【特集:青アド・ポーカー44】アニメ「銀河英雄伝説」に出演した声優さんつながり(自由惑星同盟及びその他勢力編)
アニメ銀河英雄伝説(石黒昇版、Die Neue These)の声優さんが出演されているNHK-FMのオーディオドラマを紹介する第2弾。
第2弾は自由惑星同盟サイドとその他の勢力
前回の銀河帝国編に続いて今回は自由惑星同盟及びその他の勢力編です。
実はこの企画は「謙信サマは今日も気まぐれ」に鈴木達央さん(オリビエ・ポプラン役)が出演されていることがきっかけで思いついたものなので、ようやく本来の目的に到達です。
自由惑星同盟サイド
まずトップにあるべきヤン・ウェンリーの名前がないのが寂しいところです。
そう、石黒昇版でヤン・ウェンリーを務めた富山敬さんも、Die Neue Theseの鈴村健一さんも出演作を見つけることができていないのです。
鈴村健一さんはどこかでラジオドラマが好きと言っていた気がするし、奥様が青春アドベンチャー常連出演者の坂本真綾さん(アンネローゼ役で銀河帝国編で紹介済み)なので呼べば喜んで出演してくれると思うのですが。
なお、旧OVAの一部外伝作品では郷田ほずみさん(笑う20世紀パート5、魔女たちのたそがれ)がキャストされていますが、これはあくまで”若い日のヤン”役なのでここではカウントしておりません。
ユリアン・ミンツ
佐々木望さん(石黒昇版)
という訳で原作8巻でのヤン退場を受けて、原作9巻で一方の主役に昇格したユリアン・ミンツ役を演じたお二方からスタート。
佐々木さんは1980年代から1990年代の人気声優のひとりで当時は高い声を使った少年役で有名な方でした。
青春アドベンチャーの出演作である「イーシャの舟」、「これは王国のかぎ」もそのころの作品です。

梶裕貴さん(Die Neue These)
「進撃の巨人」の主役エレン・イエーガー役で一躍有名になった梶裕貴さん。
NHK-FMでは2022年から2025年にかけて「梶裕貴のラジオ劇場」という冠番組をもっていたのですが、この番組が始まる前の2020年に担当したのがこの「00-03 都より愛をこめて」でした。

ワルター・フォン・シェーンコップ
羽佐間道夫さん(石黒昇版)
羽佐間さんは「ロッキー」でのシルベスタ・スタローンなど洋画吹き替えの印象が強く、銀河英雄伝説でシェーンコップを演じられたのは少し意外でした。
NHKのラジオでは長年、怪人20面相を演じており、広川太一郎さんが演じる明智小五郎とセットでたくさんの作品に出演されているほか、ナレーション(「モヒカン族の最後」など)での登用も多かった記憶があります。

アレックス・キャゼルヌ
キートン山田さん(石黒昇版)
キートン山田さんといえばアニメ「ちびまる子ちゃん」のナレーションなのですが、青春アドベンチャー「ジャガーになった男」でも少しとぼけたあの調子でナレーションをされていました。
「ジャガーになった男」自体はまじめな話なのですが。

オリビエ・ポプラン
古川登志夫さん(石黒昇版)
原作者田中芳樹さんが自らあとがきで「イゼルローンの諸星あたる」と呼んだポプラン。
アニメ化作品を見てみたらなんと「うる星やつら」で諸星あたる役を演じていた古川登志夫さんがポプランを演じてビックリでした。
古川さんの出演するNHK-FMのラジオドラマは「青春デンデケデケデケ」、「ロスト・ワールド」、「泥棒をつかまえろ!」など外れがないのですが、ここではやはり主演作「夏への扉」を挙げさせていただきました。

鈴木達央さん(Die Neue These)
現代の人気声優にして歌手LiSAさんの旦那さんでもある鈴木達央さん。
私生活でいろいろあって謹慎されていましたが最近また仕事が増えているようです。
青春アドベンチャー「ウィッグ取ったらただの人」・「謙信サマは今日も気まぐれ」へのご出演も仕事の幅を広げる一環なのでしょうか。

ダスティ・アッテンボロー
井上和彦さん(石黒昇版)
サイボーグ009の島村ジョーなど1970年代、1980年代の人気声優だった井上和彦さん。
青春アドベンチャーでの代表作はやはり奥村英二を演じた「BANANA・FISH」(1994年・1995年)だと思うのですが、2024年「火星ダークバラード」で久しぶりに青春アドベンチャーに登場。
この時は実にいやらしい悪役でした。

ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ
納谷悟朗さん(石黒昇版)
昭和の大声優のひとり納谷悟朗さん。
ルパン三世の銭形警部、宇宙戦艦ヤマトの沖田十三など名演は枚挙に暇がありません。
重鎮過ぎてNHK-FMのラジオドラマではちょい役(闇の守り人など)が多いのですが、ロスト・ワールドでは主役を食うような活躍ぶりです。

山路和弘さん(Die Neue These)
山路さんはDie Neue Theseでは珍しい舞台俳優メインの方ですが、実は吹き替えの経験も豊富。
「PSYCHO-PASS サイコパス」の雑賀譲二役以降はアニメでの活躍も増えています。
NHK-FMのオーディオドラマではその演技力を生かしFMシアターでの起用が多く、代表作は「冬の曳航」でしょうか。
なお、Die Neue Theseでのメルカッツ役は最初は石黒版でナレーションをされていた石塚運昇さんが担当されていましたがご逝去とともに山路さんに引き継がれました。

その他の役
その他、同盟サイドに関する出演情報を一覧で記載します。
見つけた範囲内での一覧なので漏れがあると思いますがそれでも長いリストなので折りたたんでおきます。
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- ムライ(石黒昇版):青野武「迷宮百年の睡魔」ほか
- フョードル・パトリチェフ(石黒昇版):塩屋浩三「スピリット・リング」
- バグダッシュ(石黒昇版):神谷明「絶句」
- カスパー・リンツ(石黒昇版):小杉十郎太「DINER(ダイナー)」
- ウォーレン・ヒューズ(石黒昇版):矢尾一樹「天使のリール」
- カーテローゼ・フォン・クロイツェル(石黒昇版):三石琴乃「イーシャの舟」ほか
- ルイ・マシュンゴ(石黒昇版):中尾隆聖「渇きの海」
- ラオ(石黒昇版):亀山助清「遠い星からきたノーム~ウイングス」ほか
- シャルロット・フィリス・キャゼルヌ(石黒昇版):天野由梨「完璧な涙」ほか
- シドニー・シトレ(石黒昇版):内海賢二「遠い海から来たCOO」ほか
- ラザール・ロボス(石黒昇版):大木民夫「渇きの海」
- クブルスリー(石黒昇版):田中信夫「恐怖の館・日本古典編」ほか
- チュン・ウー・チェン(石黒昇版):大塚明夫「リニューアル」ほか
- ホーウッド(石黒昇版):小川真司「ラバウルの秘宝」
- ウランフ(石黒昇版):大林隆之介「海に降る」ほか
- ウランフ(DNT):桜井敏治「これは王国のかぎ」
- アンドリュー・フォーク(石黒昇版):古谷徹「ネムコとポトトと白い子馬」ほか
- サンドル・アラルコン(石黒昇版):大友龍三郎「タイムライダーズ」
- ジョアン・レベロ(石黒昇版):家弓家正「Meg」ほか
- ロイヤル・サンフォード(石黒昇版):阪脩「ザ・ワンダーボーイ」ほか
- ロイヤル・サンフォード(DNT):柴田秀勝「吸血鬼ドラキュラ」ほか
- ヘンスロー(石黒昇版):増岡弘「韓国・鉄道・グルメの旅」ほか
- ジェシカ・エドワーズ(石黒昇版):小山茉美「砂漠の王子とタンムズの樹」ほか
- アーサー・リンチ(DNT):二又一成「きつねのチャランケ」ほか
- エベンス(石黒昇版):池水通洋「ブラックホール」
- クリスチアン(石黒昇版):曽我部和恭「青春デンデケデケデケ」
その他勢力
アドリアン・ルビンスキー
小林清志さん(石黒昇版)
石黒版でルビンスキーを演じたのは「ルパン三世」で長年、次元大介を演じていた小林清志さん。
NHK-FMではアドベンチャーロード時代の「肥後の石工」のナレーション、青春アドベンチャーになってからの保科義久さん演出作品(完璧な涙、ゲノム・ハザード)などに出演されています。

手塚秀彰さん(Die Neue These)
劇団青年座所属の俳優の手塚秀彰さんは声優としては吹き替えメインの方ですが、「機動戦士ガンダムUC」のスベロア・ジンネマンなどアニメへの出演もあります。
青春アドベンチャーへの出演はない、と思っていたのですが、調べてみると「プラハの春」(2006年)、「あずかりやさん」(2019年)などに出演されていたようです。

ルパート・ケッセルリンク
鈴置洋孝さん(石黒昇版)
石黒版でルパート・ケッセルリンクを演じた鈴置洋孝さんは、石黒版ではめずらしく同盟の撃墜王イワン・コーネフとあわせて2役を演じています。
イワン・コーネフは無口なキャラなのであまりセリフはありませんが。
鈴置さんといえば「機動戦士ガンダム」のブライト艦長。
同じガンダム出演仲間(古川登志夫さん、古谷徹さん、曽我部和恭さん)とともにスラップスティックというバンドを結成していましたがこの4人でサウンド夢工房の「青春デンデケデケデケ」に出演されています。

ボリス・コーネフ
安原義人さん(石黒昇版)
重要なのか重要じゃないのかよくわからないボリス・コーネフを演じたのは安原義人さん。
安原さんといえば洋画吹き替えのイメージが強いですが、1980年代・1990年代のアドベンチャーロードの時代に「最後の惑星」、「成層圏ファイター」、「さらばアフリカの女王」など多くの作品で主演されています。

ド・ヴィリエ
銀河万丈さん(石黒昇版)
決して出番は多くはないながら、銀英伝世界の裏で多くの陰謀を操り歴史に影響を与えてしまったド・ヴィリエ司教を演じたのは銀河万丈さん。
一般的にはなんといっても「なんでも鑑定団」のナレーションの人ですが、NHK-FMでは1980年代から最近まで多くの作品に出演されています。
最近では「シャドー81」で演じたニクソン大統領がそこはかとなくギレン・ザビ風味なのがおかしかったです。

堀秀行さん(Die Neue These)
堀秀行さんのNHK-FM出演作品も「サハラの涙」、「サラマンダー殲滅」、「東京防衛軍」と1990年代までに偏っているのですが、実は銀河英雄伝説では石黒版ではなくDie Neue Theseに出演されています。

ナレーション
屋良有作さん(石黒昇版)
何度聞いたことでしょう、「銀河の歴史がまた1ページ」。
とても印象的なナレーションの屋良有作さんですが、青春アドベンチャー「超能力はワインの香り」での役どころは、主人公のアル中父親で「銀河の歴史」とはまったく縁遠いのがおかしいですね。

その他の役
フェザーンや地球教関係、歴史上の人物などの出演情報を一覧で記載します。
こちらも折りたたんでいますのでクリックのうえご覧ください。
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- ニコラス・ボルテック(DNT):小原雅人「死神の精度」
- マリネスク(石黒昇版):緒方賢一「リフレイン -私とおじいちゃんの捜査ノート-」
- デグスビイ(石黒昇版):納谷六朗「血と黄金」
- ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム(石黒昇版):大塚周夫「A-10奪還チーム出動せよ」ほか
- ブルース・アッシュビー(石黒昇版):風間杜夫「トゥー・ラブ・アゲイン~若き文学者たち」
- アルフレッド・ローザス(石黒昇版):井上倫宏「ロスト・ワールド」ほか
- ファン・チューリン(石黒昇版):菅生隆之「ツングース特命隊」ほか
- ジョン・ドリンカー・コープ(石黒昇版):佐古正人「魔の視聴率」ほか
肝心の方がいない
さて、前の記事に書いたとおり以上のとおり「銀河声優伝説」とも称された石黒版・銀英伝のキャストは青春アドベンチャー及びその前身番組に多くの方が出演されています。
それなのに、今まで特集記事を作成しなかった最大の理由が主役の一人、ヤン・ウェンリーを演じた富山敬さんの出演作品を紹介できていないことです。
富山さんはアニメ銀河英雄伝説でのヤンの登場シーンが終わってすぐの1995年に他界されており、1993年スタートの青春アドベンチャーには多分1作品も出演されていないのですが、前身番組ならどこかに出演されていそうな気がします。
同盟側は、ヒロインのフレデリカ(石黒昇版では榊原良子さん、Die Neue Theseでは遠藤綾さん)も見つからず寂しい限りです。
いつか見つかるとよいのですが。
■シリーズ「青アドポーカー」
作品間の緩やかな繋がりを楽しむこの企画。
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青春アドベンチャーでシリーズが3つもオーディオドラマ化されているのはこの人だけ!
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