当に彼らとは違うのか。そうか、自分を含めてこの5人はみな世間からつまはじきにされた流れ者だったのかも知れない。

滅びの前のシャングリラ(2022年)

滅びの前のシャングリラ 原作:凪良ゆう(青春アドベンチャー)
ネットニュースで拡散された情報「1カ月後、小惑星が地球に衝突し、人類は滅亡する」。米国政府がこれを首肯したことにより世界は大混乱に陥った。東京でもすぐにそうなるだろう。そんな中、スクールカースト最底辺の高校生・友樹は広島から旅立つことを決めた。東京へ向かうクラスメート雪絵を守るためだ。母、静香は友樹に包丁を渡しながら言う「殺されるくらいなら殺してでも生き延びろ。惚れた女は命がけで守れ。それで絶対にあたしのところに戻ってこい」。自分の人生の期限を定められたときに人はどう生きるのか。日常生活を保つのか、日常生活では満たせなかった欲望に溺れるのか。理性を保ち続けるのか、獣性をむき出しにするのか。友樹と、彼と同様に不器用な人生を生きてきた4人の最後の1カ月が始まる。

アクション(海外)

遠い世界への冒険よりアクション等を重視した作品のうち舞台が主に海外のものです。
外国人作家の原作作品が主と思ったら…そうでもないですね。

格付:AAA・AAA-

血と黄金(1984年)

血と黄金 原作:田中光二(FMアドベンチャー)
テレビ番組の打ち上げの席で、テレビレポーター・風早真希は、映画プロデューサー・葛木鉄太郎から声を掛けられる。若くして映画界に旋風を巻き起こしていた葛木は、メキシコの麻薬事情を報じた真希のレポートに感動したという。確かに、ある事情から、あのレポートは真希にとっても特別に力の籠ったものだった。そして葛木は真希にある提案をする。世界最大の麻薬密造地帯である「黄金の三角地帯」。すなわちタイ、ビルマ、ラオス国境の山岳地帯における麻薬生産の実態をリポートするロケに同行して欲しいというのだ…

山猫の夏(1985年)

山猫の夏 原作:船戸与一(アドベンチャーロード)
山猫がやって来たあの夜のことだけは忘れはすまい。1982年11月19日、おれの働くレストラン「蜘蛛の巣」の奥のバー。完璧なブラジル語を話す、その野獣のような日本人はいきなり金を渡し言い放ったのだ。「今から俺はお前を雇う。」なんで俺なんだ?「俺にはブラジル人のわからねえ言葉を使える奴が必要なんだ。それも若くて希望のねえやつがな。」山猫のような男を見るのは初めてだったし、あんな人物が存在することさえ、俺には信じられなかったのだ。

A-10奪還チーム出動せよ(1987年)

A-10奪還チーム出動せよ 原作:スティーブン・L・トンプスン(アドベンチャーロード)
発 在ポツダム米国軍事連絡部宛 各米国空軍基地各基地人事担当者に伝えられたし。至急、自動車の運転に練達した職業軍人を求む。条件は、ロシア語とドイツ語に堪能なこと。任地は、ドイツ民主共和国内ポツダム軍事連絡部。任務は、東ドイツ政府の不法な干渉によって東ドイツ国内に撃墜又は強制着陸をさせられた当軍の航空機及びパイロットを、東ドイツ政府の手に落ちる前に回収すること。なお、回収に当たっては東ドイツ人民警察及び東ドイツ駐留ソビエト連邦軍による武力妨害が予想される。本任務の遂行には大きな危険を伴うことを承知せられたい。

カルパチア綺想曲(1994年)

カルパチア綺想曲 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)
1898年、ロンドン。ジョー・アッテンボローは「ロンドン絵入新聞」で駆け出しの新聞記者をしている17歳の女の子だ。父親の元英国下院議員ジェラード・アッテンボローは、選挙に落選した後、見聞を広めると称して、ジョーを放り出して外国に出かけてしまった。ジョーは父親の所業に呆れつつも、一流のジャーナリストになることを夢見て、毎日、ゴシップ記事の取材に駆け回っている。ある日、放蕩親父のジェラードが、突然、女連れで帰国してきた。伊達と酔狂で生きているような父親に反発するジョー。しかし、続いてハンガリーの大貴族・ヴルム伯爵の息子、イオンがジェラードを尋ねてやってくる。ハンガリー独立運動の旗手であるヴルム伯爵がオーストリア・ハンガリー二重帝国に幽閉されてしまったというのだ。これがジョーの大冒険の幕開けであった。

BANANA・FISH パート3(1995年)

BANANA・FISH パート3 原作:吉田秋生(青春アドベンチャー)
コルシカマフィアのボス、ディノ・ゴルツィネが企んでいたのは、新種の幻覚剤バナナフィッシュによる裏社会、そして合衆国の支配だった。ただひとり、ゴルツィネに逆らったストリートキッズのボス、アッシュ・リンクスも、唯一の信頼する友人・奥村英二を人質に取られ、ジャーナリスト・マックスが公表しようとしていたすべての情報とバナナフィッシュの産みの親ドーソン博士、そして何より彼自身の身柄をゴルツィネに引き渡さざるを得なくなってしまった。何度もアッシュに煮え湯を飲まされてきたゴルツィネは今度は決してアッシュを逃がさないだろう。そしてアッシュに立ちはだかる最強のふたりの敵。遂に訪れたアッシュ最大の危機。しかし、絶望的な状況からアッシュと仲間たちの反撃が始まる。

鷲は舞い降りた(2020年)

鷲は舞い降りた 原作:ジャック・ヒギンズ(青春アドベンチャー)
全員、掛け値なしに勇者といってよい。しかし、マルタ、レニングラード、スターリングラード、そしてチャンネル諸島。英雄としてあるいは反逆者として転戦するうちに300人いた部隊は15人にまで減ってしまった。このまま懲罰部隊にいれば全滅も時間の問題だ。だからといって、何だこの馬鹿げた作戦は。イギリス本土に空挺降下しチャーチル首相を誘拐する?こんなことが実行可能だとは思えない、いや仮に実行できたとしてどんな意味があるというのだ。馬鹿馬鹿しい。馬鹿馬鹿しい…が、われわれはこの作戦を推進せざる得ない。第三帝国の栄光を守るためではなく、大切な家族と得難い戦友を守るために。

格付:AA+・AA・AA-

謀殺の弾丸特急(1987年)

謀殺の弾丸特急 原作:山田正紀(アドベンチャーロード)
1987年2月、東南アジアの小国アンダカムの首都プノンダンを1本の列車が旅立つ。列車をひくのは“貴婦人”と呼ばれる汽車C57。二等客車がなく一等客車と5両の貨車だけの異様な編成のその列車は、プノンダンからタイへと向かう日本人の観光客向けの特別列車だった。この列車に乗り込むのは、ツアーコンダクター吉岡晶子のほか、6人のツアー客。恋人であるアンダカム陸軍のティヴ大佐との別れを予感していた晶子にとっては、今回は特別の気持ちで迎えた出国だった。しかし、列車が乗せていたものはこのツアー一行の7人だけではなかった。及川という名の現地ホテルに勤めていた日本人、そしてアンダカムの政権を揺るがす、ある重要物件が撮影されたフィルム...国家機密を巡る陰謀に巻き込まれた素人の日本人8人。国軍やゲリラを相手にした決死の逃避行が始まる。

暗殺のソロ(1989年)

暗殺のソロ 原作:ジャック・ヒギンズ(アドベンチャーロード)
「謎のクレタ人」それがヨーロッパを震撼させる正体不明の暗殺者の呼び名だ。特徴は言葉に強いクレタ訛りがあること、そして暗殺対象以外は決して殺さないこと。だから、その日、ロンドンで「仕事」のあとに14歳の少女を車ではねて殺してしまったのは、彼にとってはあくまで誤算だった。そして誤算は他にもあった。殺された少女の父親は娘を深く愛していたこと、そしてその父親は偶然にもSAS(イギリス陸軍の対テロ特殊部隊)の腕利きの工作員であったこと。こうしてモーガン大佐の謎のクレタ人との闘いが始まった。

女王陛下のアルバイト探偵(1989年)

女王陛下のアルバイト探偵 原作:大沢在昌(アドベンチャーロード)
私立探偵・冴木涼介のもとに、“国家権力”こと、内閣査察室の副室長・島津が現れる。東南アジアの小国ライールの王女ミオが日本に留学することになり、お忍びで下見にやってくるというのだ。日本政府は、ライール政府との外交関係上の理由から公式にはミオ王女の護衛ができない。そのため、島津はミオ王女の護衛を旧知の冴木に依頼することにしたのである。この依頼を受けた冴木は、護衛としてミオ王女と同年配の息子・隆(りゅう)を付ける。しかし、実は王位継承を巡る争いの渦中にあったミオには敵が多く、次々を暗殺の魔の手が伸びる。日本からライールへ。ミオを守るための冴木親子の戦いが始まる。

BANANA FISH(1994年)

BANANA・FISH 原作:吉田秋生(青春アドベンチャー)
ニューヨークはブロンクス。謎の自殺を遂げた男が最後に言い残した「バナナ・フィッシュ…」という言葉を聞き、ストリートキッズのボスであるアッシュは愕然とした。その言葉は、ベトナム戦争中にヤク中毒になり、今も正気が戻らない兄・グリフィンが発した唯一の言葉と同じだったからだ。一体「バナナフィッシュ」とは何を意味するのか。人の名前か、物の名前か。いくつもの組織が「バナナフィッシュ」を巡り血みどろの争いを繰り広げていくこと、そしてその欲望と陰謀が渦巻く争いに自分もまた巻き込まれていくことを、この時のアッシュはまだ知らない。




■冒険系以外のジャンルの高格付け作品の一覧は以下からご覧ください。

当ブログで高格付けをつけたラジオドラマの一覧
この記事は当ブログで作品を紹介する際に高格付けを付した作品の一覧です。ジャンルごとに整理してみました。もとより私個人の感想にすぎないので、皆様の評価と違う場合も多々あろうかと思います。趣味の違いとお考えいただき、ご容赦いただけましたら幸いです。なお、私個人の評価ではなくリスナーの皆様の評価ということであれば、歴代ベスト作品アンケートの投票結果、年ごとのアンケートの投票結果、当ブログのページビュー数の順位などをご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました