【特集】200作品紹介記念②:主演した作品数ごとのベストテン

折々の記録

【200作品特別企画②】主演俳優ベストテン

当ブログはNHK-FMの「青春アドベンチャー」で放送された作品を中心にラジオドラマ作品を紹介するブログです。
お蔭さまで、平成26年1月21日にアップした「精霊の守り人」で200作品の紹介ができました。
200作品紹介の節目では、作品のジャンルと当ブログで付している格付けの関係を記事にして「200作品紹介記念行事」は終わりにするつもりでした。
しかし、今回、思い立ってもうひとつだけ200作品に絡んだ特集記事を作ることとしました。
今回のテーマは「出演者」、それも主演俳優についてです。

主演は俳優と格付け

これまで出演者については、有名俳優さんの出演履歴等について整理したこの特集や、常連出演者さんについて記載したこの特集をアップしています。
その他には各作品の紹介記事ごとに少しずつ出演者さんの紹介をしていますが、出演者さんの数は非常に多数であるため、網羅的に整理するのは諦めていました。
そこで今回は「この200作品」に限定して「主演俳優」だけに絞って、複数の作品で主演している出演者さんを調べてみたいと思います。

主演の定義

さて、例によって集計前にいくつかの前提条件を置きたいと思います。
まず、「主演俳優」とは「主役を演じている出演者」と定義します。
実は「主演」の定義は結構曖昧です。
例えば、「物語の語り手」と「物語で最も活躍する人物」が別の作品の場合。
もちろん単なる語りであれば主演にはなり得ないのですが、例えその人物以上に派手に活躍するキャラクターがいたとしても、その作品が「その人物の物語」であれば立派な主役です。
例えば、「ロスト・ワールド」で最も暴れているのは間違いなくチャレンジャー教授(演:納谷悟朗さん)ですが、「ロスト・ワールド」はあくまで「マローン(演:古川登志夫さん)の物語」と判断しました。
似たような意味で「カルパチア綺想曲」は、父・ジェラード(演:海津義孝さん)の存在感が圧倒的ですが、やはり主役は娘のジョー(演:大輝ゆうさん)と考えています。
逆に作品の大部分が語りの目線で進んでいるとしても肝心の作品中の「アドベンチャー」にその語りの登場人物が参加していない「最後の惑星」などは語り手を主役とはしていません。

主役「級」

そして、主役級の人物が複数いる場合も問題です。
五番目のサリー」は治療する側が主役と考えればアッシュ医師(演:渡辺いっけいさん)が、治療される側が主役と考えればサリー(演:前田悠衣さん)が主役になります(本ブログでは前者と考えています)。
また、どの登場人物も主役と断言できない「幽霊海戦」(アキラ役の風見慎吾さんを主演扱い)などの例もあります。
この場合でとくに面白いのは、複数の登場人物がほぼ同等の存在感を持っている作品。
妖精作戦」(榊裕役の長谷有洋さんを主演扱い)、「西風の戦記」(かすみ役の宮崎ますみさんを主演扱い)、「いまはむかし~竹取異聞~」(伊吹役の細見大輔さんを主演扱い)などですが、本当ならこれらは主役が複数いる群像劇的な作品と捉えるべきなのかも知れません。
しかし、今回は原則として無理矢理にでも1作品1人だけを主役として選んでいます。
例えば「世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット」はタイトルでは両者併記ですが、終盤は完全にスコットメインの話になるので主役はスコット(演:細川隆之さん)一人にしています。

主役交代

また、途中で主役が交代してしまう作品や、主人公の成長と共に演じる出演者が変わる作品もあります。
前者は「サマルカンド年代記」や「DIVE!!」、後者は「なくしたものたちの国」や「エデン2185」などです。
これらについても最終的に、作品全体から見た重要度、出演している時間の長さや出演者のコールの順番などを総合的に判断してとにかくひとりに決めています。

0.5票扱いと除外作品

ただし、どうしてもひとりに絞れない場合もありました。
具体的には「ライフシリーズ」や「不思議屋シリーズ」などの男女2名が代わる代わる主役をやる短編集作品や、男女2名でコントをやる「干支シリーズ」です。
これらだけはやむを得ず、それぞれお二人を0.5作品ずつでカウントしています。
あと残念ながら主役がいない作品。
短編集で各話ごとに主役が違い、演じる出演者も違う作品、すなわち「5つの贈りもの」、「ごくらくちんみ」、「ごくらくちんみ(第2期)」、「終末のフール」の4作品は集計の対象外としました。
このうち「終末のフール」については10回中3回の主役を河相我聞さんが務めているのですが、全体の主役という位置づけではないので、残念ながら選外としました。
そのため、今回の集計はこれらを除く196作品の集計になります。

それでは発表です

さて、例によって前置きが長くなりましたが、以上のルールに従い、複数の作品に主演している方をカウントダウン形式で発表します。
まずは第8位タイです。

第8位タイは合計2作品で主演されている方で、以下の15名が該当します。
この方々は、シリーズもので続けて主演された方と、全く別シリーズの作品に複数主演された方の大きく二つにわけることができます。
特に後者には、海津義孝さんや今井朋彦さんなど青春アドベンチャーを代表する常連出演者さんが含まれています。
海津さんや今井さんは本当にたくさんの作品に出演されている訳ですが、主役に限定してみるとさほど多くの作品に出ているわけではないのが意外です。
また、この中で女性は徳永廣美さんと朝倉あきさん、鈴木杏さんの3名だけです。
主役の男女比を見ると、アドベンチャーロード時代は男性主演が多く、サウンド夢工房時代は女性主演が多く、その後、青春アドベンチャーになってからはやや男性が多いのものの、ここ数年は男性と女性の主演がほぼ同数という傾向にあります。
今後はもっと女性の主演割合が増えるのかも知れません。

(シリーズもので2作品の方)

(別シリーズで2作品の方)


続いて、第3位タイです。
第3位は合計3作品で主演されている方で、以下の5名の方が該当します。

  • 織田優成さん(完璧な涙ゲノム・ハザード王の眠る丘
    保科義久さん演出作品の常連出演者だった織田さん。
    旧名の有馬克明名義で出演している作品もあります。
  • 大内厚雄さん(エドモンたちの島月蝕島の魔物髑髏城の花嫁
    大内さんも青春アドベンチャーの常連ですが、意外と主演は多くなく、月蝕島の魔物シリーズに主演される前は「エドモンたちの島」だけでした。
  • 篠井英介さん(黒蜥蜴黄金仮面魔術師
    3作品とも明智小五郎を演じられておられます。
    青春アドベンチャー版明智シリーズ、今後も続くのでしょうか?
  • 古澤徹さん(リプレイ青の時間星の感触
    1990年代後半の常連出演者だった古澤さん。
    薄井ゆうじ作品2つに主演されているのが印象的です。
  • 渡辺いっけいさん(北壁の死闘、五番目のサリー、サンタクロースが歌ってくれた
    青春アドベンチャー初期を代表する常連出演者の渡辺さん。
    「サンタクロースが歌ってくれた」は主演と言えるかは微妙なところではあります。

そしていよいよ第2位の発表です。
第2位は!




そしてついに堂々の第1位の発表!
なんとなく第2位の顛末から推測できてしまいそうな気もしますが…



  • 内田健介さん!!!!
    (おいしいコーヒーのいれ方シリーズ8作品「キスまでの距離」「僕らの夏」「彼女の朝」「雪の降る音」「緑の午後」「遠い背中」「坂の途中」「メモリーズ」、「ボディ・ライフ」、「ナンバー・ライフ」、「カラー・ライフ」)
    …すみません。
    そりゃそうですよね、「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズ全てに出演している内田さんが1位に決まっていますね。
    しかも内田さんはライフシリーズも主演(こちらは大路恵美さんと共同主演)しています。
    こりゃ、誰も勝てませんね。
    学生時代は青春アドベンチャーのリスナーであったという内田さんの面目躍如といったところでしょうか。
    ちなみに「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズの主役はショーリ(演:内田健介さん)なわけですが、ヒロインのかれん(演:長谷川真弓さん)を準主役と考えてカウントに入れるとランキングはガラっと変わってくることになります。
    おいコーシリーズがいかに青春アドベンチャーの長い歴史でも例外的なシリーズ化わかると思います。
    長谷川さんは「Meg」でもヒロインを演じていますので、実質的には青春アドベンチャーでかなり大きな役回りを演じていることになりますね。

あくまで200作品の集計

さて、と言うわけで、何だか締まらないカウントダウンになってしまいました。
1シリーズを1つとカウントする方法もあったのですが、当初の企画趣旨が「200作品の整理」だったので、あくまで200作品をベースとして集計しました。
ちなみに上の方でも書いたのですが、最近は女性の主演が増えており、男女比はほぼ同数となっています。
女性の場合、少年役での出演もあるので、必ずしも主役自体が男女同数という訳ではないのですが、この世界でも女性の進出は著しいです。
鈴木杏さんと朝倉あきさんはその最近の傾向の象徴のような方だと思います。
女性出演者といえば、「砂漠の歌姫」に主演されている石川由依さんも最近の青春アドベンチャーによく出演されている印象があります。
しかし主演としては上記の「砂漠の歌姫」だけで、「風神秘抄」、「月蝕島の魔物」、「髑髏城の花嫁」などヒロイン役が多くなっています。
この辺、朝倉さんがジブリの「かぐや姫の物語」で主演、石川さんが「進撃の巨人」でヒロインと、2013年のお二人の活躍の仕方と平仄があっていて不思議な感じです。

意外と被らない

それにしても、青春アドベンチャー系列の番組って、その時期ごとにかなり出演する人が偏っています。
そのため、主役もかなり被っている印象がありました。
しかし、主役に限ってみると意外とばらける結果となりました。
制作側も作品全体のイメージを決定づける主演は、あまり重ならないようにしているのかも知れませんね。


次の特集は青アドポーカー「原作者が出演しているラジオドラマ」です。


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