今回はNHK-FM青春アドベンチャーで再放送されていない作品を探してみます。
再放送も善し悪し
NHK-FM青春アドベンチャーは平日毎日15分ずつ放送される帯ドラマ番組で、概ね2週間(10回)で1作品を放送するのですが、放送される作品は大きく新作と再放送作に別れます。
番組を継続して聴いている私としては次の放送予定が再放送だと少しがっかりするわけですが、番組を聞き始めたばかりの方、初回放送を聞きそこなった方にとっては別だと思います。
過去作を聞く唯一の方法
というのも、しばらく前に「聞き逃し配信」が始まったことにより、2006年に夕方の追っかけ再放送が終了して以降続いていた「聴取や録音が一発勝負」という恐ろしい時代こそ終わったものの、聞き逃し配信を逃すと(公式に)過去の作品を聞く方法がほとんどないという状況は今も変わりがありません。
つまり、過去の作品を聞きたいと思う方にとって今も(公式の)唯一のチャンスが再放送なのです。
ただ、この再放送、概ね数年前の作品を放送する傾向にあるものの基本的に順不同で、具体的にどの作品が再放送されるかは概ね1~2カ月前に公式ホームページで告知されるまで分かりません。
大抵のコンテンツはお金さえ出せばネットで見られる時代なのに…
未再放送作品が自然と溜まる
さて、時代によって違うのですが、通常、1年間に放送される全作品の半分以下が再放送です。
例えば2021年は全27作品のうち9作品が再放送でした。
ここで気が付くことがあります。
半分「以下」が再放送ということは、半分「以上」が新作。
つまりこのペースが続くと、再放送されていない作品が溜まっていくことになります。
なかには2回、3回と再放送される人気作もありますので、そのしわ寄せで再放送されずに終わった作品は一層多いはずです。
一生懸命制作したのに、一度だけ放送された後、全く周知されないまま埋もれてしまうのは勿体ない!
ということで、一度も再放送されていない作品の一覧記事を作ることにしました。
1990年代…再放送がないのが普通
まずは、1990年代編。
この時代は新作の数が特に多かった時代です。
しかもそもそも前身番組の「サウンド夢工房」や「アドベンチャーロード」の時代は一度しか放送しないことが普通で、再放送されるのはよほど人気のある作品だけでした。
何とも儚かない話ですね。
なお、上で述べたとおり青春アドベンチャーには1996年4月~2006年3月の10年間だけ、夕方17時45分からの時間帯で1週間前の作品を追っかけて再放送する枠がありました。
よってこの間の作品はすべて少なくとも1回は再放送されていることになりますが、過去の作品を聞くための再放送とはやや趣旨が異なるので、本記事では対象外としています。
また、この記事はNHKクロニクルと番組公式ホームページで調べましたが漏れがありましたら是非ご指摘ください。
1992年初出のうち未放送作
- 十四歳のエンゲージ(音源未所有)
- 不良と呼ばれた夏(音源ほぼ未所有)
- 王女アストライア
- 東京防衛軍
- 星虫
- 北村想の怪人二十面相・伝
- 都会島のミラージュ
- ベルサイユのばら・外伝
- ロンリー・ランナー
- アドベンチャー的五大ニュース
第1作「十四歳のエンゲージ」からいきなり4作品連続で再放送されていない…
この時代はラジオなんて1度放送してしまえばお仕舞という認識だったのかもしれない。
とはいえ、「あたしの嫌いな私の声」は2回再放送されているし、「アンデルセンの雪の女王」は20年後の2012年に再放送されているので将来的に再放送の望みが全くないわけではない。
⇒1992年の作品一覧はこちら
1993年初出のうち未放送作
- 五番目のサリー
- オズ
- 夢の木
- 猫のゆりかご
- 春休み少年探偵団
- テレヴィジョン・シティ
- ハリーとアキラ
- ジュラシック・パーク
- ふたり
- ブルボンの封印
- 武蔵野蹴球団
- ザ・マンボスパイズ
- 草上仁のミラクルワールド
- 都立高校独立国
- 我輩は犬である
再放送されたのはわずかに4作品だけで、全放送年で最も再放送された作品の少ない年。
もう何と言ってよいやら。
一方、「サンタクロースが歌ってくれた」は2回も再放送しているが、これは年末に再放送しやすい作品だからか?
なお、この年に「我輩は犬である」から始まったいわゆる“干支シリーズ”は、時事ネタということもあり1作品も再放送されていない。
⇒1993年の作品一覧はこちら
1994年初出のうち未放送作
この年制作された「BANANA・FISH」は好評だったのか、3回再放送された。
一番最近の再放送はTVアニメ化と同時期の2018年である。
⇒1994年の作品一覧はこちら
1995年初出のうち未放送作
- 三銃士
- 吸血鬼ドラキュラ
- せいけつ教育委員会ほいほい
- オーバー・ザ・ハポン~空の彼方(かなた)へ~
- エヴァが目ざめるとき(音源未所有)
- 秘密の友人
- 優しすぎて、怖い
- 夏への扉
- イッセー尾形劇場・凡庸の極み
- ウェディング・ウォーズ
- 笑う20世紀 パート2
- ねずみのチュー告
「エヴァが目ざめるとき」がどうしても聴くことができない。
音源をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非ご連絡をください。
⇒1995年の作品一覧はこちら
1996年初出のうち未放送作
- ロビン・フッドの冒険
- 新・夢十夜
- 黒いユニコーン ランドオーヴァーPart3
- 大魔王の逆襲 ランドオーヴァーPart4
- イッセー尾形のたゆたう人々
- 嘘じゃないんだ
- 笑う20世紀 パート3
- モー!いいかげんにして!
この年、ランドオーヴァーPart3及びPart4を放送する前に、Part1及びPart2が再放送されたようだが、Part3及びPart4自体が再放送されることはなかった。
「ブラジルから来た少年」は20年以上経過した2017年にも再放送された。
なお、4月1日から放送された「お父さんの会社」から(正確には4月1日からの週は前年最後の「笑う20世紀 パート2」を放送)、夕方17時45分からの1週間遅れの再放送枠が設定され、単純な聞き逃しであればもう一度だけ聴取のチャンスがあるにようになった(1週間遅れなので忘れられがちだが)。
⇒1996年の作品一覧はこちら
1997年初出のうち未放送作
この年は21作品も制作されたが13作品は再放送された履歴がある。
段々と再放送される作品が増えてきたが、「ドラマ」という番組名で制作された「少年H」のような全20話物は、長すぎて再放送をするのはなかなか困難かもしれない。
なお、「新宿鮫・氷舞」は青春アドベンチャーのレギュラー放送中に再放送されたのではなく、再編集されFMシアター枠で50分×2回で再放送されました(1998年3月7日及び3月14日)。
⇒1997年の作品一覧はこちら
1998年初出のうち未放送作
そうか「レッドレイン」も再放送してないのか。
何となく名古屋局の作品は不遇な扱いを受けているように感じる。
「笑う20世紀 パート5」はパート4までと違って時事ネタが多く、再放送しづらそう。
⇒1998年の作品一覧はこちら
1999年初出のうち未放送作
急速に再放送される作品が増えてきた。
時事ネタの「笑う世紀末探偵」と「辰のお年頃」を除けば、再放送されていない作品は「狩人たち」のみ。
⇒1999年の作品一覧はこちら
青春アドベンチャーも初期は新作の制作が盛んで再放送が少なく、再放送から漏れている作品がかなり多かったことがわかります。
その後、徐々に再放送の割合が増え、1990年代末頃の作品は1度再放送されることが普通になってきました。
2000年代および2010年代の作品の再放送状況は別の記事にまとめます。
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